#14.ハメられた旅行
南の国での旅行期間はとても素晴らしいものだった。
海水浴、ダイビング、水族館で海の生き物見物、周辺の火山の温泉。
南の国特有のダンス鑑賞、フラダンスというらしい。
そして、ホテルで嘘のようなごちそう。
夢のような日々が過ぎ、とうとうチェックアウトの日、つまり僕たちが那ノ国の風ノ里に帰る時がやってきた。
最終日の今日はホテルをチェックアウトしたら、心霊スポット巡りということで。
その心霊スポットに該当する。浜辺へやってきた。
その浜辺には僕たち家族以外に、一人も来ず。
浜辺周辺には森が広がっていた。
この森を抜けてこの浜辺にたどり着いたわけである。
両親と兄、サイゾウとワシノリはお互いにうなずいた。
そして、サイゾウとワシノリは鷲の姿に戻った。
両親と兄が、サイゾウとワシノリの背中に飛び乗る。
すると二頭の鷲は、一目散に羽ばたいた。
一人、砂浜の上に取り残される僕。
「さようなら、翔太朗。やっぱり、あなたは家族じゃないわ。これをもって縁を切るわね。」
母の民子がいいた。
「そうだ、卒業試験に落ちる可能性のあるお前を、無様に吉田一族として、里においておけるか。」
母の言葉に父がこう続けた。
「じゃあな、翔太朗。俺たちは里に帰る。」
兄、龍太朗もそれに続いた。
「大丈夫よ。里に帰ったら、あなたは南の国で巨大な海王類に食べられて死んだ、と上に報告しておくから。」
「葬儀も手厚くしてやるぞ。ま、どうせ、知らない土地で、無一文なのだから、なにもできずに、すぐ死ぬんだろうけど。」
僕は涙であふれた。はめられた。
この旅行、すべてが罠だったのだ。
「今日の旅行で、俺たちが一番うれしかったこと、一つは、龍太朗の上忍昇格。もう一つは。」
「「「お前との縁を切れたことだ!!」」」
両親と、兄が声をそろえて言った。
「翔太朗、いや、ここまでクズ太郎とは思わなかった。自業自得だ。おとなしく認めろ。」
サイゾウのことばが追い打ちをかける。
「どうしてだよ。どうしてだよ~。」
僕は、泣き叫んだ。
「自覚が足りないようだから、早く死ねるように手配してやる。ワシノリ、よろしく。」
兄、龍太朗がワシノリに指示した。
「♪Hey、Yo、俺がお前の背中に乗せるわけね~だろ。楽しいことができるから、俺は往路で背中に乗せた♪」
ワシノリが急降下し、ワシノリの足が僕の体をつかむ。
そして急上昇していく。
「♪お前は、クズ、バカ、龍太朗の言った通り、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、Yo!!♪」
ワシノリはどんどん急上昇、急旋回を繰り返す。
僕の目が回る。酔ってしまった。吐きそうだ。
そうして、ワシノリは僕の体を勢いよく上空から、地面にたたき落とした。
そして、両親と兄は、下降気流の術を使い、僕の体が落ちる速度をさらに加速させる。
ドーン!!
ものすごい、衝撃、砂煙を交えて、僕の体は、地面に落ちた。
「♪Yo、Yo、野ざらし、雨ざらし、さらし首、クズざらし、さらば翔太朗、S.A.R.A.B.A♪」
ワシノリの両方の翼が華麗に待っている。両方の翼に扇子でもあるかのようだ。
サイゾウとワシノリに乗っている、両親と兄もニヤニヤしながら、手を振っている。
そうして、二頭の鷲はさらに、速度を上げて、勢いよく、僕の視界から消えていった。
そして、南ノ国を勢いよく離れていったのであった。
全身を強打した僕。
とにかく、治療しないと。
お金はない、あいつらに、つまり両親と兄に荷物をすべて持っていかれた。
だが、忍術の印は結ぶのは遅いが、治療の術は使える。
全身に痛みがあるが、印を結び、治療の術で応急処置をした。
これからどうしよう。敵に襲われたとしても、身を守れないし。
僕は砂浜で途方に暮れていた。
しかし、暗くなるまでは町に戻らないと、と思い、もと来た森を抜けて町に戻ることにしたのだった。
第一章はここまでです。
つらい展開、どこかで見たことがあるような展開かもしれませんが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
翔太朗の冒険はここからです。
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第一章までご覧いただき、ありがとうございました。




