第6話
木下さん家までは直線距離で800メートル、ただし車では通れない狭い路地が多い為走って向かう。
険「木下さん家まであとどれくらいだ?」
AI「その角を左に曲がって150メートルで到着します」
俺の問いかけに左手首に付けた腕時計が回答する。
険「モンスターの反応は?」
AI「出現が確認された地点からほとんど動いていません」
険「よし、着いた時に居なくなってるって事はなさそうだな」
AIと会話していると木下さん家の前に着いた。
険「おい、2階の壁に穴が開いてないか?」
AI「開いてますね、恐らくあの穴からモンスターが侵入したのではないでしょうか」
俺はバットをいつでも出せるように確認して木下さんの家に入っていった。
険「木下さーん、保田生命保険の保田でーす。モンスターの反応がこの家からあったんですが、無事ですかー?」
俺は後で不法侵入で訴えられたりしないように大声で木下さんを呼びながら穴が開いていた2階に向かった。
AI「この部屋です、この中からモンスターの反応があります」
階段を上がってすぐにAIが報告してきた。
俺はすぐさまバットを取り出し、バッグと転ばぬ先の杖を置いた。
険「木下さーん、開けますよー。」
俺は不法侵入で(以下略)呼びかけながらゆっくりとドアを開けた。