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はじまるわよ妹ちゃん

本編中で姉妹の容姿が出てこないけど茶髪でおっとり系の姉妹だと思うと僕は捗りました。



「…………突然だけど妹ちゃん」


「なぁに?お姉ちゃん」


「お姉ちゃんは今から、あなたにとても大切なことを話さなければならないの」


「なにかしら」


「それはね……」


「うん」































「この作品は、右腕が欠損している姉と、左腕が欠損している妹の双子姉妹が、日々の何気ない会話や生活を、比較的淡々と行うギャグ作品よ。基本なんでもありだから気を付けて読みなさい!!」


「お姉ちゃん大丈夫?病院行く?」


「人が嫉妬するくらい健康体だから大丈夫よ」


「でも右腕が欠損しているわ」


「健康だからいいのよ」


「そういうものなのねお姉ちゃん」


「そういうものなのよ妹ちゃん」


「……………………」


「……………………」


「いや、だからと言ってさっきの発言を見過ごすわけにはいかないわよ?」


「そういうものなのね妹ちゃん」


「そういうものなのよお姉ちゃん」


「……いい?妹ちゃん、ここには、私たちの認識できない、しかし確かに存在する、私たちの観測者がいるのよ」


「続けるの?これ?」


「続けるわ、だって読者の皆さんにはいわゆる『キャラ紹介』が必要だもの」


「読者?読者って誰?私お姉ちゃんが怖いわ」


「ふふ、私もこんなに気の利く私が怖い」


「いやそういう意味じゃなくてね」


「とは言っても、私たちは細かく設定がつけられている訳ではないから、双子姉妹で揃って片腕が欠損しているくらいしか話すことがないわ」


「お姉ちゃん話を聞いて」


「落ち着いて妹ちゃん」


「そっくりそのままお姉ちゃんに返すわ」


「まぁ設定なんて話していれば自然と増えていくものだし問題ないわ」


「読者とか設定とかよく分からないけどほんとに少し休んだほうがいいわお姉ちゃん」


「あんまりメタ発言を重ねても読者が飽きるだけね、日々の何気ない会話でもしましょうか」


「待って、ちょっと待ってお姉ちゃん」






























「季節は梅雨よ妹ちゃん」


「ちょっと待ってって」


「どうしたのよ」


「お姉ちゃん基本的に人の話聞かないよね」


「我が道を行っているのよ」


「我が道を行くのと人の話聞かないのは別よ」


「いいから梅雨よ」


「雑!」


「ほら、雨が降ると傘を差すでしょう?」


「え……あぁ……うん」


「私たち片腕がないじゃない?」


「そうね」


「だから、ほかの人みたいに傘を差しながらもう片方の手で他の物を持つことができなくて不便でしょ?」


「うん」


「時々思うのよ…………」





























「第3の腕が欲しい」


「そこは普通に第2の手を願おうよ」


「それはもう諦めてるから、ワンチャンある可能性を信じて第3の手をね」


「第3の手のほうがよっぽど可能性ないと思うわ私……」


「ゲームとかで時々いるでしょ?背中とかから手が生えてる敵、アレに憧れてるの」


「とんでもないものに憧れないで?」


「私の背中にも一本くらい生えないかしら」


「お姉ちゃんキャラ紹介とかメタとか変なこと言わなくてもその他の要素で十分ヤベー奴よね」


「己が好きを突き通してるのよ」


「言葉の響きはかっこいいんだけどね」


「第3の手が生えたらアレね、ひとりジャンケンができるわね」


「それは確かに一般人の誰もができて私たちにはできないけど一般人ですら滅多にやらない一人遊びよ」


「そうだ、せっかくだからもし背中から第3の手が生えたらどうなるか絵にしてみましょうか」


「やめときなよ」


「えーと紙とペンを用意してっと……。まず人間がいて、背中から手がにゅっと………」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「ヤベーやつね」


「ヤベーやつでしょ?」


「ヤバいわ、想像以上にヤバかったわ。えっキモッ……」


「お姉ちゃんさっきまでそれに憧れてたのよ」


「お姉ちゃんどうかしてたわ、ごめんなさい……」


「分かればいいのよ」


「話は変わるんだけど」


「うん?」


「背中じゃなくて脇腹あたりから生えるなら違和感ないと思うの」


「寝よっか」


「待って」















~~~~~














「お姉ちゃん爆笑一発ギャグを思いつきました」


「相変わらず唐突だねお姉ちゃん」


「まず長袖を着ます、今回はあらかじめ長袖を着た私こと、お姉ちゃんを用意しました」


「はい」


「当然ですがお姉ちゃんには右腕がないので、右の袖は何も通っていない状態です」


「そうですね」


「しかし、袖に長い風船を入れることで、あたかも右腕が存在するかのように演出します」


「ええ」


「その状態で相手に近づき、『いやぁ~最近右腕が痛くてね、なんなんだろう』と言って右腕に注目させます」


「あっ」


「そこですかさず、左手で右の袖を引っ張り、事前に袖裏に仕込んだ針を風船に当てます、すると」


パァン!


「と風船が割れるので続けて」


『ぅぅっぐぁぁぁぁ……!!う、腕が…!あァ…!!お、おのれ……!許さん……!許さんぞ……!』


「と言いながら倒れます。その後すっと立ち上がり」


『イッツジョーク!』


「と言い放ったら完成です。爆笑確定」


「……………まず最初に言うとね」


「うん」


「面白くない」


「直球ゥー」


「もう1つ言うとね」


「うん」


「面白くない」


「直球ゥー」


「いやまず誰に向けたネタなのこれ。お姉ちゃんの友達はお姉ちゃんの腕のこと知ってるし、お姉ちゃんを知らない人だとただただドン引きするだけよこれ」


「きっとお姉ちゃんのことを知らなくていきなり人の右腕が破裂しても笑ってくれる人なら理解してくれるはずよ」


「近づきたくないわそんな人」


「ふーんだ!いいもんいいもん!きっとこの高等ギャグを理解してくれる人がいるはずよ、明日学校でやってくるわ」


「やめたほうがいいと思うわ……」


「いいえやります。お姉ちゃんの意思は固いんです」


「まぁ、止めはしないけど……」


「見ていなさい、明日帰ってきたらどうなったか教えてあげるわ」






























「どちゃくそスベったわ」


「でしょうね」


「一瞬ついに時間停止能力でも習得したのかと思ったわ」


「お姉ちゃんのこと知ってる人もドン引きだったのね」


「いいえ」


『なんだ風船かぁ~。朝一から大きな音がしたからビックリしちゃった』


「っていうような反応だったわ」


「朝一番から腕消失の件についてはノータッチなのね……?」


「いつも似たようなことやってるからかしらね」


「さらっととんでもないお姉ちゃんの学校生活を告白されたような気がするけどまぁいいわ」


「その寛容さは大事よ」


「呆れてものも言えないだけよ」


「寛容ついでに言うんだけど」


「うん」


「実は、冷蔵庫にあった妹ちゃんが買ったプリン、食べちゃったの」


「は?」


「あっ……え、ええと………イッツジョーク?」


「……………お姉ちゃん、そのジョークね」


「うん」


「面白くない」


「直球ゥー」






























「ちょっと本当に食べてるじゃない!お姉ちゃんのバカ!」


「うふふ、名前を書いておかないからよ」


「もぉ~!楽しみにしてたのに!」


「ごめんなさいね、また今度同じものを買ってくるから許してちょうだい」


「これコンビニで1番高かったプリンだからね!間違えないでよ!ほんとに美味しいんだから!」


「えぇ、美味しかったわ、でも私たちお互いに片腕がないでしょう?きっとプリンも食べにくいと思うのよ、というか食べにくかったわ」


「当事者!」


「だから、妹ちゃんがプリン食べるの手伝ってあげるわ。あなたがプリンを持って、お姉ちゃんが食べさせてあげる」


「なっ……!逆でいいじゃない!なんでわざわざ食べさせてもらうのよ」


「あら、嫌だった?」


「嫌……ではないけど……」


「じゃあ決定ね、明日買ってくるわ」


「むぅ……約束だからね!」


「もちろんよ」







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