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嵌合人態キメラ  作者: きなと
第二の匣:ヒコボシ
4/4

愛着

 愛着というのは厄介だ。

 浅黒い肌に、茶染めの髪の少女は、クッションを抱きしめながらベッドに横たわっていた。なるべく己の背後を見ないように、ぎゅっと目を瞑る。

 彼女の背後、薄ピンク色のカーペットの上には、開封済みの小さな段ボール箱があった。そして、箱の中から顔を覗かせているのは、愛らしい白猫のぬいぐるみだ。しかし、ふわふわの毛の大部分には土埃が付着しており、汚れてもなお柔らかい表情のままこちらを見つめているのが、かえって不気味ですらあった。


 離れたい。

 でも、離れられない。


 愛着のせいだ、と少女は思う。

 あるはずのないぬいぐるみの視線が、背中に刺さるのを感じながら、彼女は布団を被った。

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