現実:食 餃子-水餃子、蒸し餃子
餃子には「水餃子」「蒸し餃子」「焼き餃子」の3種類がある。
▼水餃子:茹でて湯切りをしたもの
中国では水餃子が主流であり、焼き餃子は水餃子に比べるとその数がずっと少ない。
水餃子は皮を厚目にし、お湯で茹で湯面に浮いてきたものをザルに上げ湯切りをして食べる。
日本的な表現をするならば「茹で餃子」である。
形状も日本の餃子が長細く楕円に近いのに比べ、丸みを帯びて正円に近い。
また、日本では水餃子(水餃:中国語でお湯は「熱水」)とスープ餃子(湯餃:中国語でスープは「湯」)が同義で用いられる場合が多いが、中国ではあくまでも「水餃」と言えば「茹で餃子」のことを指す。一般的にイメージするであろう鍋ごとでてくるモノは水餃ではなく湯餃。
違いをわかりやすく言うと水餃子は、鍋ごと客に出す湯豆腐とは違い、最初から引き上げたものを皿に盛ってだすのであって、通常お店では水餃子は茹でた鍋ごとは出さない。
鍋ごと出すのはスープ餃子である。
そもそも水餃子は熱いのをいただく場合と、冷やす場合があり、どちらにせよ酢醤油につけて薬味等をプラスして食べます。
スープ餃子の方はスープの味で餃子を食べるので、餃子には何もつけません。
また餃子の中身に冷まして固体にした牛脂を入れる場合がある。
これが熱でとろけて何ともジューシーであるが、皮が厚いので牛脂は漏れだしにくい……って、小籠包?
まあ、もっとも小籠包は豚の挽肉を薄い小麦粉の皮で包んで蒸籠蒸しした包子であり、特徴として薄皮の中に具と共に熱いスープが包まれていますが。
上海が起源と言われており、一説には上海市の西北にある町、南翔で発祥したとされる。(1871年に中国の嘉定県南翔鎮(現・上海市嘉定区南翔鎮)の菓子屋「古猗園」の店主黄明賢が売り出した「南翔大肉饅頭」)
また、中国においては特に華北:中国東北部(満洲)において餃子がよく食べられている。なぜなら*1.満洲民族による清朝成立後に広く華北一帯に普及し、中華料理の代表的な料理のひとつになったからだ。
もっともそれとは別に華南で発達した点心として食べられる蒸し餃子もあるのだが、一般的な中華餃子のイメージは点心のそれであろう。
水餃子と蒸し餃子の関係は北伝仏教大乗仏教と南伝仏教小乗仏教にも似ているのか?
*1.満洲民族:満洲
狩猟民であるが、同時に簡単な遊牧や牧畜、農耕を行っていた。また居住地はモンゴルと接し、交易を行ったり婚姻関係を結ぶなど遊牧民と関係は深かった。
歴史的に満洲地域は、古くは遼河文明が栄え、その後は主にツングース系諸民族や濊貊族などの北方諸民族の興亡の場であった。
北方民族のみならず、西部からはモンゴル系、東部からは朝鮮系の民族が勢力を張る事もあり、南部からは記録上周代に周に属する燕が勢力を伸ばし、後に遼東郡、遼西郡などが置かれるなど漢民族の支配が及び、民族の混在地であった。
▼蒸し餃子:
中国では南にくだっていくと、雲呑や点心(蒸し餃子)など餃子の仲間がたくさん見つかります。
実のところ世界的に有名な【一般的な餃子】はこちらなのでは?
蒸し餃子とは、せいろ、鍋などに餃子を並べ、沸騰させたお湯の水蒸気で蒸した餃子です。
中国国内でも、華中や華南の点心ではもっとも一般的な餃子です。
味が水に逃げなく、具のおいしさとふっくらとした皮の食感が楽しめます。
日本ではタレに付けて食べるのが一般的ですが、味が水に逃げず皮の食感が楽しめるのでタレは付けてもよいが、中国ではそのまま食べられる味付けになっている。
日本で一般的な焼餃子も、焼き上げる前に一度水を加え蒸し揚げる調理法が多いです。
米粉の皮を使用すると蒸し上がった皮が半透明になり、蒸し餃子の中の具が透き通って見えとても美しいです。
色とりどりの食材を使えば華やかな仕上がりの蒸し餃子となります。
そのためか、変わり餃子もこの蒸し餃子タイプが多いようです。
【変わり餃子】
餃子の皮の中に入れる具材は肉や野菜などが定番ですが、それ以外にも幅広い材料が餃子の具として使われ、それを変わり餃子と言います。
餃子はどんな食材を使っても美味しく作ることが出来るのです。
主な変わり餃子としては、エビ餃子、はんぺん餃子、チーズ餃子、手羽先餃子、春雨餃子、豆腐餃子などがあります。
具材だけでなく餃子の皮も、小麦粉の他にもそば粉を使ったり、卵を入れたりする場合もありこれも変わり餃子になります。
具材や餃子の皮だけでなく、金魚やウサギなどの形を餃子で作ったものや、三角形、花など形のユニークな変わり餃子もあります。
現実:食 餃子-焼き餃子、揚げ餃子に続く