表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

110/136

#110.ライフリバイバルとスピリットブレーン


 リリアンの縄を解く。

 「「リリアン」」

 「リリアン、大丈夫だった?」

 「ごめんねリリアン、助けに来るのが遅くなって。」


 僕たちはリリアンの無事に安堵する。


 「翔太朗君、皆。本当にありがとう。」

 リリアンは涙目を浮かべながら、抱き着いてくる。

 僕は腕を回して、本当によく頑張ったと、彼女を称えた。

 

 「ちょっと、リリアン。」

 ミランダが顔を真っ赤にしていたが。

 「まあ、いいですわよ、今日くらいは。ごめんなさい、取り乱して。」

 ミランダはすぐに真っ赤にした顔を戻した。


 「リリアン、おおよそのことは聞いたよ。いろいろ大変だったんだな。」

 僕はリリアンに声をかける。

 「うん、私、私。ブレゾラン帝国に居たの、お父様と、お母様が亡くなってからは本当に、本当に怖かった。特にあの、ブルーナとゲラルドには、その、その・・・・・・・・。」

 涙が滝のように、リリアンの目からあふれ出す。



 「まあ、かわいい。流石は元アイドルのスターですね。でも、今のスターはこの私。なんせ、恋愛禁止のアイドルが、今、わけのわからない、ヒョロヒョロのクソガキに恋しているのですから。」

 それを階段の上から見ていたブルーナは高らかに皮肉のように笑っている。


 「翔太朗君のことを悪く言わないで!!私が絶対に許さない!!取り消しなさい!!」

 リリアンは、ブルーナの言葉を聞いて、一気に感情が抑えきれなくなっている。


 「ははは、青春は結構なことですな。いい青春ですな。」

 リリアンとブルーナのやり取りを見ていた、ゲラルドはドヤ顔でこちらを見ている。

 「せっかくだ、さらに青春を味わっていただきましょう。」

 ゲラルドは指を鳴らす。


 長い木の箱が二つ兵士たちが運んできた。

 その長い木の箱を、兵士たちが立たせる。そうして、その木の箱は縦に長い木箱となった。

 その木箱にはかなり美しいデザインがなされる。

 こういう木箱、見たことがあるような。


 「オープン、ザ、ボックス!!」

 ゲラルドは兵士たちに木箱を開けさせた。


 「こ、こ、これは。」

 「そんな。」

 僕たちは、息を飲んだ。

 

 木箱の正体は棺だった。二つの棺には男女の遺体が入っていた。

 どちらも40代くらいだろうか。男女の遺体。どこかリリアンと面影がある。


 「お、お父様!!お母様!!」

 リリアンはその場に泣き崩れ、そして叫んだ。



 「な、なんだって!!」

 僕たちは目を丸くした。



 「墓から掘り返してきたまでですよ。こんなこともあろうかと準備をしておきました。」

 その言葉を発したのは、ゲラルドの隣にいた、ジュダだった。

 「医者として回復魔法を極めた、最終奥義魔法をご覧いただきましょう。」

 ジュダは甲高い声で、言った。


 「やめろ!!その魔法は禁忌中の禁忌だ。特に死後かなり経過した人物に施すのはさらにご法度だぞ。」

 カミラさんが、ジュダに向かって強い口調で言った。


 「真面目なのは困りますね。リリアン様を喜ばせてあげようと思いましたが・・・・・・・・。まあ、いいでしょう。」

 ジュダが回復魔法の魔法陣を2つ出現させる。かなり難しい魔法陣だ。こんな魔法陣は見たことがない。

 「リリアン、見るな、逃げろ!!」

 カミラさんがリリアンに向かって逃げるようにしずするが、泣き崩れ、足がくすんでいるリリアンはその場から動けなかった。


 「さあ、始めましょうか、【ライフリバイバル】そして、【スピリットブレーン】!!」


 ジュダの唱えた2つの魔法。

 棺で眠るリリアンの両親は目を開けた。


 そして、リリアンの両親は自力で棺の蓋を開けた。


 「リリアン、どうして泣いているの?どうして。」

 リリアンの母の声がする。優しい声だ。

 だが、泣き崩れているリリアンに母の言葉は届いているのか。その場から動けない。


 「これはこれは、再びあえて光栄です。」

 ジュダは深々とリリアンの両親に挨拶をする。

 そして。

 「あなたの大切な娘さんは、今、そこにいる、セディア魔道学院の諸君らによって、暴行を受け、泣いているのです。さあ、そちらにいる、そのガキどもを、ぶっ潰し、ひっとらえてください。」

 ジュダは僕たちを指さした。


 「はい、わかりました。ジュダ様。」

 「はい。承知しました。ジュダ様。」

 リリアンの両親はこちらに向かってくる。


 「お父様、お母様、違うの!!話を聞いて!!」

 泣き崩れたリリアンは叫ぶ。叫び続けるが、両親は聞く耳を持たず、僕たちに近づき。


 「娘を悲しませるもの、許すまじ!!」

 そうして、錬金術で作った爆弾を投げてくる。リリアンの錬金術と比較してもこの爆弾の方が上だった。


 僕たちはかわす。


 「どうしてですか。何で、リリアンの言葉を聞かないのです。」

 僕はカミラさんに向かって言った。


 「おそらく、ジュダの【スピリットブレーン】のせいだろう。【ライフリバイバル】は死んだ人を生き返らせる回復魔法。そして、【スピリットブレーン】はその魂を術者が操る魔法。今、リリアンの両親の魂はジュダに操られている。ジュダを狙え。畜生、この2つの術は禁忌なのに、使いやがった。」


 なんということだ。あのジュダのせいで、僕たちはリリアンの両親の敵になってしまったというのか。

 考えているうちに、またリリアンの母からの爆弾が飛んでくる。光速のように爆弾を投げて攻撃してくる。


 なるほど、リリアンの母は錬金術師なのか、だからリリアンも錬金に。

 だが、いろいろとリリアンよりも一回り以上も強いようだ。

 リリアンの母は収納魔法を使い、魔法武器を取り出す。


 魔法武器を振り回して、かなりの威力の魔法が飛んできた。


 「あれも錬金術で作ったというのか。」

 僕は、威力の高い魔法武器を見て、絶句する。


 とにかくジュダを、ジュダを狙おう。両親を傷つけることは僕にはできなかった。

 「私も、両親を傷つけることはできません。ジュダを狙いましょう!!」

 ミランダの言葉に僕は頷く、皆も同じように頷いた。

 

 シロンとユキナは変身を鷲の姿に戻す。

 「ご主人様は人間の姿で大丈夫です。リリアンのご両親の真上を飛び越えて、ジュダの元へと、お連れします。風魔法を決めてください。」

 僕は頷く。

 シロンとユキナに連れられ、リリアンの両親の真上を飛び越えてジュダの懐へ。

 一気に、風魔法を打ち込んだ。


 しかし、ジュダも結界魔法を使えたようで、結界で跳ね返される。

 「残念でしたね。そして、あのご両親に背を向けていいのでしょうか。」


 僕は、振りかえる。振り返るとそこにはリリアンの父親が居た。

 「土魔法、【ライフパワー】」

 リリアンの父親はライフパワーという土魔法の詠唱を実施した。

 

 床、いや地面の下から、茨が現れた。

 茨は僕の体を呑み込み、僕の体は太い二本の茨に挟まれてしまった。


 「な、なんですの。」

 「なんということだ。」

 ミランダもカミラさんの声、あたりを見回すと、皆も同じように太い二本の茨に挟まれた状態になっていた。


今回も最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。

続きが気になる方は、是非、ブックマークと高評価をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ