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村づくり



 扉を開いて外にでると、村人達が並んで待っていた。



「「「おはようございます導師様!」」」


「ああ、皆おはよう」



 大分ビックリしたが、顔には出さず笑顔で挨拶を返す。


 すると、昨日話しをした年齢70歳頃の村長さんが前に出て来て、深々と俺にお礼をする。



「昨日は我々全員を助けていただきありがとうございます、導師様に助けていただけなければ我々全員、命は無かったでしょう」


「いえいえ、これも女神が望んだ事です、私の使命は助けを求める者の救済ですから」


「おお!それは有り難い事です!」



 自分は女神の為に、無償で慈善活動を行っているのだと説明し、幾らか警戒心が薄れたかな、と言うところで本題を切り出す。



「昨日の様な事があれば不安でしょう、良ければ私に、この村の復興を手伝わさせていただけませんか?」


「それは願ってもない事ですが、このアンの村は見ての通り何も無い貧しい村でございます、導師様に差し上げられるような物は何も…」


「いえいえ、これは言わば女神の救済、私達は少しの食べ物を分けていただければ、それで充分です」



 これからの食糧の調整や、怪しげなよそ者を受け入れる事で起こるであろう問題と、村人の安全を秤に掛け、村長は「ありがとうございます、よろしくお願いします」と頭を下げた。




 それからは忙しく精力的に働いた。


 最初は、オオカミの群れと戦った時に壊れた、クワ、斧、カマや、狩猟用の弓等を新しく創り出し。 


 続いて村の周りを、高くて厚い壁でぐるりと囲い、住民達に足りていなかった衣服や、布団等を創り出していった。



 1週間程で大体の物を揃えると、今のところ最大の脅威である、巨大な魔物への対処法を考える。


 村長に聞いてみたところ、以前に出た15m級の魔物等は、そうそう出るものではないらしい。


 なので、15m級が二体襲ってきても撃退出来る位には、武装を整えておきたい。


 生前の現代兵器を思い浮かべるが、難しい物は創れないし、銃弾一つ一つなんてとても創ってられない。


 構造が簡単で、広範囲に高威力のダメージが出せる物といえば、やはり迫撃砲だろうと思う。


 砲身の方には簡単な角度調整と発射の機構を、砲弾には炸裂弾、照明弾、冷凍弾等のバリエーションを持たせて創り出す。


 迫撃砲は2人で運用する用に創った為、この村で戦える男性20人程に合わせ10門創り村を囲う壁の上に設置した。


 この迫撃砲を試し撃ちしてみたところ、反動がそれ程無かったので、長さ1m程の持ち手とトリガーを付けた携帯型も創り20門配備しておく。


 この携帯型迫撃砲は狩猟に行く時にも携行し、魔物に出遭ってしまった時の為の備えとしても機能している。




 クマに襲われてから3週間程が経ち、武器の配備もある程度終わり、便利な農機具の開発、実験等を行っていると、この村に初めての訪問者がやって来た。



 訪問者は皆同じ鎧に身を包み、手に槍を持ち、腰にショートソードを履いた60名。


 その中から、馬に乗り一人だけ派手な鎧を着た男が、大声を上げながら出てきた。



「私はドゥ王国の使者である、この村に魔導師クロゥと名乗る者が居ると聞いている!今すぐに姿を見せよ!」



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