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#103.王宮の訓練場~温水プールにて~


 セントアリア王国は、今日も静かな朝を迎える。

 モナリオ家の屋敷に僕がお世話になって、半年近くが経過している。

 いろいろなことがあったが、八重がセントアリア王女であったことは少し驚いた。


 僕たちの班は、八重直属の近衛兵となった。ゆえに城の施設も、思う存分利用できる。


 ということなので、今日は王宮の訓練場の一つ。温水プールにみんなできていた。

 訓練場といっても、中身は普通の温水プールで、訓練をするための25Mプールは存在するが、それ以外は、どこにでもある癒し施設の温水プールだった。

 流れるプールもあれば、バブルバスのようなジャグジーもあり、さらにサウナもある。

 しかも王宮の中の比較的高い、階にその施設は存在するため、窓から、王都の景色を一望できる。

 もちろん、温水プールということで室内プールであり、一年中利用できる。

 

確かに、今は冬の時期。セントアリアの冬はやっぱり冷える。誕生日にもらったコートや防寒具が役に立っている。

しかし、ここは、魔法で温かい環境にしているのだろうか。上半身裸で、水着姿でも、かなり温かい場所だった。その証拠に、おしゃれにも南国の植物が置かれている。


 そして、ここにいるのは僕一人。もっと兵士たちが来てもいいような雰囲気があるが。

 「今日は王女様とその近衛兵が利用するから、貸し切りなんだってさ。近衛兵である僕たちだけで楽しもう。」

 黒で赤のラインの入った競泳水着を着ているルカが、僕に向かって声をかける。

 着替えを済ませてきたようだ。

 こうしてみると、スタイル抜群のルカ。準備運動のストレッチが様になっている。


 「お待たせしました。翔太朗様。」

 ミランダが声をかける。彼女は声をかけてすぐにくるっと回って見せる。

 黒ビキニ。そして、後ろには・・・・・・。確かに隠れてはいたが、インナーショーツの上部が丸見えで・・・・・・・・・。表面の部分を取っても取らなくても、お尻の形が想像できてしまう。


 僕は急いで、深呼吸をする。

 何をやっているんだ。そうだ。そうだ。みんなでプールに来ているのだ。

 「ミラ様、すごく似合ってます。その、大人っぽいと言いますか。その。」


 「ふふふ。ドキドキしていいのですよ。今日だけは。ありがとうございます。」

 ミランダは優しく微笑みかける。



 「私も、ミラ様と王女様の護衛だ。翔太朗殿どうかな。」

 カミラさんは青い競泳水着だ。ルカと同じで、スタイルがいい。だが少し着慣れた感があり、海で泳いでいる感じがした。

 「よく似合ってますね。なんといいますか。泳ぐの慣れていたりしますか?」

 「ああ。実は実家が海に面した漁村にあって、父も漁師なんだ。言ってなかったよな。」

 「はい。初めて知りました。」

 なるほど、雰囲気が確かに違う。



 そして・・・・・・。

 ザ、白ビキニのリリアンが出てきた。そして、その横にはピンク色の花柄ビキニのマリアがいる。

 たわわに実った胸の谷間が覗かせる。


 「リリアン、ありがとうございます。お古を分けてもらって。」

 マリアは、山でドラゴンと暮らしていたのだろう、水着はリリアンのおさがりをもらっているようだ。

 そういうわけなのか、胸のあたりが少しきつそうな感じがする。


 「いいのよ。気にしないで。こういう時は楽しまなきゃ。私も・・・・・・。」

 リリアンは少し目をそらしたが。

 「この水着が気に入ってるの。」

 リリアンは笑顔で微笑む。


 「翔太朗君もよく似合ってる。いい体つきしてるね。」

 リリアンは僕と目を合わせて、微笑んでくれる。胸の谷間と言い、微笑むしぐさと言い。ドキッとなる。

 まだ、大丈夫だよな。目立っていないよな。僕は足元を見て、少し気にする。


 「私もそう思います。」

 マリアも僕を見て微笑みかけてくれた。


 「はあ。」

 ミランダはため息。


 「おお、皆さんよく似合ってますよ。特に、リリアンさんとマリアさんは素晴らしいですね。なんといいますか、素材を生かしたと言いますか。」

 ルーベルトが駆け寄ってきた。


 「こいつめ、思ったことをすぐに言いったなぁ。あの二人だから、こうして、少しでもセクシーな水着を新調したのに。」

 ミランダがつぶやく。


 「おお、すげープール最高だな。今日は色々エンジョイだぜ。」

 アンソニーはビーチボールやその他いろいろな遊び道具を抱えて、プールに出てきた。


 「ご主人様ぁ。今日は私たちも誘ってくれて、ありがとうございます。」

 「はい。本当に素敵な所です。」

 シロンとユキナも駆け寄ってきた。人間に変身した、彼女たちも白ビキニだ。

 「お礼なら八重に言ってよ。プールだけど大丈夫?」


 「はい。水浴びは大好きです。」

 シロンが元気いっぱいに言う。

 「私たちホワイトイーグルは、海や川に全身飛び込んで、魚を食べることもあります。だから、泳いだり飛び込んだりできます。ましてや人間の姿なら、尚更身軽に。」

 ユキナが説明する。

 「そうなんだね。でも溺れそうになったら遠慮なく言うんだよ。」

 僕が気遣う。


 「ご主人様、優しいです。」

 シロンがもたれかかってくる。あまえるのは上手い。



 「皆さん、今日はありがとうございます。私が皆さんの班に加わった、最初の親睦会ということで、この温水プールを用意しました。一緒に楽しんでくれればうれしいです。」

 八重は少し落ち着いた、高級感漂う。フリルの付いたワンピタイプの水着だった。八重の髪色と同じような、白地に赤い花柄がデザインされている。片方の紐にも、赤い花が飾られている。


 「何言ってるの、八重。改めて。ようこそ、セントアリアに。今日はありがとう。ほら、翔太朗様も。」

 ミランダが僕を促し。

 「そうだよ、八重、これからも一緒に居られるなんて夢のようだよ。本当にこれからもよろしくね。」

 僕とミランダは八重の手を引っ張る。

 そうして、プールの方へ足を勧めるが・・・・・。


 ミランダと八重の足取りが重くなる。

 マリアとリリアンの胸の谷間、そして、シロンとユキナの胸の谷間が視界に入ってきた。


 「「はあ。」」

 と二人でため息。


 「ミランダもわかるよね。」

 八重はミランダを見つめる。

 「ええ。そうね。八重もこれだけは共感するわ。翔太朗様に関しては譲りませんが。」

 「そうね。お互い頑張りましょう。」

 ミランダと八重はお互い見つめ合う。


 「お前たち、気にしたら負けだ。胸の大きさではなくて、翔太朗殿との距離は少なくとも、お前たち二人の方がリードしている。今日も頑張って翔太朗殿と親睦を深めるんだな。私も負けてられないぞ。」

 カミラさんは2人の肩に手を乗せた。なぜか力強い言葉だった。


 うん。お互いにうなずいた。


 「そうだよ。僕なんか、気にしたこともないや。さあ、楽しもう」

 ルカがミランダと八重に語り掛ける。

 そんな言葉が声にかかったのだろうか、ミランダと八重は、少し元気を取り戻し、思いっきりプールに入っていった。


 そうして僕たちはこの温水プールを楽しむことにした。


 僕は、まず、あまり泳ぐのは得意ではないので、流れるプールで身を任せながら、泳いでみた。

 最初はこのプールで、泳ぎを身に着けてから、慣れるのだそうだ。


 八重の方も那ノ国にいたころは泳ぐのはあまり得意ではなかったが、『人魚眼の術(マーメイド=アイ)』を身に着けたからだろうか、かなり泳ぐのが上達しているしかなり上手い。


 「なんか、『人魚眼の術(マーメイド=アイ)』に助けられてる。水の中でもよく見えるし、体が勝手に泳いでくれる。」

  とのことだ。流石は伝説の水魔法だ。


  その水魔法を使わなくても、美しい泳ぎを見せているのが、競泳水着の二人。ルカとカミラさん。


 25Mプールで、個人メドレーを美しく披露する。

 「ここに来るのは久しぶりだ。しかも貸し切り何てかなり贅沢。思う存分楽しめる。」

 カミラさんは優雅に泳いでる。

 本当に綺麗な技に僕は不思議と魅了されていく。


 「僕も、普段からこんなにのんびりできればいいんだよね。水泳は兄さんたちから叩き込まれたけれど、やっぱりゆっくり余裕をもって、体を動かせるなぁ。」


 かなり綺麗な二人の動き。


 「さあ、翔太朗様。私たちも、遊びましょう。」

 ミランダがウィンクをしながら、手招きをする。

 そうして、ミランダとともに再び流れるプールへ。

 その脇にはシロンとユキナも一緒だ。


 「水浴び、楽しい?」

 僕は問いかける。


 「はい。すっごく。最高だよね。ユキナ。」

 「はい、素敵な所です。」

 シロンと、ユキナは水をかけあいながら、はしゃいでいる。


 ミランダも少し泳ぎは苦手のようだ。

 「私も流れに身を任せながら、泳いでいる方が好きです。」

 「そうなんだ、僕と同じだね。」

 僕は笑いながら、ミランダと見つめ合う。


 そうして、お互い、手を支えながら、バタ足の練習をした。


 マリア、リリアンは相変わらずのプロポーション。

 水も滴るいい女だった。

 その中でもジャグジーの温水プールに浸かっている姿はどこか雑誌に出てきそうな雰囲気だ。


 後半は、アンソニーの持ってきたビーチボールで流れるプールで遊ぶことにした。

 本当に貸し切りの温水プール。何から何まで、広く使えて素晴らしい。


 そうして、ビーチボールで投げ合いが続くと。

 シロンとユキナが足を滑らせて。ミランダとリリアンの体に当たる。


 「きゃっ。」

 ミランダは慌てて、回避する。

 リリアンも同じだが・・・・・・。


 だがしかし、二人の水着の上の紐が、ズレて・・・・・・・。


 「えっ、きゃぁっ!!」

 「しょ、翔太朗様、見ないでください。」

 少し恥ずかしい表情。

 僕は慌てて後ろを向いた。初めて見たそれに、少しドキドキした。

ミランダとリリアンの二人は慌てて、水着を整える。


 「こらーシロン、ユキナ。翔太朗様に見られたじゃないの。」

 ミランダは顔を赤くしながら、

 「私も恥ずかしいよぅ。」

 


 「ご、ごめんなさい。」

 ユキナは頭を下げる。


 「見られてよかったじゃない。ご主人様に。これで、ライバル確定!!」

 シロンは笑いながら、からかうように言っている。


 思いっきり水の掛け合い合戦が始まり、お互いの顔が見えなくなる。

 

 少し、ドキドキしたが、こんな時間が毎日続けばいいのにと思ってしまう。


 「また、来ていいよね八重。」

 「もちろんだよ。近衛兵だもん。ここの兵士ならば、この施設はいつでも利用できるよ。何なら私と一緒でまた貸し切りにしてあげようか。」

 八重は笑っている。


 「そうだよね。」

 「そうだよ!!翔太朗君に会えてよかった。」

 八重は僕に体を預けてくる。

 水遊びしている、4人の視線の入らないように。


 「ちょっと八重。」

 「抜け駆けずるい!!」

 八重の行動に気付いた、ミランダとシロンが駆け寄ってくる。

 それに呼応して、ユキナ、リリアン、そしてマリアとルカも寄ってくる。

 僕の取り合い合戦だ。

 

 「まあまあ、落ち着いて。減るもんじゃないんだし。」

 僕はみんなを落ち着かせる。

 だが、彼女たちは言うことを聞かなそうだった。


 しばらく続くなと思い、少しため息をついて、放っておくことにした。



 こうして僕たちは王宮の温水プールを楽しんだ。


 そして、なぜだろう。みんなの水着姿に少しドキドキして、体が熱くなっていた。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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