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反転

作者: 大澤豊

君は君自身で自分の首を絞めている。

恋人に言われたことがある。

訂正。元恋人に。

自分で自身にノルマを課し、それを達成出来ない自身を罵る。私が無意識にやっていたことだった。

向上心があると言えばそうなんだけど、そう言って頭を掻く恋人の顔が蘇る。彼の、複雑なその表情。私への同情と、別れを切り出したことへの後ろめたさ。

私は、そんな傾向のせいで、勝手に苦しんで、周りにその苦しみの逃げ場を探して、八つ当たりして、彼の目にとても愚かに映っていただろう。

ごめんね、君を楽にしてあげられなくて。

それが彼の最後の言葉だった。


今、一人になって、その、傾向を活かして自身を切磋琢磨し、時にその癖を全放棄して自身を甘やかし、バランスを取れるようになった。自身が苦しみで倒れ込むことも、周囲に当たることもなくなった。

ごめんね、そう言いたいのは私の方だ。

ずっと見苦しい姿を見せて申し訳なかった。そして、教えてくれてありがとう。

最後にもう一つ。

ごめんね。

楽ばかりして、無職になって、途方に暮れる今のあなたに、あの時、少しでも努力について伝えられなくて。


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