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現実:食-洋食料理 ハンバーグ(挽肉)、カレー(カリー)

皆大好きハンバーグ、カレー

★ハンバーグ:タルタルステーキを起源とするドイツのハンブルクに由来する挽肉料理。

(注:タルタルステーキとは、生の牛肉または馬肉を粗いみじん切りにし、

 オリーブオイル、食塩、コショウで味付けし、タマネギ、ニンニク、ケッパー、

 ピクルスのみじん切りなどの薬味と卵黄を添えた「タルタル人」に由来した料理)


 本来挽肉とは硬かったり不味かったりて食べられない屑肉

(注:商品価値の低い食用の畜肉の事や骨格周辺やブロック状に切りそろえた際の切れ端、

 更には各種器官周辺部に位置するあまり見た目が良くない物等含む)を

 それでもなんとか食べられるようにする為に生み出された技法でありいわば貧乏食である。


 さらに嵩を増す為に何の肉が混じっているのか知れないので

(例:ハルパゴスさん「美味でした」)

 上流階級からは下賎な料理とされて忌避されてきたはずですが。

(注:都市伝説ミミズバーガーとか。)

 故にビーフ100%とかが売りになったりするのです。


 日本ですら文明開化以降、昭和期まで屑肉の処分法としてよく利用されていました。

もっとも高度成長期以降、安価な合い挽き肉で豪華な夕食を演出できたため

同年代以降の主婦が好んで夕食のメニューに取り入れ一般的に普及した事により、

ありふれた料理となりましたが。


 結論:ハンバーグは確かにおいしい

……だが、よって西洋文明圏に似た社会の人間がハンバーグを初見で喜ぶのはおかしいのだ。

中華でも挽肉ミンチを使用するが、

贅を尽くした料理は特権階級の専属料理人によって受け継がれてきたのでセーフである。

現在の中国では、火を加えない食品をとることは忌避される。




★カレー:ミックススパイス(インド)からカレーパウダー(英国)そして即席カレールウ(日本)への流転の歴史


 カリーにはじまりカレーを経てカレーライスに終わる。

日本式のカレーとはインドのカリー(香辛料料理の総称)とは別物。

(日本式のカレーは別記掲載)


 そもそもカレーまたはカリー(以下区別のためインド式をカリーと表記)とは、

多種類の香辛料を併用して食材を味付けするという

インド料理の特徴的な調理法を用いた料理一般に対し欧米人が名付けた呼称である。

(注:ドラヴィダ語族の野菜・肉・食事・おかずなどを意味する「カリ」が語源)


 そうインド人以外の外国人はインド料理の煮込み料理を「カレー」と認識しているが

「カレー」という料理ではない。

(故にカリーなる名称の単独の料理など存在しないのである)


「グレイビー(gravy)-調理された肉から出る肉汁-」を意味する

「カレー(curry)」という単語は欧州では、中世から使われている。


 しかし「カレー(curry)」という単語はインドでは使われず、

「 マサーラ(masala、मसाला)」が使われる。


カレーは通常明るい色の、固形の食べ物にかける香辛料のソースを示す傾向がある。

カレーはグレイビーと異なり、通常肉を含まない(肉にかけることはある)。


 所謂大航海時代、とあるイギリス人の船乗りが航海中故郷のシチューを恋しがっていました。

ですが、当時は牛乳が長持ちしないとの理由で諦めるしかなかったのです。



 それでもどうしても諦めきれないと言うことが発端で、とあるイギリス人の船乗りが


   『ただシチューを食べたかったからやった、後悔はしていない』


とばかりに牛乳の代わりに日持ちのする

(自国の植民地の料理である)カレーの香辛料スパイスを使って

シチューと同様の食材で作った料理を考案してしまった。


 これがイギリス的なカレーの由来のひとつとされるのです。

しかしイギリス人がインド人のように、

多種多様な香辛料を使いこなすことは至難の業だったのです。


 そこでイギリスでカレーにとっての最大の発明が生まれます。それが「カレーパウダー」です。


 それまでは毎回その場で調合しなければならなかった香辛料の配合を

事前にカレーパウダーとして保管するという画期的なアイディアが生まれたことで、

カレーは英国の家庭料理として一気に普及してしまいました。

(そもそも今でもインドではカレースパイスは各家庭で自製され、

それも香辛料の風味を損なわないよう調理前にその場で調合していますが。


 現在ではさすがに全て一からというわけにもいかず一部

(あくまでも簡易的な調味料としてですが)市販のスパイスミックスが販売され、

それをベースとして使用してるそうです)



 一方の日本でのカレーとは、

イギリス式を経て軍隊経由『金曜日のカレーの日の配食(辛味汁)』と、

海外航路の豪華客船のシェフが独立して洋食屋を開いた

『余った焼いたステーキなどをそのままカレー鍋に放り込んで煮込んだもの』とが

融合したものである。


 これも輸入したカレー粉(後に国産のカレールー)により一般家庭に普及していきました。



 そう日本のカレーは、カレーの本場であるインドからではなく、

イギリス式カレーを参考に作られたというのが定説なのです。


 イギリス式のカレーはシチューの一種で、

肉と野菜を煮込みカレー粉で風味付けをし(あくまで「具」が主役)、

副菜として付けあわせにライスが添えられます。

(西洋ではライスは野菜料理に含まれます。

なお、とろみがつくのはフランス式とも船で汁がこぼれないようにする為とも)


 そして米食文化の日本ではライスを主食にカレーソースをかける、

という食べ方で定着しましたが。


 つまり日本のカレーライスとは、

インドから直接入ってきたのではなくインドを植民地としていたイギリスを経て日本に伝わりました。



豆知識:

 日本で初めての本格的な「インドカレー」は

東京は「新宿中村屋」が喫茶部の「恋と革命の味:純インド式カリ・ライス」

:80銭 1927年(昭和2年)当時

悪魔合体 ハンバーグカレー


なおドリアは横浜ホテルニューグランドの初代総料理長のサリー・ワイル氏が1930年ごろにその原型を考案したもの

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