雪
《雪》
はじめに
*この話は、約一年前くらい(H23 1/24)に書いたssです。
*文章が今と違っていると思いますww
*某小説(主にまるマ)の影響を受けている部分があります。
*タクトの設定が今と少しだけ違うので、そこだけ改めました。
*ちなみに『雪が降った次の日は』は、『雪が降ったある日』の続編です。一人称で語るキャラクターを変えています。
《雪が降ったある日》
「わぁ、雪が積もってる」
嬉しそうに声を上げたのは、このフローレ国の王、アヤ・フォルアナ・ウィルソンだった。
「そうだね」
「ね、ね、外行ってきてもいい?」
まるで、子供のようだ。
書類仕事はいつも僕の仕事で、王のサインが必要なものしかアヤには渡していない。アヤは、仕事ができない訳ではない。二人で話した結果が、これだった。そのため、今のアヤには仕事がない。それに、止めてもこっそり出ていくことは、目に見えている。だから、
「いいよ」
許した。
「ありがとー」
アヤが嬉しそうに執務室を出ていく。
風邪だけ、気をつけてほしいな。
そう思いながら、僕は仕事を再開した。
昼食の少し前に、外へ出ていたアヤが戻ってきた。何処で何をしてきたのか、アヤは雪まみれだった。
「ただいま」
「おかえり。で、何をしたらそうなるの?」
怒る前に、まず理由を聞こう。
「えっと…ちょっと…ね」
「うん、ちょっと…何?」
「あ、遊んでたら…」
「ふーん」
怒る気がなくなった。
「お、怒ってる?」
アヤが恐る恐る尋ねてくる。
「いや、怒るを通り越して、呆れてる。ほら、風邪ひくから早く着替えてきな」
「判った」
とても、同年代とは思えない会話。もう慣れたけど。
「はぁ…」
自然と溜め息が漏れた。
次の日、アヤが熱を出した。
注意しておけばよかったと思っても、もう遅い。今日は、アヤの看病か。
―――fin
初出:H23 1/24