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現実:食 欧米 生クッキー(クッキードウ)

▼生クッキー(クッキードウ【cookie dough】)

みなさんは“クッキー”といえばどんなものを想像しますでしょうか?

サクサクのクッキー、しっとりクッキーなど種類はいろいろありますが、

今アメリカでは「生クッキー(クッキードウ)」という、新しいジャンルのスイーツが大人気です。

*クッキードウ(cookie dough)とは焼く前のクッキー生地のことです。


これはアメリカのクッキーに関する衝撃の事実です。

なんとアメリカ人はクッキー生地を生のままパクパクと食べるのです!

有り得ない! アメリカ人の驚異の胃袋(クッキー編)!


この生クッキー(クッキードウ)とは、

「しっとりとしたクッキーにガナッシュやマジパンを組み合わせた、セミドライケーキのようなものです。

 一般的なハードなクッキーとは違って、ホロホロっとやさしくほどける、

 しっとりやわらかな食感に仕上げていることから、生クッキーと名づけています」

と教えてくれたのは、デメル・ジャパンで菓子作りを手がける職人さん。


実は躾のなっていない欧米人は焼く前のクッキー生地を食べるのが大好きなのです。

小麦粉・バター・卵・砂糖などを混ぜたあの生地をオーブンに入れる前に、

アメリカ人は美味しいといって我慢できずに食べてしまうんです。

子どものころにお母さんが手作りクッキーを焼いてくれた時に、

好奇心でボールの中の生地をつまみ食いしちゃった思い出とか、

そういうのが関係しているのかもしれませんね。



日本では焼く前の生地を生のまま食べるとお腹を壊してしまう というイメージがありますが、

(生の小麦粉を食べてお腹を壊すのは、

 加熱してない小麦澱粉がまったく消化されないまま腸に達し、腸を刺激して腹痛の原因になるからです。)

そういえば前世紀では生魚や生肉などの刺し身は野蛮だとか言っていた連中がいましたが……


ですがアメリカやカナダ、イギリスなど欧米諸国では、

クッキードウと英語で呼ばれるクッキー生地を生のまま食べることが珍しくないのです。

欧米のドラマなどを見ても、

彼らにとってクッキー・ドウは「コンフォート・フード」と呼ばれる癒し系の食べモノとして

よく登場人物がフラれて女友達が彼女の家に集まり思いっきりグチりながら、

やけ食いに「アイスクリーム」と「クッキードウ」など甘いモノを食べまくる……

というシーンがあります。

しかもお皿に盛らず、容器からそのまま食べるのがお約束です。



▼ノーベイククッキードウ

まさかのクッキードウ専門店も!  もちろん、専門店の製品は生で食べても安全です!

なぜなら生で食べることを前提に作っていますので安心です。


クッキードウ専門店:クッキータイムの「ノーベイク クッキードウ」は生卵を使わず、

小麦粉は全て加熱処理された、そのまま食べても安全な小麦粉を使っているので、

食品衛生上の問題はありません。

また、食の安全という面では世界最高峰と言われているニュージーランドから冷凍で輸入、

フレッシュなドウが提供されています。


元々デザイナーとして忙しく働いていた創業者のクリステンさんは料理好きが高じ、

次第に周りの人々へも手作りスイーツをプレゼントするようになったのだとか。


中でも彼女のお気に入りが焼く前のクッキードウで、これをビジネスにすべく研究し、

殺菌処理をした卵と熱処理をした小麦粉を使用するなど、

衛生面の徹底管理からヴィーガン向けメニューなども開発し、

オンラインで売り始めたところ、またたく間に口コミで広がっていったそう。


そして、満を期してニューヨークにお店をオープンするや連日行列ができるほどの人気ぶりなのだとか。


欧米のスーパーでは何種類も置いてある、あとは焼くだけ状態のクッキー生地「クッキードウ」

またアメリカのスーパーでは

クッキー・ドウは冷蔵/冷凍コーナーで売られているとても一般的なアイテムです。

パッケージはさまざまで、アイスクリームのような容器に入っているものや、

すでに小分けにしてあって、あとは鉄板に並べて焼くだけでアツアツのクッキーが食べられる

「クッキー生地」が販売されていますが、

アメリカではこれを自己責任で生のまま食べることを好む人も多く、

アイスクリームのフレーバーとしても人気がある為、

現地のハーゲンダッツや31アイスクリーム、Ben&Jerry’sでは

「クッキー生地(Cookie Dough)」のフレーバーが販売され大変人気です。

味はもちろん、生の小麦粉とバターと砂糖と、その他もろもろが混ざった味。



▼生で食べても大丈夫か?

「大丈夫だ、問題ない」(死亡フラグ

 だが猛烈な腹痛の後

「神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと・・・」

 という謎のナレーションが入り、時間が巻き戻される。

 再び

「生で食べても大丈夫か?」と問いかけと、

「ちゃんと焼けてるのを頼む」と返すのだった―――。


生のままクッキー生地を食べることは卵によるサルモネラ菌の感染の恐れがあるため、

一般的にも「イケナイ味」として知られていましたが、

アメリカ食品医薬品局(FDA)が卵だけでなく小麦粉による危険もあるとして、

生のままクッキー生地を食べないよう警告しています。

(卵かけご飯をバカにした報い?)


FDAは生のままクッキー・ケーキ・パン・ピザ・トルティーヤなどの

小麦粉を含む生地を食べたり触ったりすると、

志賀毒素産生性大腸菌 O121に感染する恐れがあることを発表しました。


アメリカでは自家製の「小麦粉粘土」を子どもに与えるという習慣もあるようですが、

子どもが生地を触った手を通じて大腸菌に感染する可能性があるため、

親や幼稚園などに対して小麦粉粘土を子どもに与えないよう警告しています。


事の発端となったのは大手食品会社・General Millsが

「Gold Medal」「Signature Kitchen’s」「Gold Medal Wondra」という

自社ブランド小麦粉のリコールを行ったこと。

これらの製品には無漂白小麦粉・中力粉・ベーキングパウダー入りの小麦粉などが含まれます。


小麦粉は自宅で長期間にわたって保管されることがあるため、

FDAは一度自宅を調べて該当の小麦粉を発見したら廃棄するよう呼びかけています。

これらの小麦粉はレストランでも使用されているため、

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はレストランに向けて、

子どもに小麦粉粘土を渡さないよう呼びかけています。


FDAによると小麦粉の原料となる小麦は

動物の排泄物などがしみこんだ地表から細菌に汚染されている可能性があるそうですが、

小麦粉は生で食べることを想定しておらず、一般的に殺菌処理が行われていません。


そのため小麦粉のメーカーやブランドにかかわらず、

生のクッキー生地などには大腸菌などの細菌が残存している可能性があります。


煮る・焼く・揚げる・電子レンジで加熱するなどしてしっかり調理すれば、

これらの危険は予防できます。

どうしてもクッキー生地を生で食べたい場合は、

「クッキー生地味のアイスクリーム」

のような生で食べることを想定して作られた市販品を食べるのはOKだそうです。


もし志賀毒素産生性大腸菌 O121に感染すると、

血便を含む下痢、腹部のけいれんなどの症状が約1週間続きます。

場合によっては長期化することもあり、

長引けば最終的に溶血性尿毒症症候群(HUS)へと劇症化する可能性もあります。

HUSはどの年齢でも起こりますが、

特に5歳未満の幼児・高齢者など、免疫が弱い人は発症しやすい傾向にあるとのことです。

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