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現実:食-設備 「ソーダ・ファウンテン」「ドリンクバー」

ダイナーとソーダ・ファウンテンが

1950年代のアメリカ白人社会の繁栄と楽観主義の時代を象徴


★ソーダ・ファウンテンとは:

 ソーダ・英語で「炭酸」、ファウンテン・英語で「泉/噴水」のこと


 アメリカ合衆国における

 レストラン、

 ファストフード店、

 コンビニエンスストアなどで利用される、


・コックをひねってソーダ水を出す装置、

・ソーダ水の貯蔵容器等

 清涼飲料水を供給するための『簡易な装置』である。


 または、


・『清涼飲料水をアイスクリームや軽食などと共に提供する店』、

・もしくはそれらを提供するためにドラッグストアなどの店内に備えられた

 『カウンター形式の設備』等

 清涼飲料水を供給する施設のこと。



 つまりソーダファウンテンとは

本来炭酸水などの清涼飲料水を供する機械の名称であったのが、

転じてソーダを主にアイスクリームや軽食だどを一緒にを提供する

お店を指すようになったのだ。


 よって一般的にはソーダファウンテンと言えば、

アメリカでドラッグストアやスーパーの一角に設けられていた、

軽食類もあるカウンター式のソーダスタンドのことなのである。


 また飲み薬を出すドラッグストアなどでは、

薬局と併設しての「カウンター形式のソーダファウンテン」があり、

そこでクリームソーダや、チョコレートソーダが飲まれています。


 これは元々炭酸飲料は医薬品扱いで開発されたためであり

20世紀初め頃からドラッグストアで売られていました。


 また当時は瓶詰め、缶詰による流通に限界が合ったのと

保存にソーダファウンテン用ディスペンサー装置本体のような

大きな設備が必要だったため、

ソーダはドラッグストアで販売されるものと言う常識が定着しました。


 またこれらは単にファウンテンとも呼ばれる。



▼20世紀初頭にアメリカで流行ったソーダファウンテン:

喫茶店というよりどちらかと言えばアメリカ版の豪華な駄菓子屋とも言える。


 ソーダ・ファウンテンは、清涼飲料水などの飲料を提供する設備である。

アメリカでは「ジュース」と呼ぶものは果汁(野菜汁を含む)

100%のものに限るため、

そうでないものは炭酸の有無を問わず「ソーダ」と呼ぶ場合がある。

危うくジュース・ファウンテンになるところであったのだ。


 ゆえにソーダ・ファウンテンで提供される飲料のすべてが

炭酸水および炭酸飲料というわけではない。


 19世紀から20世紀中頃までは、軽食堂形式であったが、

20世紀後半、扱いやすいディスペンサーが普及すると、

料金を払って紙コップを受取り、

自分で供給機から好きな種類のものを注ぐセルフサービスのシステムも

取り入れられるようになった。


 紙コップの大きさで料金が異なったり、お替りが自由な場合もある。


 なお、日本ではコンビニエンスストア大手のローソンが取り扱ったことにより、

この名称が知られることとなる。


 1980年代、ローソンはこの形式で販売する飲料を総称したブランドとして、

この「ソーダ・ファウンテン」の名を用いた。


 一方、同じくコンビニエンスストアであるセブン-イレブンでは

同時期、同様の商品群についてポスト・ミックスというブランド名を用いた。

ローソン、セブン-イレブンともに、

現在はソーダ・ファウンテンの取り扱いは行っていない。



▼資生堂パーラー:日本初のソーダ・ファウンテンとして開業


 資生堂パーラーは、

1902年(明治35年)

資生堂発祥の地である銀座8丁目(現東京銀座資生堂ビル)の資生堂薬局の一角に、

日本初のソーダ水の販売や、

当時はまだ珍しかったアイスクリームの製造・販売を行う

「ソーダファウンテン」として誕生したのが起源である。


 これは、資生堂創業者の福原有信が、

1900年(明治33年)の欧米視察からの帰国後に、

アメリカのドラッグストアを模して設けたもので、

当時の日本ではまだ珍しかったアイスクリームやソーダ水を供し、人気を博した。


 福原有信は、ソーダ水製造機はもとより、

コップやストローにいたるまでアメリカから輸入し、本物志向に徹した。


 1928年(昭和3年)、「資生堂アイスクリームパーラー」と改称し、

本格的な洋食レストランを開業した。


 メニューには、カレーライスやオムライスなどがあり、

モボ・モガや新橋芸者衆から贔屓にされた。

いわゆる昔からの上流階級を顧客に持ち、

「成功率の高いお見合いの名所」としても知られている。


 こうして西洋料理の草分け的存在として、

また銀座のシンボルとして現在に至っている。


 このような経緯で化粧品の製造・販売を主な事業とする資生堂は

ソーダ水とアイスクリームを製造し

その小売りも行うアメリカの薬局の新しい形態である

ソーダファウンテンを事業に加えたのでした。



▼不二家のミルキー:ソーダ・ファウンテンの誕生


 さて、ペコちゃん、ポコちゃん、ミルキーの不二家である。

この会社のカラー、森永や明治とはちょっと変わっている。

違った路線を行っていると言っていいか。


 創業は明治だから歴史は古い。

創業は1910年(明治43年)不二家開業以前は横浜の食料品店で働いていた

創業者の若い藤井林右衛門(25歳)が、

不二家ふじやという屋号で横浜・元町に洋菓子店を開いたのが始まりである。

 自身の「藤井」姓や、

外国人にも良く知られた日本一の山である「富士山」(不二山)にちなむとともに、

「不二」という言葉には「二つとない存在でありたい」という、

25歳の林右衛門の願いと気概が込められていました。


  当時まだ横浜でも珍しかった洋菓子が、

これからは日本でも人気が出てくるだろうと見込んでの開業でした。


 開店から二年後の1912年(大正元年)、

林右衛門は、アメリカへ洋菓子事情と技術習得のため出かけているので、

大いに先取の気概を持った人物だったらしい。


 欧米の製菓・喫茶事情に関心を持って一大決心をして渡米してみれば

洋菓子が一流の場所でしゃれた店舗で売られていることを知ります。


 こうしてその2年後、渡米の成果は帰国後の不二家で花開きました。

帰国した彼は近代的なキャッシュレジスター、

衛生的にソーダ水を提供するソーダファウンテンを備えた

喫茶室を元町店の隣りに増設

新設した喫茶店を「ソーダ・ファウンテン」と名付けるなど

その気鋭躍如たるところがある。


 その後店舗も増やし、

1922年(大正11年)には、

ショートケーキ、シュークリームなど発売し好評を得ている。




▼ディスペンサー:いずれセルフのドリンクバー


 ソーダ・ファウンテンに設置されるディスペンサーでは、

濃縮された原液を飲料水または炭酸水で希釈して蛇口から提供する。


 カップからこぼれた飲料は、

蛇口下の受け皿に設けられた排水口から排水される。


 飲料水や炭酸水は適度に冷却されてカップに注ぎ込まれるか、

あるいはカップに予め細かく砕かれた氷の中に注ぎ込まれる。


 温かい飲料は原液を湯で割って提供する。

この機構は自動販売機のうち紙コップに入れた飲料を提供する

「カップベンダー」で用いられている。


 使用されるシロップ状濃縮液は、

主要な清涼飲料水のものが業務用として流通しており、

またオレンジジュースのような濃縮還元用のものもみられる。


 これらは内部にアルミフィルムを貼った専用の紙パックに

充填され流通している。

また、炭酸飲料の場合は直接飲料として提供される希釈済みのものが

専用の金属製ボトルなどに充填されたものとして流通している。


 日本では、ファストフード店やファミリーレストランで

店員によりディスペンサーが利用される場合がある。



○ドリンクバー:セルフサービススタイル


 またファミリーレストランでは、

「ドリンクバー」などの名称で店内の一区画にコーナーを敷設し、

セルフサービスとして提供する形式が見られ、

場合によっては複数のディスペンサーを設置して

多種類の飲料を提供している。


 これらドリンクバー (drink bar) は、

外食産業のレストラン店内におけるセルフサービス方式の

フリードリンクコーナーとして普及している。

若者には、ドリバと略語で呼ばれることがある、現在は知らんが。


 名前が定着しているために、このサービスそのものの名称ともなっている。


店舗に備え付けのドリンクバーコーナーまで自ら出向き、

好きなドリンクを選択し必要に応じて砂糖やクリーム・氷などを加え、

席に戻って賞味する。


 基本的に1人1個のカップ・グラスで利用し、

グループでの回し飲みは禁止されている。

規定料金を払えばお替わりの制限は無く利用出来る。


 ただ飲み物によっては熱いもの(ホット)、

冷たいもの(コールド)があるため

途中でコップを交換した方がより美味しく飲めるが、

チェーンによって出来るところと出来ないところがある。

通常はホットのカップとコールドのグラスは2種類に別れているものだが。


 なお複数の飲料を混ぜて飲む方法を表記しているレストランも有り、

自分の嗜好に合わせて楽しむ利用者もいる。


 朝食メニュー(一部チェーンではランチメニューやデザートセットでも)の場合、

ドリンクバーがセットに含まれていることが多い。


 また漫画喫茶ではフリードリンク制の店舗もあるが、

この場合は室料にドリンクバーの料金が含まれている事が多い。



○ドリンクバーの由来:


 大手ファミリーレストランチェーン「すかいらーく」グループの

「ガスト」にて誕生。


 1992年、すかいらーくの子会社グリーンテーブルが

「ガスト小平店」のプロトタイプ店舗を作り、

低価格路線のメニュー、

ドリンクバーの設置を行いオープンした所大ヒットとなり、

バブル後の消費不況で低迷していたすかいらーくは

翌年ガストへの大規模な転換を行った。


 ガストは当初は「ホットドリンクバー」として温かい飲料水しか提供せず、

ホットドリンクバーを注文した客に対してはカップを1つだけ渡していたので、

当時は1つのカップのみで様々な飲料水を飲まなければならなかった。


 また、現在のガストではドリンクバーは

プレミアムカフェという名称に変更されている。

当時のマスメディアにも大きく取り上げられ、

ドリンクバーの認知度は世間に広がり、

競合他社まで多大なる影響を与えて広がりを見せた。


 一説にはもともとのガストのコンセプトに

はじめから存在したわけではなく、

あまりの忙しさにある女性準社員(アルバイト社員)が

ホットコーヒーのデカンタやポットを

客席に置いて自由に飲ませたことから始まったとも言われる。


 居酒屋やカラオケボックスでグループ客に飲料を提供する際に使われる

ピッチャー(水差し)もヒントになったと考えられる。

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