#29.二頭のホワイトイーグル
僕らは、村長さんに教えられ、ホワイトイーグル達を追いかけた。
「翔太朗殿、ここで、村の民家が立ち並ぶ場所で、戦闘行うと危険なので、広い畑の部分まで追いかけよう。奴らがそこまで到達したら、風魔法を打てるか?」
「はい、やってみます。」
追いかけている間に、カミラさんから、作戦を伝えられた。
やってみるしかない。頑張ろう。
僕は、彼らを追いつつ、二頭のホワイトイーグルを見て、いつ畑部分に到達するか見ていたのだが・・・。
二頭のホワイトイーグルには、妙な感じがした。
これまで、僕は、鷲を嫌というほどたくさん見ていた。
ワシ之信、サイゾウ、ワシノリ、その他吉田一族の忍者が口寄せする多くの鷲・・・・・。
この二頭のホワイトイーグルには、これらの鷲と何かが足りていない。口寄せの契約ではなく、もっと、鷲としての根本的何か。
一言でいえば、彼らより、ずっと覇気がない。さっきから、左右によれたりで弱々しく飛んでいる。
それに、もっと速い速度で、飛べるはず・・・・・・。
弱っているんだ。そう思った。
僕は、追いかけている途中であったが、
「カミラさん、ちょっと僕は離れますので、追いかけてもらえませんか。すぐに追いつきますので。」
「どうしたのだ?」
「大丈夫です、すぐに追いつきます。」
「わかった。」
僕は、追いかけるのをカミラさんとミランダにお願いた。
そして、お菓子屋へ向かい、温泉饅頭やクルレの農村のオリジナルクッキーをいくつか買った。
そして、カミラさんたちに追いつこうとした。
「肉体強化魔法~速さ~」
と唱えて、二頭のホワイトイーグルに先回りしようとした。
畑の広がる部分へとやってきた。
案の定、二頭のホワイトイーグルは、畑の広がる部分をぐるぐると飛び回っている。
「よし、畑の広がる部分を都合よく、ぐるぐると回っているな。翔太朗殿、風魔法をやってくれないか。」
僕は、カミラさんの指示を聞いて、ホワイトイーグルが飛び回っている中心に近い場所にやってきた。
しかし、風魔法は打たず、先ほどお菓子屋で購入した、温泉饅頭と、クッキーを空を飛んでいる二頭に、見せてみた。
<いいか、翔太朗。鷲と契約するにはまず、彼らの気持ちを考えるのじゃ。>
<いいか、翔太朗。風遁は感じるんじゃ。>
トン吉爺さんのことばを思い出す。ここにきて、まさか、忍術の修業が役に立つとは思わなかった。
彼らは、畑の周りをぐるぐると飛び回るのをぴたりとやめて、空に待機している。
「お腹がすいているのだろう。食べて。・・・・・。」
わからない、ただ魔力を込めて、しゃべってみた。彼らに聞こえるように・・・・。
「お腹がすいているんだよね。大丈夫だよ。・・・・・。」
二頭の鷲が、僕のもとへと降りてくる。
「翔太朗殿、危ない。」
カミラさんが止めに入っているが。
「大丈夫です!!」
僕のことばと、二頭のホワイトイーグルの行動を見て、カミラさんは走ってくるのをやめて、歩いてこちらに来た。
ホワイトイーグルは、僕が差し出した、温泉饅頭をおいしそうに食べている。
「食べ物が欲しくて、ここの村に来ていたんですよ。だから人は襲ってこなかったんです。」
「なるほど、そうだったのか。」
「はい、鳥を扱うのは昔から・・・・・。よく観察して・・・・・、慣れていましたので・・・・。」
「そうか。」
「はい。さっきも、弱々しく飛んでいたので。」
「すごいですわ。翔太朗様。一瞬で、ホワイトイーグルの状態を見抜くなんて。」
ミランダが感心している。
「しかし、食べ物をあげて大丈夫なのか?また来て、食べ物の被害が増えたら、それはそれで本末転倒というか。」
確かにそうだ。この二頭が村を頻繁に飛び回る理由は判明したが、食べ物がもらえると思って、また飛び回ることを繰り返していたら、やはり根本的な解決策にはならない。
しかも、僕はとっさに食べ物をあげてしまった。食べ物がもらえると思って、今度飛び回ってきたときは、農作物に被害が出るかもしれないのだ。
しまった。
「カミラ様、皆様。大丈夫ですか。」
村長が追いつき、ホワイトイーグルと僕らの周りに結界魔法を張ってくれた。
なるほど、これが結界魔法の魔法陣か。
「大丈夫ですか。ホワイトイーグルが下りてきましたので。慌てて結界を張りましたが・・・・。」
「ええ、大丈夫です。彼らは、おなかがすいているだけのようでしたし。」
「食べ物をあげれば大丈夫かと。」
「そうでしたか。では、結界は外しますね。すみませんね、年寄りだと魔力が持ちませんので。」
村長は結界を外した。
「そして、おなかがすいたら、また彼らはこちらに飛び回ってくるのでしょうか。食べ物の被害も避けたいですし・・・・・・。」
村長もカミラさんと同じことを言っている。
まずいな。食べ物をあげてしまったから、今度来たときは村の食糧が荒らされるかもしれないと思うと・・・・・。
「あの、助けてくれて、ありがとう。」
かなり高い、声がする。『ホワイトイーグル』の声だ。おそらく魔力があるので、僕たちのことばが分るのだろう。
それにしても、少し高い声・・・・・。
すると、二頭のホワイトイーグルから魔法陣が現れた。
僕らは目を疑った。
読んでいただき、ありがとうございます。
まだまだ冒険は続きます。
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