アヤの誕生日SS
「HappyBirthday!」
日付が変わるときと共に口にされたお祝いの言葉。
この城の中で、この日に誕生日を迎えるのはたった一人しかいない。
「ありがとう」
一番に祝ってほしいと思っていた人からの、この日最初の言葉。
きっと君はそんなこと知らないだろうけれど、とても嬉しくて。
「ちゃんとしたお祝いは昼間にね」と言われてしまえば、眠って起きたあと、数時間後がすごく楽しみになる。
「おやすみ」と言葉を交わして、お互い寝室に向かった。
◇◆◇◆◇
「アヤちゃん、誕生日おめでとう!!」
お昼近くになって来たのは、学生だった頃の担任で、今は親友という関係のハルル。
今日は平日だから、いつものように隙を見て学校を抜け出してきたのだろう。
教師としてどうなのかと呆れつつ、はるるんだから仕方ないかと変な納得をして。でも、本当は嬉しいんだって判っているから、「また抜け出してきたでしょ」と自分の日ごろのことを棚に上げてはるるんに言った後に、笑顔でお礼の言葉を口にした。
そのあとも、いろいろな人から祝福の言葉をもらった。
学生のころの友達、親友であるユキ、城の使用人など、それはもうたくさんの人から。
くすぐったい思いをしながら、みんなの言葉を受けとめて。
昼食の時間には、広間でささやかな、けれどちょっぴり盛大なパーティーを開いてくれて。
あぁ、大切にされているんだなって実感した。
とてもとても幸せな一日。
今日だけの特別な日だった。
Fin.
H25 10/15 夜音沙月
今回は本編である「さくら咲く季節」の方のお話にしました。
サイトに載せる予定だった方は「パラレルわーるど。」シリーズです。間に合わなかったので、おわびとして短い話を書いてみました。約15分くらいでつっくったssです。プロットも何もなく、思いつくままに打っていましたww
予定していた話の方は、近いうちに載せます。
アヤ、誕生日おめでとう!!




