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現実:食-コーラの正体とはなんぞや? そもそもコーラとは何味なのか?

★コーラの正体?

 コーラの正体とはなんぞや? コーラの定義とは? そもそもコーラとは何味なのか?


▼コーラの正体とはなんぞや?

●コーラの薬効成分:古来、コーラの実からなるコーラは興奮剤だった

 実はコーラには、大量のカフェインが含有されており、

また砂糖も多く含まれるため、大量に摂取することで向精神作用も認められる。

故にコーラ等を飲むとシュワっとした刺激もあり、眠気が覚める事があります。

また、一部愛好家に至っては自嘲的に「コーラ中毒」と表現する者もある。


・コーラの実:

 約125種からなるアフリカの熱帯雨林に植生するアオイ科コラノキ属の植物の総称である。

約20メートルほどに育つ常緑樹で、種子は「コーラ・ナッツ」と呼ばれ、

このナッツは、クリの実ほどの大きさで白色から赤色。

この実を少しずつ噛み砕いて楽しむ嗜好品として用いられるが、

これはカフェインやテオブロミンなどが含まれており、興奮と活気を生じる為である。


 また飲料に含まれるカフェインは、かつてはコーラの実のエキスによるものであったが、

コスト的な問題もあり今日では茶葉より抽出された物が主に利用されている。

しかし、銘柄によってはいまだにコーラの実も使われている物もある。


 さてこのコーラの実だが、アフリカでは族長や客人向けに出されることがよくある。

なぜなら古くからアフリカ人は興奮剤として用いていたからだ。

(1 - 4%程度のカフェインを含み、噛むと強い渋みを感じるが一時的に空腹感を減らすことが出来た。

 なお、コーラ・ナッツを常用すると歯にステインが付き茶色になることもある。)

つまりコーラナッツは今の日本でいうところの栄養ドリンクのような役割を果たしていたのだ。

なので、かつては西アフリカの学生たちは試験勉強のときにコーラナッツを噛んで、

眠気を抑え集中力を高めていた。

もっともアフリカ西部では若い世代の近代化により

コーラ・ナッツが噛まれることは少なくなってきているのだが。


 元々サバンナ地帯の人びとは、かつては男女ともに好んで毎日コーラナッツを購入し、

噛みながら仕事に向かっていた。

ときには40度以上の猛暑となることもあるこの地域では、人びとが炎天下で仕事をするときに、

商用共通語であるハウサ語を使って

「水を飲み,コーラナッツを噛め(ka sha ruwa, ka ci goro)」

と声をかけ合っていたのだ。

 これはコーラナッツを噛むことで空腹が和らぐから、

食事がなくても水とコーラナッツさえあれば働けるという意味だ。


 だが消費地であるサバンナ地帯では日常的に消費されているのに対して、

生産地である森林地帯では日常的に消費されることはまずない。

そう、コーラナッツの特徴として、

・鮮度を維持したまま輸送される点と、

・消費地は内陸乾燥地域であるのに対して生産地は南部の森林地帯に限定される点、

この2点があげられます。


 さて、地中海沿岸諸国と西アフリカのあいだの交易は先史時代から存在したが、

一定の交易路が出来るのは、7世紀から8世紀に西アフリカがイスラム教に改宗してからである。

そう7~8世紀にマグリブ地方に広がったイスラーム教はサハラ砂漠の遊牧民にも勢力を拡大していったのだ。

そして最盛期は8世紀より16世紀後期の数世紀に亘る。

なぜなら西アフリカのサバンナ地帯やサヘル地域に住むイスラム教徒のあいだで

コーラナッツは需要が高い交易品であったからだ。


 コーラナッツとコーラの関係はコーヒー豆とコーヒーに似ている。

またこれらはイスラム圏で秘薬とされ、どちらもカフェインが入っている。

それらは嗜好品の多くが禁じられているイスラム文化において、

コーラナッツはコーヒーが普及するまで唯一許された興奮剤であった為であった。

(コーヒーは15世紀末に、ようやく宗教上酒を禁じられていたイスラム教徒に

 嗜好品として一般的に飲用されるようになった)


 そのため産地である熱帯雨林地帯ではほとんど消費されず、

古くから長ければ2,000キロメートル以上の道のりを経て、

世界最大の砂漠であるサハラ砂漠を縦断するサハラ交易や

サハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域サヘル地域において

もっぱら注目されて取引されていた。


 なぜそのような過酷な経路を通行する取引が可能だったかと言えば、

実は紀元前1000年から西アフリカでは北アフリカとのあいだでは

既にコーラナッツや塩などの歴史的な交易、トランス・サハラ交易が発展していたからです。

(なお、この地域でのラクダの家畜化に関する最初期の証拠は3世紀のもの)


 コーラナッツは現在でも内陸乾燥地域で日常的に消費されており、

森林地帯から内陸乾燥地域に向けて大量に輸送されています。

これはコーラの実はイスラム圏の人にとって貴重なお酒がわりだったからだが、

コーラナッツは興奮剤としてアメリカにわたることになる。


 コカ・コーラもペプシコーラも元々は薬で

コカ・コーラのコカはコカイン(コカもコーラも興奮剤)

最初は風邪薬(精力増強や頭痛の緩和)とかそういう薬だった。

ペプシもペプシンという胃薬からスタートしてます。


 コカ・コーラという名称も

「コカ」はコカの葉、

「コーラ」はコーラナッツからとっている。



・コカの葉:

 さて、南米の最古の栽培植物のひとつで葉から成分のコカインが抽出できるコカの葉なのだが、

かつて古代インカの戦士達はコカの葉を噛むことで疲れ知らずで痛みに強くなることができ

(伝統的に嗜好品として嗜まれてきた)、

現代でも一部の国(主に南米)では主に高山病対策として葉を茶として飲用するなど、

一種の嗜好品や薬用として伝統的に利用されている。

(コカの葉自体はコカイン濃度が薄いため、依存性や精神作用は抽出されたコカインに比較して弱い。)

またコカの葉は、19世紀の末頃のアメリカ合衆国での現代的な脳外科手術の基礎よりもおよそ400年ほど早い、

インカ帝国における脳外科手術に麻酔にも使われた。


 この他古代南米のインカでは、コカの葉は「神の恵み」と称され、

飢えや渇きに苦しむことなく困難な環境・苛酷な労働に耐えられるように、

神が授けてくれた薬用植物であると尊ばれてきた歴史があります。

ある種の戦略物資である。


 しかしそんな神の恵みも白人により略奪され

1860年に、ドイツのアルベルト・ニューマンにより単離されコカインと命名されると、

19世紀末には欧州では、このコカイン(コカの葉)入りのワイン(マリアーニワイン)が爆発的に売れ、

20世紀に入ると米国でコカ・コーラも誕生しました。


 コカの葉茶は南米では現在も日常的に飲まれているお茶ですが、

当時このコカの葉の抽出液をボルドー・ワインに入れたコカワイン

トニック飲料「ヴァン・マリアーニ」という薬用飲料がありました。

ペンバートンは、この「ヴァン・マリアーニ」に更にコーラの実のカフェインを加え

「Pemberton’s French Wine Coca」として売り出しました。


 一部の銘柄を除くと日本では馴染みでは無い薬草ハーブ系のリキュールは、

ヨーロッパ各地で愛飲され続けてきたのです。

もっとも19世紀の終わりに薬物乱用への懸念のためコカを用いた飲み物は人気を失ったのですが。


 これが契機となってアメリカ合衆国でコカインが禁止されると、

コカワインからコカアルカロイドを除いたのだが、コカの葉は残したままでした。

しかしその数年後、アメリカ合衆国ではもう1つの主原料であるアルコールが禁止され、

せっかく改良したこの飲料自体も非合法となった。

こうして1886年、ジョージア州が禁酒法を導入すると、

ペンバートンはレシピのワインを更にシロップに置き換えざるを得なかったのです。

なお新しいレシピは、全く同じではないもののコカコーラとよく似たものであったそうだ。


 なお現代ではコカインは闇ルートで流通していますが、

コカのほとんどは南米コロンビア、ペルー、ボリビアの3国で栽培されており、

その大半をコロンビアの薬物犯罪組織が支配しているといわれ、

その多くがコロンビアにある密造工場に運ばれてコカインが作られ密輸されます。

(コカインは無色の結晶、または白色の結晶粉末で無臭・苦味がある。

 乾燥したコカの葉の中には、0.6~1.8%のコカインが含まれるため、

 通常1㎏の塩酸コカインを作るには250~500㎏のコカ葉が必要であるとされている。)


 びっくりするほどコロンビア! さすがはコロンビア!! さすコロ!!!


 なぜなら南米大陸の「発見者」としてコロンブスではなく、

アメリゴ・ヴェスプッチの名前が記されてしまい、

この結果、ヨーロッパでは「新大陸」全域を指す言葉として

「コロンビア」ではなく「アメリカ」が使われるようになったのだが、

アメリカが「アメリゴの土地」を意味するように、

コロンビアとは大虐殺・略奪・強姦・放火・拷問の大家「コロンブスの土地」を意味するのだから。


 なおタバコの植物も南米のアンデス山脈地方が原産地であり、

7世紀ごろのマヤ文明の遺跡からはたばこを嗜むレリーフが発見されており、

伝搬してアメリカ大陸全体で用いられるようになったが、

15世紀のコロンブスによる自称アメリカ大陸発見より以降、

これもまたヨーロッパへも伝搬し、そこから17世紀までにはアジア・アフリカへと伝搬している。



・カカオ豆:&コーラナッツ

 そしてカカオもまた戦略物資であった。

学名の Theobroma はギリシャ語で「神 (theos)の食べ物 (broma)」を意味する。


 原産地であるメソアメリカでは紀元前1900年頃から利用されていたカカオには

滋養強壮・疲労回復、興奮剤(精神高揚)などの薬効が知られ、

カカオに薬草を混ぜて様々な病気の治療に用いられ貨幣として使われるほど価値があった。

摂取できたのは王族、貴族、上流階級、貿易商人などの特権階級で、

カカオは普段に飲むものではなく宴会や食事の後に供されたようです。

戦士はカカオが戦闘意欲を高揚させるという理由で飲むことができました。


 さてコロンブス交換により世界各地で栽培される事となるカカオだが、

その栽培は単一におこなわれているわけではなく、

西アフリカ特産のコーラナッツという樹木作物が重要な役割を果たしている。

19世紀末、それまで西アフリカ域内で流通していたコーラナッツは、

ヨーロッパや北アメリカに海上輸送されるようになった。

西アフリカの人びとが畑仕事や戦争の際にコーラナッツを噛んで空腹を抑えていたことに、

ヨーロッパの科学者が注目したからだといわれている。


 1885年には患者への投与実験によってリウマチや呼吸困難・頭痛に効果があることが確かめられ、

同じように医療効果があるとされるカカオと混ぜることで

消耗性疾患の補助療法としても有効であるとされ、

この頃からコーラナッツはカカオと対をなす存在になっていった。


 ゴールドコースト(現在のガーナ)産のコーラナッツは、

カカオよりも少し早く1867年にはじめてイギリスへ海上輸送された。

科学的な関心の高まりとは別に、コカ・コーラの原料などとしての需要もあり、

輸出量を伸ばしたがしかし、1921年をピークに海上輸送量は減少した。

なぜなら、このときからコカ・コーラなどの製造では、

コーラナッツの成分の代わりとなる人工の防腐剤が使われるようになったからである。


 こうしてヨーロッパや北アメリカにおけるコーラナッツの市場拡大は失敗に終わったのだが、

コーラナッツに取ってかわるようにしてカカオの海上輸送量が増加していった。

それまではヨーロッパの貴族階級の人びとしか口にすることのできなかった飲み物の

「チョコレート」が、産業革命後の19世紀にひろく労働階級にも普及したからである。

ゴールドコーストのカカオ産業は20世紀に入って生産量を急速にのばし1965年にピークを迎えた。

その後、一時的に減少傾向を示したものの、

現在にいたるまでガーナの基幹産業として生産量を維持している。


 交易の歴史にみられる関係だけでなく、

生産の現場でもコーラナッツとカカオは密接に関わっている。

カカオノキ(Theobroma cacao)はコラノキと同じアオイ科で、

このふたつの樹木はなにかと相性がいい。

カカオの木は陰樹であり、大きくなるまではほかの木の陰で生育させる必要がある。

つまり、単一の作物を広大な面積で一挙に栽培することが困難であるが、

コラノキはカカオノキの幼樹を日光から守るのに最適であるとされ、

ゴールドコーストの人びとは野生のコラノキの根元にカカオノキの苗木を植えた。

コーラナッツの生産に使われた農具はそのままカカオ生産に転用可能であったし、

コーラナッツ交易で蓄えた資金がカカオ生産を発展させたのだ。


 ガーナにおいては、労働者が未開発の土地を開発する契約を地主と結び、

バナナやキャッサバなどの主食用の作物を育てながらその陰でカカオの木を育て、

カカオが生長し十分に利益が出るようになると開発地を折半して半分を地主のものに、

もう半分を労働者のものにする契約がかつて盛んに行われ、カカオ生産成長の原動力となった。


 このように、私たちにも馴染み深いチョコレートの原料であるカカオの生産は、

私たちにはあまり馴染みのないコーラナッツの交易と寄り添うように発展してきた。

カカオ畑にはコーラナッツが植えられており、

サバンナ地帯から森林地帯にやって来た移民労働者たちが、

カカオ生産に従事するかたわらでコーラナッツの生産や流通にも関わっていたのだ。




▼コーラの定義とは?

 さて、一部の辞書には「コーラナッツ抽出物を使用した炭酸飲料」と定義されていますが、

コーラには定義がありません。


 コーラナッツの成分コラニンの酸化物が呈する独特の黒色も

現在ではカラメル色素が使用されるようになり、

逆にミラクルアルファやTAB Clear, PEPSI Blueのような黒以外のコーラも登場しました。

コカ・コーラからもクリアと称して透明なコーラを販売していますし、

また一部の駄菓子コーラには炭酸すら入っていません。


 例えばドイツには「ビール法」というものがあり、

これはビールの原料や製法を細かく規定し、

それに当てはまらないものはビールとして認めないと言う

国が定めた「ビールの定義」があるのですが、コーラの定義はいぜん曖昧なままである。




▼そもそもコーラとは何味なのか?

 炭酸飲料として著名なコーラ(Cola) という名称は、

当初、南米産の植物コーラの実 (kola nutsコーラ・ナッツ) から抽出した

ほろ苦い味のコーラ・エキスを用いていたことに由来しているが、

これにコカ・コーラの名付け親フランク・ロビンソンが

「コカ」・「コーラ」つまり「Coca」と「kola」から

「Coca」と韻を踏ませたくて『K』を『C』に変えたことから「Cola」という言葉は誕生しました。

 コカ・コーラ(Coca-Cola)


 しかしコカ・コーラの成功により次々と「Cola」と名乗る製品が現れ、

コカ・コーラは「Cola」を自らのものにする機会を失いました。

こうしてコカ・コーラの世界進出に伴い、「Cola」という言葉は世界中に広がります。


 ただし、現在ではコーラの実のエキスは含まれていないのが一般的であり、

香味料の主成分は砂糖やシトラスオイル(オレンジ、ライム、レモン等の皮から)、

シナモン、バニラ、その他酸性のものとなっている。

つまり「コカ・コーラ」とは、

糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、炭酸、カラメル色素、酸味料、香料

およびカフェインからできているのだ。

(基本的にコーラの味はバニラとシナモンの味なのだが。)

中でも香料が重要で、この部分が各社のコーラの違いです。


 特にコカ・コーラ社ではこの香料を「7x」と呼び、トップ・シークレットとして扱っていますが、

7xは以下の7種をアルコールで抽出したものだと言われています。

レモン・オレンジ・ナツメグ・シナモン・ネロリ・コリアンダー

そして脱コカイン処理されたコカの葉……

コカ・コーラ社のコーラは、

この香料7xと柑橘系・スパイス系のフレーバー7・ 8種類程度の配合によるものと言われて、

このコカ・コーラ社のコーラレシピは「フォーミュラ」と呼ばれています。

また、ザ コカ・コーラ カンパニーのコカ・コーラ調味法が秘密になっていることは有名であるが、

多くのコーラも厳重な保護のもと、その製造社独自の調味法を用いている。


 複数あるコーラ飲料製造社では、各社共基本的にはバニラとシナモンを使用し、

あとはオレンジ、ライム、レモンなどの皮から作られたシトラスオイル、

それから会社によってナツメグやラベンダーなどが入っています。

これらの香味料以外にその会社独自の香味料を加えることで独自の製品として開発しているのだ。

そうした香味料の中にはナツメグやラベンダー、その他幅広い成分が含まれることがあるが、

ほとんどの人がコーラ特有の風味だと認識するのは依然としてバニラやシナモンなのである。


 なので安価なコーラ飲料の中には、

このようなバニラやシナモンといった香味料のみで製造されているものもある。

但し酸味の多くはリン酸由来のものであり、商品によってはクエン酸やその他の酸を含む。

また、香料の他の成分として高濃度果糖のコーンシロップを始めとした、

様々な甘味料も当然コーラには加えられており、

商品や市場によっては、砂糖やステビア、人工甘味料なども含まれているが、

ただし無糖やダイエットと謳われたコーラには人工甘味料のみが使用されている。

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