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現実:調理器具 ストームクッカー・ロケットストーブ・ホボウストーブ

七輪や火鉢ではダメなのか?



▼ストームクッカー:アルコールバーナーの調理器具セット

 ストームクッカーは、調理器具セットの軽量化を目指す方にはおすすめです。

風防とゴトクで熱が逃げないような構造で火力が安定しているのが特徴で、

鍋やフライパンがコンパクトに収まるので荷物を軽くしたい人に最適!


 アルコールバーナーを固定するベースと、

その熱を逃さない風防と五徳、バーナー、2つのポット、

フタを兼ねるフライパン、ハンドルで構成されていて、

とても軽量かつコンパクトに収納することができます。


 すべてのパーツを重ねてコンパクトに収納可能で

フライパンを蓋代わりにしたりと色々な使い方ができるので、

1つあれば登山やキャンプで楽しめます。


 ストームクッカーはアルコールバーナーを使い、

その火力を最大に引き出すように設計され

さらにアルコールバーナーの風に弱いという欠点を克服し野外で手軽に調理ができ

ガスバーナーや液燃ストーブに比べ音も小さく静かで流石に良く考えられ作られた製品であり

アルコール燃料で着火しやすく消火も簡単なのが特徴です。

ただ、高火力は見込めないのでじっくりとお湯を沸かす時に使うのが最適。


 風の影響を受けにくい構造だが、

スタンドのベースに開けた空気孔から取り込んだ空気は、

熱により上昇し風の流れを確保しバーナーに酸素を供給することで

十分な火力を保つ風の循環を助ける構造。


 更にふたとしても使用できるフライパンの組み合わせで

ふたとして使用すれば、少しのエネルギーで調理でき燃料の節約にもつながる。


 さて、ストームクッカーの使い方はいたって簡単。

ベースに風防をセットし、燃料を入れたアルコール―バーナーを置き

あとはライター、マッチでアルコールに着火します。


 火を消すときは消火フタを被せればOKです。

ただ使用中は本体、バーナーも熱くなっているので手袋を使いましょう。


 なおベースにある穴を風上に向ける事で、燃焼効率を高めることができますが 

風下に向けていると本体を溶かすことがあるので注意が必要。

また消火フタにあるリングを使えば火力の調節も可能です。



 またストームクッカーの燃料にはアルコールを使用するのが基本ですが

本来のアルコール燃料で火力に若干の懸念があるため、

ガスに置換できる装置の販売もあります!

そう、ガス燃料も使えるという裏技が!


 そのアイテムは、正規に発売されているものではありませんが、

スムースクッカーに繋いで、ガス燃料を使用することができます。


 ガス燃料は、点火や調整が簡単で、かつ火力もアルコール燃料よりは強力。

難点だった火力の面も心配いりませんし、さらに火力の調整までできちゃう優れものに変身します。


 ただはっきり言ってこの燃焼性に優れた商品を一杯のコーヒーを楽しむためだけに

湯沸しに使用するのは、火起こしする度に一々火炎放射器を使うほど過剰だと言えます。



▼ロケットストーブ:

ロケットストーブ(英: Rocket Stove)、

ロケットマスストーブ(英: Rocket Mass Stove)、

ロケットヒーター(英: Rocket Mass Heater)は、

暖房目的として使われるエコストーブ。


 断熱された排気管(ヒートライザー)燃焼管(バーントンネル)を持ち、

薪をくべて使用する燃焼機器のことである。


 典型的なロケットストーブは、

「J」字型に配置された燃焼管に断熱材を周囲に詰め込んだ簡易な構成で実現でき

設計図や応用例が広く公開されており、製作は比較的簡単である。


 このため、DIY技術を習熟していない人でも製作できるが、

海外では市販のロケットストーブも存在する。

また薪火の経験が少なくても比較的簡単に使用できることも特徴の一つである。


 焚き口に入れられた薪や枯れ枝などが燃え、

蓄熱された断熱効果のある燃焼室が非常に高温な状態となり、

それにより噴出した燃焼ガスが燃焼筒(ヒートライザー)に 送り込まれます。

同時にヒートライザー内で強烈な上昇気流が発生し、焚き口から空気を引き込みます。


 その空気が断熱されたヒートライザー内でも非常に高温となり、

燃焼ガスと化学変化を起こし、再燃焼します。


 この燃焼室とヒートライザーでの2つの燃焼を発生させる構造がロケットストーブであり、

非常に高い燃焼効率とクリーンな排気を生み出します。


 イアント・エバンスらの主張によれば、

あくまで発展途上国で使用することを前提とした適正技術として、

1980年代、アメリカ合衆国の応用生態学の学者でイアント・エバンスらが、

ロケットストーブを最初に開発した。(けして異世界転移・転生に備えたものではない)

長年、途上国の農村で悩まされてきた室内での

薪ストーブによる煙や粉塵の発生を解決できたとしている。



 - ロケットストーブの燃焼過程・薪の燃焼について温度と燃焼反応の箇条書き -


・ロケットストーブは、その中央に上下方向に沿ったヒートライザー(熱上昇路)がある。

・ヒートライザー下部、水平方向にバーントンネル(燃焼路)があり、

 バーントンネルの入り口が焚口になっている。


・バーントンネルにくべられた薪が燃焼すると

 100度で、薪に含まれる水分が蒸発し、

 200度程度で、薪の成分が分解され木ガスが発生、

 260度以上で、木ガスの一部と酸素が反応する(一次燃焼)。

 600度程度で発生した一次燃焼では燃えない木ガス成分と酸素が

 ヒートライザー内で反応を起こす(二次燃焼)。

・煙突効果が生じ、ヒートライザー内部に強い上昇気流が発生する。

・上昇気流によりバーントンネルに負圧が生じ、外気がバーントンネルに引き込まれる。


 上述の通り、ロケットストーブの燃焼効率の高さは、

燃焼路への空気の吸い込みを増やす点にある。


 すなわち、ロケットストーブとは「燃焼容器に断熱煙突を組み込んだ燃焼機器」であり、

煙突を断熱材で囲うことにより煙突の内外の圧力差を大きくして燃焼効率を高めたものであるが、

この燃焼方式は、伝統的なペチカやメイソンリーストーブと同等のものである。



 - ロケットストーブの長所と短所 -


 燃焼効率が良く、薪ストーブでは比較的向かないとされる針葉樹や竹も十分使用できるが、

焚口が比較的小さいく太い薪は使えないので薪割りの手間が余分にかかるし

細いものしか使用できないために燃焼時は頻繁に薪を追加する必要がある。


 微妙な火力調整が難しいが、調理用途につかう場合には一気に火力が必要な煮炊きに向く

(ただし弱火やトロ火は不可能)。


 タールや煤・煙の排出は少ないのだが、ただし全く出ないというわけではないため、

やはり室内で使用する場合は換気が必要となる。


 バーントンネルやヒートライザーにステンレス管などの鋼管を用いると

高温のため腐食が進みやすい。


 実は燃焼効率が良いとされるが、抽象的な話に終始し裏付けとなるデータが一切ないとも

既成品が無いので普通の薪ストーブならクリアしている環境基準に合致せず大気汚染をもたらすとも、

あるいは熱効率のために横引きを長くした煙突を用いると横引きの部分にすすやタールが付着し、

煙道火災を起こす可能性があるのに構造が複雑なため内部の掃除ができないとか色々な説が。



 なお通常、ストーブは煙突が高いほど空気の吸い込みが増える。

またストーブの経験則として「新しく作った煙突は吸い込みが悪い」というものがあるが、

これは新しい煙突の場合、燃焼ガスが煙突内壁に触れて冷えてしまい圧力差が低下するためで、

古い煙突は内壁がススで覆われてこれが保温効果を増すため吸い込みがよくなるからだ。




◯ロケットストーブのちょっとした応用


 ・暖房ベンチ

ロケットストーブの大型化して暖房目的にした「ロケットヒーター」

また応用例として「暖房ベンチ」がある。


 「暖房ベンチ」は一種の床暖房で、ドラム缶などを使ってロケットストーブを大型化し、

排気路を水平に配置してその上を土で塗り固め、ここをベンチにしたもものである。

また土に砕石を混ぜると蓄熱効果が増す。


 欧米や途上国では、このロケットストーブを利用した暖房ベンチを

粘土、砂、藁を混ぜて作るシンプルな建築材料で建てるコブハウスに

組み込んだ例が多数報告されている。



 ・加熱調理器

レンガ22個を組み合わせて製作した簡易なロケットストーブで、

0.8kgの薪で米5合を20分で炊いたという報告がある




▼ホボウストーブ:

 ホボウストーブ (英: Hobo stove 独: Hobokocher)

あるいはホボウクッカーは

ホーボー、放浪者、ホームレス、

およびバックパッカーに使用される簡単な造りの焜炉で、

大型の缶の蓋を取り除き、側面に幾つかの空気穴を開けただけの簡素な薪ストーブである。


  元々は空き缶で製作された木を燃料とする即席の調理ストーブであり、

これがホーボー(時には貨物列車に無賃乗車をして北米を渡り歩く労働者)が

暖を取ったり料理するのに使われたためその名が命名され、

とりわけ大恐慌の時代には盛んに使用された。


 ホボウストーブは大抵、様々な大きさの空き缶の蓋を取り除き、

上側と下側に幾つか穴を開けることによって製作される。

これが燃焼室となり、炉となり、五徳ともなるのだ。


 この単純な構造のホボウストーブの場合、燃料は缶の底に置き

缶の底の少し上に空気の流れを良くし灰を落とすための火格子

(あるいは金属板に穴を開けて製作した火格子として機能するもの)

を有する場合はその上に燃料を込める。


 すると、熱と煙は上部に空けられた穴から放出され、

対流により底の近くに空けられた開口部から空気が取り入れられるのだ。


 ただし通常、ホボウストーブは開いた蓋の部分に鍋を置いて加熱するのだが

中には缶を逆さにして底の部分をフライパンのように用いて調理する

変わり種のバリエーションも存在する。



 ホボウストーブの利点として多種の燃料を使用できる点が挙げられる。

一般的なのは地面に落ちている乾いた小枝、薪、松かさ、固形燃料、可燃性のゴミである。

生木や朽ち木も使用できる。砂漠や高山以外なら燃料はほとんどどこでも調達可能である。


 ホボウストーブの別の利点は製作の容易さである。

ホボウストーブ自体はさまざまな材料から組み立てることができ、

ペンキや食品の缶、バケツ、ドラム缶が良く用いられる。



 歴史的にはアメリカのホーボーと呼ばれる出稼ぎ労働者が用いていたためにこの名が付いているが、

バックパッカーにも広く用いられた。

缶のみならず、筒状の金属であればどのような材料でも製作できるが、

日本では一斗缶やペール缶を用いて製作される事が多い。


 熱効率を考慮し、調理も可能なように工夫されたホボウストーブは

缶の縁にも空気穴を形成する様に切り欠きを設け、

燃料の薪の下に空洞が形成されるよう金網などを張って、

より効率よく薪の熱を利用できるようになっている。


 現代では同じ原理で機能する工業製品として生産された

トレッキング用のストーブも用いられている。


 現代のホボウストーブは海外の製品の他国産品もあり、

アウトドアブームにより色々なタイプのホボウストーブが購入可能とあって

折り畳み、あるいは分解可能でクッカーと組み合わせて収納スペースを節約する

収納しやすい製品もあるため小型の製品はバックパックに、

またバケツ程の大きさの物はカヌーツアーやオートキャンプに向く。


 現地で手に入れた燃料で火を焚いて料理をする事により

携行する燃料を減らすことができ

それゆえホボウストーブは以下のような旅行の場合は検討に値する。


 長期の単独行

 市販の化石燃料が入手困難な地域。

 ストーブを広範囲に使う必要がある(融雪、煮沸殺菌、暖を取る、照明)場合。

 公共交通機関で移動する場合。(航空機、JR等は規則上使用可能状態のコンロは持込禁制品)



 逆に主な短所は以下である。


・多くの場合、他の方式の焜炉よりも本体の重量が増す。

・火災防止のための直火に対する制限がほぼそのまま適用される。

・すすと煙で調理器具やストーブが汚れる。

・火の粉が飛ぶ。

・火力の調節が簡単にはできない(火力が強すぎる場合は燃焼中の木の一部をいったん取り出す)。

・高山では燃料が入手しづらいため使用は不向き。

・雨天での使用は困難。


 中には自然の中でホボウストーブを使用するのは

キャンプファイヤーよりも危険が少ないと考える人もいるが、

焚き火である以上は危険性は常に存在するため、

同等の注意と責任を持った火元管理が使用者に求められる。


 復元力の乏しい自然環境では地面に焚き火の跡や灰・燃えカスを残さないようにして

地表面を保護する必要がある。(特に芝生の上)


 枯れ木が乏しく地元においては貴重な燃料として用いられている地域では

ホボウストーブを使用するのは控えるべきである。(北とか)



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