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#12.忍者学校の保護者面談~Side 吉田一族~

申し訳ありません。内容を少し変更しました。


<改訂履歴>

・民子が吉田一族全員を集める→翔太朗以外の家族、半蔵、龍太朗のみを集めて話をするという内容に変更。

※改定理由:この後に続く、番外編エピソードで若干矛盾が出てきてしまうため。(2021/11/26)


 翔太朗の母、民子は忍者学校が夏休みに入った初日。忍者学校に来ていた。

 夏休みの保護者面談のためだ。


 「吉田トン吉様のことについては何をいいていいのやら。皆様の仰る通り、予言術や占いの術など意味の分からない術をいくつも編み出しましたが、外交官の功績、偵察部隊任務、予言の術以外の新しい術の開発など、吉田一族としての功績は素晴らしいものがあります。惜しい方をなくしました。」

 担任教師はそう導入して、保護者面談を始めた。


 「ええ。はい。」

 民子は、うつむいていた。トン吉のことではなくて、翔太朗のことが頭がいっぱいだった。

 

 「さて、おそらく一番気になっているであろう。翔太朗君の成績ですが。昨年と変わらない状況が続いております。このままでは、最後の卒業試験も落第して、おそらく吉田一族初の、忍者落第者が出てしまうかと。」


 「はい。存じ上げております。」

 担任と、民子の会話が続く。


 「どういたしましょうか。文官試験や、一般の中等学校後期試験などに進ませる道を選びましょうか。」

 担任が民子に向かって話す。


 「いえ。我々、吉田一族は風ノ里の忍一族ですので、卒業試験は受けます。落ちたら、屋敷の使用人として、奴隷にするつもりですが・・・・・・。」


 奴隷かあ。いっそ、トン吉と同じように翔太朗も死ねばよかったのに・・・・・。

 民子の素直な感想。


 死ぬ、死ぬ。

 そうか。民子ははっとした。


 「お母さん、どうされました。」

 担任教師は言った。

 「いえ、何でもないです。ですが、卒業試験は今年も受けますとお伝えください。」


 民子はそう言って、保護者面談を終えると、そそくさと帰っていった。


 忍者学校単位取得退学。里の忍者になれずに一生を終える。

 それは風の吉田一族にとって恥ずべきことだ。

 いや、吉田一族全員がそう思っていた。


 だから民子は考えた。

 このままでは単位取得退学しかない翔太朗をどのようにすればいいのか。


 そして、ふと、作戦を思いついた。

 だが、この作戦は下手をすれば、夫の半蔵、翔太朗の兄の龍太朗、最悪の場合一族の顔に逆に泥を塗ってしまうことになる。


 上手くやれる方法はないか。民子は考えた。


 家に戻り、民子は一息つく。


 夕方、

 「ただいま。」との声がする。


 民子の愛すべき息子、龍太朗が帰ってきた。


 「母さん、父さん聞いてくれ。重大な話がある。」

 民子は龍太朗の父、半蔵を呼び出し、龍太朗を座らせた。


 「俺、上忍になった。」

 民子と半蔵は、目を丸くし、喜んだ。

 証拠となる、上忍の合格証書、辞令書を見て、さらに喜んだ。


 『辞令、吉田龍太朗、右の者、那ノ国上忍に任命する』


 そこには、そのように書いてあった。


 「よくやった、さすがは我が息子だ。」

 半蔵は拍手した。

 「すごいわ。龍ちゃん。」

 民子も拍手した。そして、龍太朗を撫で、抱きしめた。


 「頑張ったもの、いっぱい、いっぱいお祝いしましょうね。」

 民子は言った。


 そして、ハッとしてしまった。


 お祝い、お祝い・・・・・・・。

 そうだわ。その手があったわ。


 「あのね、あなた、龍ちゃん。ちょっと話があるの・・・・。」

 民子はそのように言った。


 そして、畳の大広間で、民子の話を半蔵と龍太朗は聞いていた。


 「すごいアイディアだ。でかしたぞ、民子。賛成だ。」

 半蔵と龍太朗は、笑顔で喜んでいた。


 翔太朗は、八重の家でご飯を作っていた。

 相変わらず吉田家、岩月家全員分のご飯を、知らず、知らずのうちに作っていた。


まだまだ続きます。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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