現実:食-珈琲-水出しコーヒー
水出しコーヒー(Cold Brew Coffee -コールドブリューコーヒー)の発祥はインドネシア
熱湯を使わない水出し抽出は、数時間を要するが、
ビンなどで家庭でも作ることができる。
さて、水出しコーヒー発祥の地は、インドネシアだと言われています。
インドネシアで栽培されていたコーヒー豆は、
苦味やえぐ味の強いロブスタ種のコーヒーが栽培されていたため、
飲み口を良くするために水で抽出する形が広まったのだそうです。
この水出しコーヒーを「ダッチコーヒー」とも言い、
水出しコーヒーの味の特徴ですが、
水を使ってゆっくりと時間をかけて抽出するため、
良質な甘味と柔らかい苦みが特徴として引き出され、
嫌な苦みやエグみは抑えられます。
カフェイン等の刺激成分が少なく飲み口が良いが深いコクがあり、
冷蔵庫保存も効き酸化しにくくなるため、
暑さのあるインドネシアでは一般的な製法だったようです。
丸みのある柔らかい飲み心地と風味は、
水出しでしか味わえないものとなります。
逆に、水出しコーヒーのデメリットとしては、
抽出に時間がかかることと、お湯ほど成分が抽出されないので、
酸味が引き出しきれないことがあります。
なおコーヒー豆はフルシティロースト以上の深煎りでないと、
酸味ばかりで旨味のないコーヒーになってしまう。
また、ダッチコーヒーとも呼ばれているのは、
実はインドネシアは当時オランダ(ダッチ)の植民地だったからです。
戦前のオランダ領インドネシアでは、
少量の濃いコーヒーにミルクをなみなみと注いで飲まれており、
その濃いコーヒーの抽出法として、
細かく挽いた粉に水を含ませて一晩放置するというものでした。
ロブスタは、強い雑味があり、これをなんとか美味しく飲めないものか、
と考案されたのが『水出しコーヒー』だったというわけです。
また、コーヒー豆の品質も良いものでないと、
嫌な香りが出てしまうことがあります。
なお、ダッチ・コーヒー自体はその抽出法も独特の器具も、
旧宗主国のオランダにおいては存在しないとも言われています。
さて、水出しコーヒーの淹れ方ですが、大きく2通りあります。
1.挽き豆を水に入れて浸け置き数時間後に濾過する方法。
2.挽き豆に水を一滴ずつ滴下する方法です。
前者は簡易な道具で可能だが、後者は専用器具を使うことが多い。
前者はフレンチプレスで作ることもできますし、
不織布などのバッグ入れた挽き豆を水を入れたポットに投げ込み
数時間抽出するという方法も一般的です。
室温でも冷蔵庫でも、どちらでも抽出できるため、
とても簡単に楽しめることが特徴です。
後者の挽き豆に一滴ずつ滴下する方法は、
専用の機材が必要となります。
そのため、喫茶店などで楽しむ特別なコーヒーというイメージがありますが、
最近では家庭用のコールドブリュワーも販売されています。
こちらは抽出自体が演出感のあるものなので、
(たとえ家庭用のコールドブリュワーだとしても)見る目を楽しませてくれます。