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#15.二人組を助けて

第二章開幕となります。

少しでも気になる方は、高評価、お気に入り登録をよろしくお願いいたします。


 もと来た道を、僕は通っていった。

 しかし、どうやってこれから切り抜けようか。


 僕は少し考えた。


 浜辺の森を抜けることはできたが、そのあと迷ってしまった。

 

 理由は単純、どこへ向かっていいかわからないからだ。


 南ノ国。いくつか町はあるが、どこへ行っていいのかわからない。

 とりあえず、夜の前に町に行かないと。

 一文無しなので、野宿ということになるが、せめて明かりがないと不安だった。


 なんということだ。両親と兄に知らない土地に置き去りにされてしまった。

 優秀な兄ばかりを溺愛し、お前は死んだも同然だからという、そんなことで。

 那ノ国では、南の国で海王類に襲われ死亡ということを伝えられるのだろう。

 そして、一緒に持ち去った僕の荷物が遺品となるわけだ。


 

 夕刻が過ぎた。

 とにかく、近くの町にたどり着かないと。

 僕の足は、早足になる。

 

 街の明かりが見えてきた。

 よかった。よかった。

 無事に町へ戻ることができたのだった。


 様々な露店の通りを抜けると、おなかの鳴る音が聞こえた。

 といってもお金がないので、露店の脇の路地に入って、飢えと睡魔をしのぐことにした。


 しかし、路地に入ったのはよかったのだが、そこには先客がいた。

 

 人影が二人。

 はあ、はあ。という息遣いが聞こえる。


 女性が二人、そこにはいた。

 金髪の髪、青い目。那ノ国にはいない顔立ちの2人の女性だった。


 一人は、壁に寄りかかり、足を延ばして座っている。

 もう一人は、それを心配しているかのように、見ている。

 服装は壁に寄りかかっている方は、長袖とダウンベストの軽装、心配そうに見ている方は、明らかにお金持ちという雰囲気のワンピースだ。


 「はあ、はあ。ミラ様。申し訳ない。」

 足を延ばして、座っている人は言った。

 「いいのです。カミラ。私を助けてくれてありがとう。」

 心配している、女性は言った。

 

 「しかし、この怪我、どうしたらよいのでしょうか。ここは異国の地ですし。」

 「気にすることはないです。ミラ様。」

 「ごめんなさい。カミラ、私の不注意で。そして、助けを呼ぼうにも、ここは異国の地で、しかも路地裏ですし、皆さん、ただただ、路地裏を気にせず、通り過ぎているようで。」


 二人の会話が聞こえてくる。


 座っている、苦しそうな女性を見て、僕は放っておけなかった。

 「あの・・・・・・。」

 僕は、声をかける。

 「大丈夫ですか。」

 二人の女性が僕の方に目をやる。


 「あの、助けてくださるのですか・・・・・。」

 心配している、ミラ様と呼ばれた人物から、声がかかる。

 とてもかわいらしい。


 僕はうなずく。

 座っている女性に近づき。

 「見せていただけますか。」

 と尋ねた。座っている女性はそう言って。わき腹から手をどける。


 わき腹からは、出血している。

 なるほど、出血を押さえるために手を押さえていたのか。


 しかも片足は捻挫している。


 「すまない。そちらの、ミラ様が強盗に襲われてしまい、私は必死にこの路地裏まで追い詰めて、強盗は撃退できたのだが、ナイフで刺されて、転んでしまって・・・。」


 そういうことか。

 だが、出血もかなり深い。そうなると、ワンランク上の医療術を使わないとだな。チャクラを流し込まないと。


 ゆっくりと丁寧に印を結ぶ。医療術の印だ。だがいつも使っている医療術より少し長めに印を結んだ。ワンランク上の医療術だから。


 「何ですか。その手の動きは。」

 お嬢様と呼ばれていた、人が訪ねる。

 「大丈夫です。気にしないでください。」


 よし、印を結びきることはできた。回復術は目の前に敵がいないので、やりやすい。

 手を、彼女の患部に当て、チャクラを意識を集中させる。


 「こ、これは・・・・・・。」

 お嬢様と呼ばれる人が、目の色を変えた。驚いているようだ。

 よくわからないが、チャクラを一気に集中させて。けがの治療を実施した。


 もちろん捻挫の治療も行った。こちらは、いつも使用している、医療術で事足りた。


 座っていた女性は、数分もしないうちに立てるようになった。

 「危ないところを助けていただき、感謝する。お前は、忍者なのだな。手で印を結んでたから、わかった。」

 座っていた女性は頭を下げた。

 「あっ、すまない。敬語は苦手なんだ。ミラ様の敬語も実は無理して使っていた。」




 「カミラさんを助けていただき、ありがとうございました。」

 お嬢様と呼ばれていた人もお礼をする。


 「いえいえ、当然のことをしたまでです。」

 僕は首を振った。


 「あの・・・・。お礼がしたいので、私たちが泊まっている場所まで来ていただけませんか。」

 ミラ様と呼ばれる人は、そのように言った。


 「あの、そんなことまでしなくても。」

 と、思っていたが、おなかがグーっとなってしまった。


 女性二人は笑顔になった。

 「一緒に来い。食事をご馳走しよう。」

 と言ってくれたので、お言葉に甘えることにした。


 女性二人についていきながら自己紹介が始まった。


 「申し遅れました。私はミランダ=モナリオと申します。みんなからは、ミラと呼ばれています。」

 ミラ様と呼ばれていた女性が名乗った。顔が可愛い、そして、明るい場所に出てみてわかったのだが、年齢は僕と同じくらいということが分った。

 「ミランダさん、あの・・・・。モナリオさんでなくていいんですか?」

 僕は訪ねてみた。モナリオというのが名前なのでは?


 「ああ、ごめんなさい。ミランダが名前で、モナリオが苗字です。」

 ミランダはそう答えた。なるほど、名前から先に名乗るのか。

 「私は、モナリオ家のメイド兼護衛隊長をしている。カミラ=ホッス―だ。同じように、カミラが名前で、ホッス―が苗字だ。一応メイドなのだが、護衛役メインの人間なので、敬語は苦手なのだ。さっきからすまない。」

  カミラさんも足を治療したら、元気そうだった。


  「よろしくお願いいたします。吉田翔太朗です。吉田が苗字で、翔太朗が名前です。苗字と名前が逆ですみません。」

 僕は、なぜか謝るように自己紹介した。


 「謝ることはない。こちらの大陸では、苗字を先に名乗る人が多いから。」

 カミラさんはそう慰めてくれた。

 「それに先ほどの手の動きからして、翔太朗殿は、こちらの大陸の忍者と見た。」

 

 「ええ、まあ。」

 「どうした。何か問題でもあるのか。」

 正確には忍者になれずに置き去りにされたのだ。


 「何でもないです。すみません。」

 僕は答えた。寂しそうに。

 

 さらに数十分ほど歩くと、高級そうな宿泊施設にたどり着いた。

 ただ宿泊施設といっても、コテージのような建物が多く連なり、そのコテージ一つが一組用の 宿泊場所であり、さらにリゾートプールも完備され、一日ここで楽しめるようなそんな宿泊施設だった。


 

 カミラさんに案内され、女性二人が宿泊しているコテージに向かう。

 

 一つのコテージの前に止まり、カミラさんが宿泊しているコテージの扉をノックする。

 そのコテージはひときわ大きくて目立つものだった。

 おそらく、この宿泊施設の中では最上位だろう。

 

 「失礼します。」

 カミラさんは頭を下げた。

 ミランダは、スカートの裾を少し上げて、体を少し低くして、頭を下げた。


 「どうぞ、翔太朗殿、入ってくれ。」

 カミラさんに促され、頭を下げて入っていった。


読んでいただきありがとうございました。

まだまだ、冒険は続きます。

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是非、面白い、今後が気になると思った方は、5つ星をつけていただき、高評価をお願いいたします。

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