目が覚めた場所
そして俺は目を覚ます。
見たことのない素材でできている天井となぜ光っているのか分からない柔らかな光を放つ石が目に入る。
「……知らない天井だ」
う、うるさい!ちょっと言ってみたかったんだよ!昔から!
周りを見渡せば壁は天井同じ素材で出来ている。
俺達が並んで寝ているのは祭壇のような場所だ。
どこか神殿なのだろうが何故か劣化が激しい。もう使われていないのだろうか。
「ほんとに異世界来ちまったんだな...」
隣を見れば華音がいる。
隣から感じる温もりがある。
彼女と一緒ならば何も怖いものなどないだろう。
もう、狂気に染まることも絶望に沈むこともない。
彼女が傷つくことも無い。いやあってはならない。
俺が守り抜く。何があろうと。
だがそれには強くならなければならないだろう。
神王のじいさんによればこの世界には魔物や魔族が存在し魔法があり戦争がある世界だと言っていた。
そんな存在から華音を守る力はまだ俺にはないだろう。
なにから始めればいいのかさっぱり分からない。
なにせ魔法の使い方もこの世界の常識も武術や武道の心得さえも無いのだから。
あるのは全国トップ2の頭とゲームの知識のみ。
「はぁ...ナビゲーターでも居ればいいのに…」
そんなつぶやきが漏れた時であった。
〈A:存在します〉
突如頭の中に無機質な声が響く。
「どぉわっ!?な、何者?」
〈A:私は案内者です〉
ふむ、案内人みたいなものか。
居てよかった。
ナビさんと呼ばせて貰おう。
ちなみにナビさんここどこ?
〈A:ここは神代、大帝国の神殿として使われていた場所です。帝都であったこの場所も消滅戦争より遥かな時が経ち人外魔境の地になってしまっています〉
え、ここ人外魔境なの。てか神代ってそんなのあったのか。消滅戦争って何気になるけどまた今度でいいか。
〈Q:ところで主、使用可能な贈与スキルがあります。使用しますか?〉
贈与スキルがなにか分からないがまぁここはイエスで。全部任せるよナビさん。
〈A:承りました。贈与スキルは神から与えられたスキルになります。贈与スキルの使用、ステータスとの統合を開始、身体的、精神的な衝撃を考え一時意識をダウンさせます〉
なにやら凄い色々始めたけど...
〈3〉
え、なに?
〈2〉
なんのカウントダウン?えっ?えっ!?
〈1〉
なになになんなのぉ!?!?
〈ダウンさせます〉
ナビさんの無機質な声とともに俺の意識はまた暗転した。
〈…じ………るじ!…主!!〉
ハッ!?いったい何が!?
〈A:スキル使用時にかかる衝撃が凄まじかったのでいったん意識を失っていただきました。〉
なんか、体が軽い、力が漲っているような感覚がある。なんでだ?
〈A:贈与スキルの効果になります。ステータスをご確認ください〉
ステータスの確認にはステータスって唱えればいい感じ?
〈A:イエス、口に出しても出さなくても可能です〉
「ステータス」
お待たせしました!
第1話です!
ここからはじまります!!!
みなさんどうぞよろしくお願いします!!