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愛着
愛着というのは厄介だ。
浅黒い肌に、茶染めの髪の少女は、クッションを抱きしめながらベッドに横たわっていた。なるべく己の背後を見ないように、ぎゅっと目を瞑る。
彼女の背後、薄ピンク色のカーペットの上には、開封済みの小さな段ボール箱があった。そして、箱の中から顔を覗かせているのは、愛らしい白猫のぬいぐるみだ。しかし、ふわふわの毛の大部分には土埃が付着しており、汚れてもなお柔らかい表情のままこちらを見つめているのが、かえって不気味ですらあった。
離れたい。
でも、離れられない。
愛着のせいだ、と少女は思う。
あるはずのないぬいぐるみの視線が、背中に刺さるのを感じながら、彼女は布団を被った。