現実:食-ファンタ、シュペツィ (代用コーラ)
ファンタはドイツのエッセンで生まれた。
当時のコカ·コーラ社のマネージングディレクターであったマックス・キース氏がチームの担当化学者に代替品の開発を依頼したのだ。
実は、ファンタはドイツで生まれました。
その名はドイツ語のFantasie(想像力)から来ています。
ファンタが誕生する前、ドイツでもコカ·コーラは大人気製品でした。
しかし、第二次世界大戦でドイツはアメリカと対立してしまったために、
コーラの原液を入手できなくなった結果、代用コーラとしてファンタが開発されました。
……決してペプシ・コーラのことではありません。
第二次世界大戦中にナチス・ドイツがコカ・コーラの代用品として
開発・生産を行った際に、ペプシの商標を利用したのです
(ライセンス生産をしていた訳ではないのです)。
これはリンゴジャムとチーズの製造工程中に生じる副産物:
リンゴの果肉と乳清から開発・製造されたもので、
味は果汁入りオレンジジュース : コーラ : レモンジュース を
0.375 : 0.375 : 0.25 位の割合で混合したものとされている。
現在ではお馴染みのファンタの味と共通する部分はほとんどありません。
ビタミンCとカフェインも添加された上で粉末ジュース加工され、
第二次世界大戦戦地のドイツ軍にレーションの一部としても支給。
なお、ドイツ軍用チョコレートにショカコーラ
(ココアに多めのコーヒーと磨り潰したコーラの実が加えられている)がある。
どれだけコーヒーとチョコとコーラが好きなのか?
現在のファンタの味と共通する部分はほとんどありませんでしたが、
大変人気がありました。
ドイツの飲み物といえばビールが有名ですがアルコールがだめな人や、
当時、この味に慣れ親しんだ世代のドイツ人の間では
よくシュペツィという名称の飲み物をのみます。
これはコーラとオレンジジュースをブレンドしたもので、
ドイツでファンタオレンジが開発されたときの名残の味です。
現在シュペツィは、代用コーラだったファンタとは別の飲み物として製品化販売され、
レストランやバーでソフトドリンクのメニューに見かけたりすることができます。
さしずめファンタオレンジ・コーラ風味と言ったところか?
よって日本ではコーラとファンタオレンジで再現できるそうです。
▼年表:
1940年、第二次世界大戦のこの時点ではまだアメリカは中立国で参戦していないが、
ドイツのコカ・コーラ ドイツはアメリカのコカ・コーラ社より
コーラの原液が供給停止に。
そこで、コカ・コーラの原液を輸入できなくなったコカ・コーラ社のドイツ法人は
代用コーラとしてファンタを開発。
1955年、イタリアナポリのボトラー社が
もともと乳清とリンゴの味であったファンタを、
オレンジフレーバーのソフトドリンクとして製造したいと考え研究。
1958年、日本で初めて販売された。
1959年、ドイツに導入され、Fanta Klar『ファンタクリア』という名で販売。
1960年、これに焦ったコカ・コーラ社によってファンタの商標が強引に買い取られてしまいます。
1961年、アメリカ国内で『セブンアップ』の大攻勢にシェアを奪われた
本場アメリカコカ・コーラ社の起死回生策として対抗するため、
ドイツ国内で販売されていた「ファンタクリア・レモン味」を「スプライト」という名称で販売。
こうして晴れて本物のコカ・コーラの仲間に入ったのである。
その製品は後にさらなる改良を加えられ、
1964年、アメリカ国内でFanta『ファンタ』として発売されました。
それが、私たちが今日慣れ親しんでいる味のファンタなのです。
ちなみに、ドイツ語で「冷たいコーヒー」を表す「カルター・カフェ」は、
炭酸「シュペツィ」とは全く別の飲料「アイスコーヒー」を指す場合もあり、
注意が必要である。




