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現実:食 ムースじゃないよ『エスプーマ』

▼エスプーマ(スペイン語: ESPUMA):

 エスプーマは液状食品を泡状にする最新の料理法です。

そもそも「エスプーマ"espuma"」はスペイン語で「泡」という意味で、

液状の食材に亜酸化窒素を使いあらゆる食材をムース状にすることができる

画期的な調理法として注目を浴びています。


これは専用の器具に材料を入れ亜酸化窒素ガスのボンベでガスを封入し器具全体を振り、

ノズルを操作すると食材が泡状になって出てくるのです。



 しかし日本では亜酸化窒素(笑気ガス)は陶酔感を得るために乱用する者が後を絶たないことから、

2016年2月18日に医薬品医療機器法に基づき「亜酸化窒素」は指定薬物に指定されました。

亜酸化窒素は、医療用の麻酔などのほか、ホイップクリームを泡立てるための添加物としても使われていて、

吸引すると一時的な高揚感が得られるとして、若者の間で乱用が広がっていますが、

重大な健康被害を引き起こすおそれがあるため、警察が取締りを強化しています。


それ故、日本では亜酸化窒素ではなく二酸化炭素で代用するのが一般的で

(亜酸化窒素が日本において食品添加物として認められたのは2006年4月であり、

 代用として使われていた二酸化炭素を使った器具が広まっているため)

このため日本の「エスプーマ」は二酸化炭素特有の酸味があり、使用が限定されていました。


 だが近年になって亜酸化窒素を用いた器具も認可され発売されているため、

亜酸化窒素を使うことによって食材の味や香りを損なうことなく空気のように軽い、

今までなかった食感の「エスプーマ」を作ることができるようになったのです。


 こうして日本においては、

「エル・ブジ」で働いていた日本人シェフ山田チカラが、

様々なエスプーマ料理を考案し、各メディアに紹介し広く認知されるようになったのでした。




▼「エスプーマ」は「エル・ブリ」から生まれた:

 「エスプーマ」とは、

かつてスペインのカタルーニャ州コスタ・ブラバのロザスにあった

毎シーズン メニューを一新するので同じ料理は二度と提供されない

世界一予約が取れないスペインが誇る世界最高峰の三つ星レストランとして有名であった「エル・ブリ」。

この「エル・ブジ」の料理長シェフフェラン・アドリア氏によって開発された料理、

またはその調理法、調理器具のことを言います。


 「エル・ブジ」は斬新な発想による前衛的で独創的な調理法と料理で知られ、

その「エル・ブリ」が生み出し世界の料理界に広く浸透したのが

亜酸化窒素ガスを使った調理法「エスプーマ(ESPUMA)」料理です。

フェラン・アドリア氏が、オーストリア製のソーダサイフォンを使い、

食品に亜酸化窒素ガス(N2O)を添加することで

「空気のように軽い泡」の料理を作ったことが話題となりました。


 この画期的な発想は、すぐにスペイン各地に、そしてヨーロッパ、アメリカ、日本にも伝わり、

そのレシピが世界中を駆け巡りました。



▼でも、なぜ膨らむのか? :

 ボトルの中に高圧で注入した亜酸化窒素ガス(N2O)と食材が溶解し、

レバーを引くことにより食材が大気中に放出されます。

この時ガスが膨張しますが、食材内の凝固成分も一緒に膨張するため膨らむのです。

生クリームはもちろん、イチゴも海水もフォアグラも、”空気のように軽い泡"にしてしまうのです。


 しかし、ただ食材をペースト状にして亜酸化窒素ガス(N2O)を添加すれば

泡になるわけではありません。

食材とガスのつなぎとなる素材=凝固剤が必要です。

そのつなぎとなる素材とは、ゼラチン、卵白、ジャガイモが基本となりますが、

くずやにがりなども凝固剤の代わりになるので、いろいろ試してみると新たな発見があると思います。

また、このつなぎとなる素材の量や種類でエスプーマの質感も変わるので、注意が必要です。


 そして、ボトルに入れる液体は、よく濾してペースト状にしないと、

ボトル内でダマになり、うまく泡を形成することができません。

また、使用前によく振ることが、上手にエスプーマを仕上げるコツなので、

ガスを添加したら、よく振ってセットアップしてください。


 エスプーマは、温かいものも、冷たい仕上がりのものもできるので便利です。

基本的に、温かいものを作りたいときは、ジャガイモ、卵白を、

冷たいものを作りたいときには、ゼラチンをつなぎ=凝固剤として使うと考えた方がよいでしょう。

 ただ、70℃以上になると、ボトル内の素材が凝固してしまうので、

湯せんの温度に注意してください。

また、ゼラチンは冷やしすぎると固まってしまうので気をつけてください。



 こうして「エル・ブリ」による新しい調理法の創造により、

ソーダサイフォンを使った料理の発想は豊かになり、

生クリームを手軽に一瞬でホイップできたり、

ゼラチン、卵白、アガルアガル(西洋寒天)、豆腐類、レシチン等、

つなぎとなる様々な食材が凝固剤として使われるようになり、

更に新たなメニューが創造されるようになりました。


スプレーホイップなら市販されているので手軽に入手できます。




▼ムースとエスプーマの違いは?

・ムースとは

 フランス語で泡という意味

 ラテン語のmulsa(蜂蜜水)が語源とも言われているそうです。(※諸説あります。)

 意味を調べると

 [1.泡。また、泡状のもの。]、

 [2.泡立たせた生クリームや卵白を用い、口当たりがふんわりして滑らかなように作った菓子や料理。]

 と表記されています。

 卵白や生クリームを泡立てた中にペースト状の果物やなどを加え卵黄やゼラチンをつなぎにして冷やす。


・エスプーマとは

 スペイン語で泡という意味

 食材をペースト状または液体にして専用機械を使用し、亜酸化窒素を混ぜて泡状にする。


 大きな違いはエスプーマは専用機械を使用する、ムースは泡立て器で作れる。

ということですね。

そしてエスプーマもつなぎでゼラチンを使用した方が上手に作れるそうなので

材料は然程変わりはないです。


 フランス料理などでスイーツ以外でも「ムース」という言葉を目にするので

エスプーマとムースの違いは何なのだろうか? と思いましたが、

ムースは基本的にスイーツなのだと思われます。


 エスプーマは食材に絡ませるように食べる滑らかな泡、

ムースは軽くふんわりした泡状の個体という風に区別できます。

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