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魔導世界の無能者剣士  作者: 遠石 隻斗
6/6

第6話 勝利と脱出

6話目です。5話に続き少し短いですがどうぞ!!

 グレイブとスケルトンはそれぞれの武器を持ち向かい合っていた。ライラは、少し後ろに下がり魔法の準備をおこなっている。


「よぉ、久しぶりだな」

〔カラカラ〕

「早速行かせてもらおう」


グレイブは虚空に向かい剣を振るう。するとその前方方向に衝撃波のようなものが発生し、目の前のものを切り裂く。

だがスケルトンはしゃがむように回避し、同じような攻撃をグレイブに放つ。グレイブも軽く横に移動し躱す。


「なるほどなやはり前より弱い。片腕の影響か?」


グレイブは、一気に距離を詰め相手を切り裂こうとするが、綺麗に避けられる。

だが、スケルトンが避けた先そこにはすでにライラが魔法で罠を設置していた。

触れた魔法陣が爆ぜる。まともに爆発を受けたスケルトンはグレイブがいる方向に軽く飛ぶ。


「右足。もらったぞ」


グレイブは、回避不可能な角度で剣を入れる。するといとも容易く、スケルトンの右足が切断される。

流石にスケルトンも危機を察したのか一度後ろに下がる。

一瞬の間があり、スケルトンは一瞬どこかの方向を向きカラカラとグレイブに笑いかけるような動作を行う。そして口を勢いよく開く。

グレイブは、嫌な予感を察知しスケルトンが向いた方向を見るとそこにはライラが魔法を唱えていた。


「ライラ!!全力で回避しろ!!」

「え?」


ライラは突然のことに体が硬直し回避することができなかった。

その直後スケルトンの口から黒色光線が発射される。

 凄まじい速度で迫るその光線は激しく発光している。

 ライラは強く目を瞑る。すると横からだれかにおされたようなかんじがして、目を開け後ろを見ると吹き飛ばされたグレイブがいた。


 ライラが光線に当たる一瞬前グレイブがライラの体を押し光線範囲外へと突き飛ばしていた。結果光線はグレイブに直撃することとなる。グレイブと光線がぶつかり砂塵が舞い上がる。


「グレイブさん!!」

〔カラカラ〕


スケルトンは指をさし笑っているような動作を取る。

ライラは急いで立ち上がりグレイブのところに向かうとする。


「いてぇな」


ブン!とグレイブが剣を振るうと周りの砂塵が一気に消える。


「大丈夫ですか!?グレイブさん!」

「全然大丈夫じゃない。お前は大丈夫か?」

「私は大丈夫ですが。それよりもグレイブさん!」

「光線は切ることが出来たが衝撃までは消せなかった。左腕と肋骨が何本か折れた。やはりこの体じゃ少し厳しいか」

「とりあえず回復するので手を貸してください」

「いや、今はダメだ」


グレイブは飛んできた衝撃波を無効化しながら答える。


(これまでの攻撃じゃさらなる決定打を与えられないな)

「ライラお前があいつをやれ。できるか?」

「わ、私が?」

「そうだ」

「わかりました」

「僕が奴に隙をつくるだからお前はできた隙に自分ができる最強の魔法を打ち込め!じゃあいくぞ!!」


グレイブは、スケルトンとの距離を一気に詰め剣を振り下ろす。もちろん当たり前のように鎌で剣はガードされてしまうがそれはグレイブの予想通り。

グレイブは剣を手放し相手の首を掴み上に投げる。


「今だ!」


グレイブが合図を出すとライラが上空へと飛び全てを込めた渾身の大魔法を発動させる。


「『雷帝の金槌(トールハンマー)!!!』」


ライラの手に握られた黄金の金槌は無防備状態となっているスケルトンに向かって振り下ろされる。


「おりゃゃゃゃゃゃ!」


ドカン!と地面とぶつかり激しい雷が降り注ぐ。スケルトンもなんとか回避を試みようとするが圧倒的に物量の前になすすべなく直撃する。


「ライラ。下がれ」

「はい」


グレイブとライラは金槌に殴られ、いたるところにヒビの入り、倒れているスケルトンを見下ろす。


「流石にもう倒しましたかね?」

「いいや、まだだ」


グレイブは歩いて近づいて行く。スケルトンはどうやらまだ生きてはいるが体がバラバラかつボロボロで、もう動くこともできないようだった。


「じゃあな」


スケルトンだから苦しむのかは知らないが苦しめるのは好きではない。グレイブは魔力が収束している頭部分に剣を突き立て完全に絶命させる。


「終わった」

「終わりましたね」

「治癒魔法使えるんだろ?治してくれるとありがたい」


グレイブは、スケルトンを投げるときに無理をし、完全に折れている腕をライラに見せる。


「あ!はい今治します『ヒール』。これで大丈夫だと思います。どうですか?まだ痛みますか?」


ライラの治癒魔法はとても練度が高かった。先ほどまでの傷がなかったかのように動く。


「もう大丈夫だ、感謝する」

「グレイブさん。門が開きましたよ行きましょう」


門の方向を見るとさっきまで閉ざされていた大きな門が開いていた。やはりあのスケルトンが何か鍵のようなものだったのだろう。


「そうだな」


グレイブとライラがその門の中に入ると、視界が真っ白に染めあげられ。気がつけば全くどこかわからない平原に2人が立っていた。


「転移魔法か。ここはどこだ?」

「えーと、何にもないですねぇ」


だが2人にはさっきまで居た森とは違う場所という確かな実感があった。空気中の魔力の濃度が低い。戻ってきたのか、また新たなところへと飛ばされたのかはわからないが・・・。


「さて、どうするか。食料、水共に問題ないが取り敢えず情報が必要だな」

「どうしましょうか?」

「取り敢えずまっすぐ走る。そうすれば街道にでも出るだろう」

「そうするのが一番かもしれませんね」


グレイブとライラは、前に走り出すのだった。




ありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。

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