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#22.王都


 翌朝、僕は、アレックスさん、ミランダ、カミラさんと買い物に出かけた。

 

 ちなみに、アルベルトさんとポールさん、パメラさんは今日から仕事ということで、それぞれの場所へ向かっていった。


 王都はやはり、白をベースとしたレンガであちこちの家はできているようだ。

 道もすべて石畳がきれいに敷かれている。


 活気はありそうだが、閑静な雰囲気の、店舗が並ぶ場所へやってきた。

 店舗それぞれが見るからに高級そうだ。


 「まずは、衣類ですね。」


 衣類が売っている店舗に入る。

 いくつか購入するが、どれも高そうで申し訳なかった。


 「似合ってますよ。翔太朗様。」

 「ああ、いいと思うぞ、翔太朗殿。」

 

 ミランダ、カミラさんの女子二人の肯定する意見が出るたびに、購入していた。

 これが女子目線というものなのだろうか。


 そして、店を出て、もう一軒、同じようなお店に入った。

 今度は戦闘用の防具メインのお店だ。


 「魔道の修業、そしてこれから実践も行っていくわけですから、防具もあったほうがいいでしょう。」

 

 とのことだったので、お言葉に甘えることにする。


 「実践ということでしたら、カミラが適任と思いますので、ここからの装備はカミラに選んでもらいましょうか。」

アレックスさんはカミラさんを指名した。


 「よし、わかった。翔太朗殿、よろしく頼む。」

 「よろしくお願いします。カミラさん。」


 カミラさんは僕を連れて、店の奥へとすすんだ。


 「翔太朗はおそらく、これまでの修業を見せてもらったが、速さメインの先頭に優れているので、軽めの防具を装備したほうがよさそうだな。」


 カミラさんは、店舗の商品を見渡した。


 「うん。これなんかどうだろう。魔力付与されているし、しっかりしている。」


 手にしてくれていたのは白く、肩のあたりに青い刺繍の入っているマントだった。

 ただ、マントといっても、どこかの国王のように、そこまでがっちりしたものではなく、マントの先は太もものあたりまでで、だけれども上半身をしっかり覆ってくれそうなものだった。


 カミラさんが持ってきてくれたマントを着てみる。


 「うん。よさそうだな。」

 「とーってもお似合いですよ。翔太朗様。」


 女性二人が先ほど購入した、衣類よりもうれしそうな表情をする。


 「ありがとう、こちらを買います。」


 カミラさんの選んでくれた、白いマントを手にして店を出た。



 次は、杖を買うことにした。

 魔力を一層引き立ててくれるため、魔法の杖はとても重要なものだ。


 修業の時もそうだったが、両手に持つような大きな杖ではなく、片手で持てる小さめのステッキだ。


 「武器はそれぞれ、合う、合わないがありますからね。特に杖は慎重に選びましょう。」


 どうやら、武器の場合は購入するお店も重要らしい。

 アレックスさんに連れていかれたのは、これまた貴族御用達であろう、高級なお店だった。

 店はいかにも老舗という店構えだ。


 「いらっしゃいませ。」

 店員が頭を下げて迎えてくれる。


 「この方のための、魔法の杖と、杖以外の剣などの何らかの武器を取り繕っていただきたいのですが。」

 「かしこまりました。どうぞこちらへ。」


 店員さんに促されるまま、僕は店の奥へと案内される。

 

 「さて、まずは杖ですね。利き腕は・・・・・。」


 「左です。」

 そう、僕は左利き。アレックスさんの指摘通り、左で武器を扱う。


 店員さんは、僕の左腕を拝見し、僕のたたずまいを同時に見た。

 

 そして、杖を三本持ってきてくれた。

 

 「魔法の杖は初めてですか?」

 「はいそうです。」

 

 店員さんの質問に答える。

 

 「でしたら、一番左か真ん中の物がおすすめかと。」

 一番左の杖を手に取る。

 「ユニコーンの角と、軽めの金属でできています。しっかりしていますので、振りごたえもあります。」


 確かに手に取ると、かなりしっかりしていて、魔力もより一層感じられるようになった。


 一度店員さんに杖を戻し、真ん中の二本目の杖を手に取る。

 「鳥獣系の魔物の羽と、薄く伸ばした銀で錬金したものです。羽なのでかなり軽いですよ。」

 先ほどの商品より軽く。振ってみると鳥の羽のように滑らかで、風を風の魔力をより一層感じる。

 僕はうなずいた。


 「確かに、風魔法の得意な翔太朗殿にはこの杖はピッタリだな。」

 「そうですね。しっくりくるようですね。」


 アレックスさんとカミラさんがこちらに向かって、納得したような表情だ。


 「とっても似合ってますわよ。」

 笑顔のミランダ。


 うん。僕もこの杖がいい。


 「決まりですね。そうなると、あとは武器となりますが、ここもカミラが適任なので、カミラに任せましょう。ただ、僕の見立てと、ほぼ同じかもしれませんが。」


 カミラさんの表情もうん、とうなずいている。


 「おそらく翔太朗殿の動きやお話を聞いていると、短剣がおすすめだろう。忍者のクナイのように扱えるし、右手も武器が使えるはずだから、短剣を両手に装備して一気に加速して攻めるやり方がいいと思う。」


 アレックスさんもうなずいている。満場一致のようだ。


 「かしこまりました、短剣でございますね。お話を聞いていると、軽い方がよさそうですね。」


 いくつか短剣を用意してもらった。


 「二つ選んでもらって構わない。右手と左手に装備するからな。ただしできるだけ同じ重さの方がいい。」


 カミラさんのアドバイス通り、短剣を二つ選んだ。

 一つは、銀の中でも魔力付与と錬金術でさらに質のいい銀に加工した物質。聖銀でできた短剣。

 もう一つは、剣先が羽のようになっている短剣。こちらはグリフォンという魔物の羽と、銀を錬金して作ったものらしい。


 「どちらも魔力付与がついてます。聖銀の方の短剣は、ゾンビ系などの魔物により威力を増すことができる魔力。グリフォンの羽の方の短剣は、装備者の速さを上げてくれる魔力だ。」


 「翔太朗殿の戦い方にぴったりだな。この羽のような短剣を左手に装備して、聖銀の方の短剣を右手に装備するといいだろう。」


 僕はうなずき、二つの短剣を購入した。


 「それと、遠投用の短剣も頼む。おそらく、翔太朗殿は武器を投げて戦えるはずだからな。」


 遠投用の短剣も店員に用意してもらい、それを購入した。


 店員に頭を下げられ、店を出た。


 僕は何度もアレックスさんとカミラさんにお礼を言った。


 「大丈夫ですよ。翔太朗様。モナリオ家の養子のようなものですから、私たちがサポートします。」

 「それに、私を助けてくれたお礼でもある。」


 それでもお礼の範疇を超えていると感じた僕は頭を下げた。




 「さて、これで、必要なものを一通りそろえましたね。あとは、折角ですから、翔太朗様に、この国でお金を稼げるようにしましょうか。」


 アレックスさんに案内され向かったのは、王都の広場だった。

 広場の中央には噴水があり、小さな鳩たちが憩いの場としているようだ。

 そして、これまで以上に一番人が多く出入りしていた。


 広場は円形の形をしており、東西南北、それに北東、北西、南東、南西と、それぞれ、八方からやってくる、道がある。

 北東、北西そして、北へ向かう道は坂になっている。

 僕らは、北東の方角の道から、坂を下ってやってきた。



 「こちらは、王都で最も栄えている場所。王都の中央広場ですね。昨日も馬車ですが横切ったのですが・・・・・。馬車だと人混みが邪魔になりますので、早めに抜けてしまおうと紹介しておりませんでしたな。」

 確かにそうだ。馬車で横切るとなるとさすがに人混みの邪魔になる。

 ただ、広場が大きく、広いのでその分人混みとは言えないが、多くの人が行きかい、人口密度は少し上がっているのは確かだ。


 「私たちの貴族街は、広場から、北へ続く坂道から入ることができます。今来た北東の道は、貴族が利用する、お店が並んでいますね。」

 もう一度来た道を振りかえる。確かにそうだ。高級なお店ばかりが顔をそろえていた。


 「南の道を行けば、南門へ行くことができますね。昨日の港町、フィオナゲートには、南門から出て、南西に伸びる大きな街道を行けば、馬車で半日。徒歩でも多く見積もって2日あれば行くことができるでしょう。徒歩だと、本当の早朝に出発して、夜に着くというイメージを持ってくれるといいかと思います。南西の方角なので、西門から出てもフィオナゲートには行けますが、少し遠回りになりますな。町をいくつか経由するので、3、4日かかりますね。」


 今度はアレックスさんと東の方角を見た。


 「もうお気づきかと思いますが、セントアリア王国は東の大陸の最西部、そして王都はセントアリア王国の西部にあります。西側の海に近いのが何よりの証拠でしょう。東の門を出れば、セントアリア王国の様々な場所へ行くことができます。そうですね。真東に向かって、馬車で10日前後、徒歩だと半月ほどでセントアリア王国の東端、ブレゾラン山脈へたどり着きますね。山脈の向こうは隣国ブレゾラン帝国となります。」


 セントアリアの地理、そして王都の概要について、大まかに教えてもらった。


 そして、僕たち一行はアレックスさんについていった。

 広場の中の、北へ続く道と、北西へ続く道の間の建物の中に入っていった。


 「翔太朗様、昨日発行した、仮の身分証はお持ちですかな。」

 頷いた。肌に離さず持っている。

 昨日身分証が発行されたとき、身に着けていてほしいといわれていた。


 「おそらく、一日経過していますので、身分証明書が正式に発行できていると思います。まずはそちらを受け取りましょう。」

 この建物の奥へと進んでいく。


 「この建物は王都の役場になりますね。身分証の発行だったり、その他いろいろ、王都の住民に対して、公的な業務を行っていますね。」


 役場の受付に進み、身分証ができているかを問い合わせる。

「よかったですね、翔太朗様。無事にできているみたいなので、受け取りましょう。仮の身分証と引き換えになりますので、受付に出してください。」

 アレックスさんの指示通り、仮の身分証を受付に出す。

 

 カード状の身分証明書を受け取った。翔太朗=吉田と名前が書かれている。そして、右下にはマークが入っている。

 「こちらの右下のマークはモナリオ家の家紋になりますね。侯爵家が許可したという意味です。いろいろと特典もありますので、思う存分この国の生活を楽しんでください。」

 僕は頷く。感謝しかない。



 役場を出て、今度は、北へ続く道を挟んで向かい側の建物。北へ続く道と北東へ続く道の間にある建物に入っていった。


 「この建物はセントアリア中央銀行になります。翔太朗様の口座を作りましょう。身分証をご用意ください。」

 

 身分証を銀行の窓口に渡した。

 窓口の人は、身分証を魔力が付与された石板の上に置き、さらに魔法陣を描いて、身分証に魔法をかけて、魔力を付与しているようだった。


 「こちらで口座開設が完了になります。」

 身分証が返却される。

 「先ほどの石板と、付与魔法で、口座を開設、登録したのです。身分証があればいつでもお金を出し入れできますし、残高も確認できますよ。」

 なるほど。身分証はこうして使うのか。


 「逆に言えば、身分証をなくしたら、何もできないどころか、盗まれたら大変なことになりますので、絶対に無くさないでください。なくしたら、即、役所に申し出てくださいね。」

 確かにそうだ。なくすと怖いので、身に着けておこう。

 説明に納得して、身分証を受け取り、銀行を後にした。




読んでいただきありがとうございます。

王都のきれいな街並みが浮かんでいただけたら嬉しいです。

まだまだ冒険は続きます。

面白いと思った方、続きが気になる方は、是非、登録と、感想をお待ちしています。

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是非、5つ星をつけていただき、高評価をお願いいたします。

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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