女神との邂逅
初めての執筆です、よろしくお願い致します。
俺の名前は黒野 黒雄、21才大学生だ。
今の状況を説明すると、意識不明か死亡している。
何故ならば、先ほど横断歩道で車にはねられたハズなのに、今は荒野に立っているからだ。
地面は草も生えていない石の転がる荒れ地、少し離れた所には、葉っぱが全て落ち、枯れた木が何本か立っている。
周りを見渡すと、涸れ果てた湖の横に一人の女性が立っていた。
年は30代頃だろうか?温和な表情だが、どこか寂しそうな雰囲気をしている。
近寄っていくと、女性が言葉を紡ぐ。
「黒雄よ、貴方は死んでしまいました」
俺は、ああやっぱりな、と頷き、これから自分はどうなるのかと、おそらく女神であろう女性に問い掛けた。
「本来であれば、記憶を消して輪廻の輪に返すところですが、ひとつ貴方にお願いがあります、
貴方の居た世界とつながっているもう一つの世界を救って欲しいのです」
女神の言う事には、自分が居た世界には、幾つかの別の世界がつながっており、魂はそれらをグルグル巡っているらしい。
そして、その中の一つの世界が滅びそうで魂を受け入れる事が出来ず、他の世界も魂が溢れて危険な状態になっているようだ。
滅びそうな原因は、四体の巨大な魔物がいて、その世界の生き物を無差別に襲っているからだと言う。
いわばゴ〇ラが四体居て、世界中で暴れ回っている状態だ、そりゃ世界も滅ぶだろう。
何故自分が選ばれたのか疑問に思っていると、あちらの世界で死んだ者の身体に憑依させる為、こちらの世界で同時に死んで、尚且つ波長が合うのが俺だけだったと教えてくれた。
「願いを聞き入れてくれるのであれば、世界再生の為の力を授けましょう」
その力とは、物質創造魔法と固定化魔法。
物質創造魔法は、こちらの世界では未発見の元素を使い、マナの量に応じて意志を持つモノ以外の物質を零から作り出す魔法であり。
固定化魔法は、本来ならば出した後暫くしたら消えてしまうハズの物質創造魔法で作り出した物を、消えずにその場に留まらせる魔法。
なるほど、これは胸が躍る、漫画や小説が好きだった自分としては、魔法という響きにはとても惹かれるものがある。
しかも、記憶もそのままだという、これは逃す手は無いと思い、女神に了承の意を示した。
「ありがとう黒雄よ、では今から魂の転移を行います、
貴方の新たな生に幸多からんことを…」
急速に視界が暗転し、身体が引っ張られたと思った時には、もう意識を失っていた。
一日一話あげていけたらと思っています。