表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/136

#10.元外務卿、吉田トン吉


 「この風・・・。まさか・・・・。貴様・・・・。あの吉田一族の・・・・・。」


 「その通り、コイツは、吉田一族の一人、烈風の双子と呼ばれる、吉田翔太朗だ。」

 上空から、大きな声がした。

 僕は、まだ、名前を名乗っていないのに・・・・。



 黒い、大きな鷲が、上空を飛んでいる。この飛び方、ワシ之信。

 そして、ワシ之信の背中から、男がおりてきた。


 男は見事に、地面に着地する。この姿・・・・。

 「那ノ国上忍。元外務卿、吉田トン吉。ただいま見参。」

 トン吉爺さんがやってきた。


 「き、貴様、外務卿の・・・・。」

 「ああ、元だがな。儂の顔を知っておるということは、そなた、どこの国の忍びか。目的は何か。なぜこの赤髪の女の子を狙う。」


 トン吉爺さんの顔を知っているということは、つまり、那ノ国と敵対する、どこかの国の忍者なのだろう。


 迂闊だった。彼の正体を分析するのも忍者の役目だ。

 それをトン吉爺さんが来てから、ハッとするのは。

 書物も読んだだろう。学術はできるのに。そういったことは僕の得意分野なのに。


 「知らないな。極秘任務といわせてもらおう。」


 サングラス男はそう答えた。


 「そうか、それならば、少々、痛い目を見るぞ。ワシ之信。翔太朗と、女の子を背中に乗せて上空の安全な所へ。」


 ワシ之信が、迎えに来て、僕と八重はワシ之信の背中に飛び乗った。

 トン吉爺さんも鷲に変化して、空に飛ぶ。


 「翔太朗。そして岩月八重さん、だったかな。しっかりつかまっていろよ。」

 ワシ之信が言った。


 「すまんな、翔太朗。遅くなってしまった。薬草取りに行った後、修業の時間だったろう。待っていたのだが、時間になっても来ないから、来てみたらこのざまだよ。翔太朗と八重の、いや、里以外の人物のチャクラを感じてな。急いできたんだ。」

 トン吉が言った。


 さすがトン吉爺さんだ。元外交官で偵察は得意。他人のチャクラの流れをすぐに感じるのだろう。

 修業の時間に遅れそうになったのは、八重としゃべっていたので、半分はさぼりに近いのだが、それでよかった。


 「空に来れば、安心だ。おそらく奴の得意な術は土遁。那ノ国と敵対する砂ノ国の忍びだろう。」

 トン吉爺さんは落ち着いた、口調で話す。

 

 「いいか、みんなあいつの尻尾だけは気をつけろよ。毒を持っている。しかもかなりの猛毒だ。」

 蟹のような獣を指さす。

 

 「トン吉爺さん、あの獣は一体。」

 僕が訪ねる。

 「あいつはサソリ、という獣だ。ここではあまり見ないだろうよ。あたり一面が、細かい砂の多い。いわゆる砂漠というところに暮らして居る。」

 

 あれがサソリ、砂漠の獣。

 僕は書物は読んだことがあり、砂漠という場所もイメージがついたが、実物を見るのは初めてだ。


 そのサソリを口寄せしている。おそらく、サングラス男が砂ノ国出身か、もしくはそのような砂漠の国を旅しているときに出会ったのだろう。


 砂ノ国。土の忍術を操る、土遁が得意なのもうなずける。

 

 「おのれ、元外務卿め、おいぼれと聞いたが、ここまで強いとはな。油断した。」

 サングラス男は低い声のトーンで行った。


 「何度でもいうがよい。行くぞ。」

 トン吉爺さんは、ものすごい速さで、サソリの顔の前に飛び込んだ。

 変化していた翼を羽ばたかせ、攻撃する。

 そして、くちばしで、サソリの顔、目をめがけてつつく。

 

 サソリは、奇声を上げる。

 

 「次は、お前じゃな。」

 変化をもとに戻し、人間の姿に戻ったトン吉は、素早く印を結ぶ。

 

 風が沸き起こり、木々の葉が、サングラス男に向かって、鋭く向かう。


 「クッソ。今日はこれくらいにしてやらあ。覚えてろよ。」


 サングラス男と、サソリは、印を結んで、煙幕を蒔いて、消えていった。


 

 助かったようだ。

 

 トン吉爺さんは、僕の所へ駆け寄った。

 「よくやった、翔太朗。お前も吉田一族。そして、忍だ。同じ里の仲間、同じ那ノ国の仲間を守る、基本ができたのだ。」

 

 僕はそう言われたのだろうか、それとも恐ろしいサングラス男がいなくなった安心感からなのか、涙があふれてきた。


 「八重さん、大丈夫だったかな。」

 トン吉爺さんは八重にも声をかける。

 「はい。ありがとうございました。」

 八重も涙であふれている。相当怖かっただろう。


 「時に翔太朗、あの突風は、お前が発動したのではないか。術の印はどうやったのだ、これさえつかめれば。」


 「わからない。指をバタバタさせたら、そうなった。ただ、突風が吹いたときチャクラを感じた。」


 「そうか、突発的だったからな。普通の忍術は術の印を結ばないと発動しないのだが、時に、チャクラが反応してこのような体験をすることもあるからの。」

 

 トン吉爺さんの質問に僕はそう答えた。

 

 「さあ、うちへ帰ろう。八重さんも送り届けなくてはな。」

 トン吉爺さんは笑顔でいった。


 「そして、翔太朗。八重さん。この件は、儂に預からせてくれんかの。」

僕たちは顔を見回した。

「儂の方で調べておく。なぜ、八重さんを狙ったのか、奴は一体どのような人物なのか。なーに、元外務卿の仕事だ。それに、君たちが報告しても、外交の部署の管轄になるだろう。だから、君たちは誰かに話さなくてよい。儂が調べておくからの。」


 僕らは安心した。

 「ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」

 八重は頭を下げた。


 「八重さん。これからはむやみに一人で里の外を出ないこと。翔太朗もな。薬草園の泉に行くときは儂に声をかけてくれよ。八重さんは色々大変だろうけど、困ったら、儂らがいるからな。」

 僕らはうなずいた。



 風ノ里に戻り、八重を家に送り届けて、僕たちも家路についた。

 今日の一件で、少し自信がついた。一日だった。


今回も読んでいただき、ありがとうございました。

なんと、翔太朗も勇気をもって戦えましたね。

まだまだ冒険は続きます。

気になる方は、ブックマーク、高評価、感想をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ