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27話 オバちゃんの相棒の作戦 その1

 コロシアムが目前に見える木の陰に、リコたちはいた。

 詳細に語ると――騎士の姿に変装したリコとカイル。それに、ケツァルとネーヴェの入った鳥籠を持ったリドルとガーズがいた――である。



「なぁー、ホントに大丈夫なんだろうな? アッサリお陀仏とか嫌だからな!」



 リドルがコンといい音を立てて、甲冑を身に纏ったカイルの胸当てをド突く。



「あ? 大丈夫だろう……多分」



「多分って何だよ! まったく、この貸しはデカイからな!」



 ブツクサ文句を言うリドルに、カイルはヘルムを近づけ耳元で囁く。



「分かってるさ。実はな……本当は俺たち、例のいかつい爺さんとウサ耳娘の居場所を知っているんだよ」



「なっ、何ぃーーーーっ!」



 クワッと目を見開くリドル。ガーズも細い目をこじ開けカイルに詰め寄る。



「なぜそれを隠していたっ!」



 カイルは「まぁ、聞けよ」とガーズの胸元をポンポンと叩く。



「爺さんたちに、誰にも言うなって口止めされてたんだよ。分かるだろう? 傀儡石を石コロに変えちゃうんだぜ。居場所が分かったら、女王に命を狙われるだろうが。なぁ、リコ」



 リコはカクカクと頭に被ったヘルムを縦に振る。



「そうなの。彼らは魔族にとって言わば唯一の希望。だからそう簡単にペラペラと喋れなかったのよ。ごめんなさい。でも……リドルさんとガーズさんには、教えるべきだと考え直したわ」



 リコはここで話を一旦区切り、胸の前でカシャンと手を合わせる。

 そして、エラク芝居がかったような声を出した。



「なぜなら……私は気づいてしまったから! あなたたちは、彼らと共に魔族を救うべき選ばれた人間だと!」



 突然始まったリコの小芝居に「おお!」と感嘆の声を上げるリドルたち。

 そこに鳥籠からケツァルとネーヴェも参戦する。



「うむ。オヌシらの面構え、なかなかのものじゃぞ!」



「ええ。助けられた魔族の女性たちは皆、貴方たちに恋心を抱いてしまうかもしれませんね」



 リドルとガーズは鳥籠を持ち上げ、ケツァルたちに食いつきそうな勢いで確かめる。



「マ、マジでっ! ホントーにホント?」



「こ、恋心をっ! い、抱くのかっ!」



 ケツァルとネーヴェが、生暖かい目でコクリと頷いた。

 リドルはニタァーと目尻を下げる。



「いや~、参っちゃうな~。そんなモテモテライフ~」



 一方ガーズは、カイルの肩に手を置き真顔で言う。



「ならば。この件が無事に済んだ暁にはウサ耳娘への紹介、切に頼んだぞ」



「げっ! ウサ耳娘限定かよ。スゲーのは爺さんだってのに……。あー分かったよ。ウサ耳娘でも猫耳娘でも何でも紹介してやるよ!」



 ガーズはそれを聞き、満足げに頷いた。

 リドルも目にハートを浮かべる。



「猫耳娘かぁ。カァーーーーッ! それもいい! では、皆の衆。オレたちのバラ色の人生の為……いざ、出陣!」



「おう!」



 鳥籠を手に持ち、肩で風を切るようにコロシアムへと向かうリドルとガーズ。

 何ともチョロい青年共である。

 リコとカイルは密かにほくそ笑み、カシャカシャと音を立てて歩き出した。

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