現実:食-『シリアル』 ポリッジ(粥)(ライスプディング、乳糜、乳(ミルク)粥) ・ オートミール「オートブラン、ロールドオーツ、スティールカットオーツ、インスタントオーツ、クイックオーツ」
中世欧州では穀物が主食だった。
穀物はグリュエル(薄い粥)、ポリッジ(オートミールのような粗い粥)、パンにし、
特に中世初期の貧しい階級では、グリュエル、ポリッジが中心だった。
グリュエルは後の時代には水で薄めた中身の少ない粥として貧乏人の食べ物とされることが多いが、
中世では単に作り方の違いであり、穀物を細かい粉にして水で溶いて加熱したものがグリュエルで、
粗い粒(時には潰して)で水で煮たのがポリッジである。
これらが特に貧しい階級に好まれたのは、作るのに手間が掛からないことと、自宅で作れたからである。
中世ではパンのための粉挽きとパン窯は領主の物を使用することになっており、
独占的に供給しているため競争原理が働かず、貧しい農民にとってはその使用料は馬鹿にならなかったが、
グリュエルの場合はそこまで細かく挽く必要がないため、自宅の石臼などで挽けるのである。
穀物はその地方で採れる、ライ麦、大麦、燕麦、ソバ等あらゆるものが使用されたが、
小麦は比較的高価で富裕な人間に限られた。
パンも貧しい農民は自分で挽いた粗い全粒粉を暖炉の置き火で焼いて、前述の使用料を節約したが、
堅いパサパサしたものとなり、またパン釜を使う場合でも、日持ちさせるために固めのパンが作られたため、
食べる時はスープに浸して食べるか、飲み物と共に食べるのが通常であった。
▼ポリッジ(粥)(porridge)
殻類を牛乳や水で煮た粥。近年ではオートミールを用いたものをさすことが多い。
現在では調理時間の短縮のために、押し燕麦やつぶし燕麦、その他のインスタントオートミールで
ポリッジを作ることも多い。
だが、伝統的な料理法に比べると味や食感に劣る。
また最近ではオートミールにお湯を注ぎ電子レンジで柔らかくしてお粥ベースとして
好みの食材をアレンジして朝食をするなど親しまれている。
伝統的なオートミール・ポリッジの料理法は
1人あたり1/2パイント(約284ml)の水を鍋に入れて中火にかける。なお塩はいつ入れてもよい。
鍋を、木べらまたはスパートル(英語版)という木の棒で時計回りにかき混ぜながら、
中挽きのオートミールを一人あたり手のひらに1、2杯ずつ加える。
ポリッジが粥状になるまでかき混ぜ続け、粥状に煮えたら火力を最弱にして、もう10分置く。
また、粗挽きのオートミールを塩を入れた水に一晩浸けてから、
翌朝火にかけて粥状になるまで弱火で煮ることも多い。
ポリッジを小さめの器に盛り、冷たい乳を入れたカップを添え(アウターヘブリディーズ諸島式)、
熱いポリッジをスプーンに半分ほどすくい、乳にひたして食べる。
スコットランド本土ではポリッジは立って食べるべきであるという伝統があるため、
上記のように乳に1さじずつ浸して食べるのが難しくなる。
・グルーエル (gruel)
オートミールを冷水と混ぜて濾し、加熱した重湯。幼児食や病人食とする。
・ブローズ (brose)
未調理のオートミールをバターまたはクリームと混ぜ、ポリッジのようにして食べる。
またパン、バノック、オートケーキなどの材料として
残ったオートミール・ポリッジに小麦粉を加えて捏ね、パンを作ることもある。
或いはカボックチーズの表面にまぶしたり、家禽のローストの詰め物にしたりも。
なお、ガレットの起源はそば粥を偶然焼けた石の上に落としたところ薄いパン状に焼きあがることを発見し、
その後そば粉を焼いてパンの代わりに食べるようになったもの、といわれている。
★『シリアル食品』
シリアル食品としての各ジャンル
(1)コーンフレーク
挽き割りとうもろこしを蒸し、ローラーで丸ごとつぶして乾燥させたもの。
(2)グラノーラ
ミューズリーに植物性油脂やはちみつ、糖類、シロップなどを添加してオーブンで焼いたもの。
(3)ミューズリー
主にオートミールをベースに複数の穀物をブレンドし、ドライフルーツ、ナッツ等を混ぜたもの。
オートミールに、ナッツやドライフルーツなどを加えたものが、ミューズリーと言えるが
ミルクやヨーグルトをかけてすぐに食べられる。
(4)オートミール <NEW
外皮を取り除いたオーツ麦を蒸してから圧縮し、乾燥させたもの。
いわばオートミールとは燕麦と呼ばれる素材を原料に作られたシリアルの事。
熱湯を注いでお粥のようにして食べる事が一般的。
▼ミルク粥:オートミールの一種
英語圏では主にライスプディングと呼ばれるミルク粥は米をミルク
(多くは牛乳。ヤギ乳など他の家畜の乳も使われる)で煮て作られる。
主食として供されることもあるが、デザートとして甘い味付けがされる場合が多い。
デザートとしてはシナモン、カルダモンなどのスパイス類、各種のジャム、ナッツ、
ドライフルーツなどが加えられる場合がある。
また温かいままか、冷やして食べられるかといった違いも地域や習慣によって多様である。
この米をミルクで煮た料理は西洋ばかりではなく、同様のものが世界各地に存在し、
日本では乳糜、乳粥、ミルク粥などとも呼ばれた。
なお乳糜の名は漢訳仏典に基づく。
それは苦行を経た釈迦が、「トニー!お腹が空いて力がでないよぉ!」といると。
村娘スジャータから供養されたのが乳糜つまり乳粥であったとされ、
「もう我慢できない!!」っと、それを食した後「グゥレイトォ!!」っと、釈迦は悟りを開いたという。
・解脱:ヘブン ケシ表皮の浅い切り込みから分泌される乳液状の物質を乾燥させて集められたのが生アヘン☓
実は釈迦は6年にわたる生死の境を行き来するような激しい苦行を続けたが、
心地良いこの苦行のみでは埒が明かず悟りを得ることなどできないと理解する。
苦行の果てに苦行の無益さを知った釈迦尊は苦行をやめて山林を出て、
責めやつしすぎた身体を清めるためやっとの思いで付近を流れるナイランジャナ河にて
沐浴をしていたのですが、その際水面に映った余りにも痩せこけた自分の惨めな姿をみた釈尊は、
「人間が悟ろうとする真理には、健全な精神は、
健康な肉体に備わる栄養の足りた頭脳によってこそ初めてもたらされるものだ」と悟った。
つまり、苦行によって心身を極限まで追い詰めても悟りを得ることはできない。
必要なのは唯一ただ筋肉だけだ、という結論を得た。
それは既成の思想・宗教を飛び超えた、新しい次元に突入したのだと思いマッスル。
しかし激しい苦行により体が弱っていたため、岸辺で倒れてしまいます。
このとき、付近の村のスジャータという娘が釈迦尊を助け、ミルク粥を捧げると
釈迦尊はそれを食べて体力を回復させました。
実はスジャータは、
「もし私が高身長高学歴高収入の3Kでイケメンなジジババ抜きで家付きの相当な家に嫁ぎ、
自身の後ろ盾(傀儡)となる男子を生むことがあれば、毎年百千金の祭祀を施しましょう」
とニグローダ樹に祈りその望みの通りになったため祭祀を行っていた。
故にスジャータの下女は、プンナー樹下に坐していた釈迦を見て樹神と思い、
スジャータに知らせると、スジャータは喜んでその場に赴いて釈迦に供養したのだった。
釈迦は、スジャータから与えられた乳がゆ(Pāyāsa)を食して、再びナイランジャナー川に沐浴した。
なお、セイロン(スリランカ)に伝えられた南伝仏教のパーリ語経典の小部に収録された古い経を集めた経典
『スッタニパータ』では、スジャータはこの乳がゆに諸天妙汁(Oja)なる謎汁を加えていた
と記している。(ヒント:経産婦 うそ)
こうして心身ともに回復した釈迦はその後心を落ち着かせると、
河辺りの近隣の森の大きな菩提樹の下で座禅を組み目を閉じて雑念をはらい瞑想に入り、
己の中の天使と悪魔に打ち勝つと、釈迦尊の心から人間の苦しみや迷いが消えて釈迦尊は、
(東アジアの伝承では旧暦12月8日に)遂に叡智を極め悟りを得て、仏教が成道したという。
覚者『ブッダ』(真理に目覚めた人:アートマン)となり、菩提樹の下で悟りを開いたのです。
これはインドの正統バラモン教思想における最高の理法・宇宙の統一原理・万有の根本原理・
宇宙の根本原理としての本体・大宇宙に照応する小宇宙、
すなわち個我の本体として捉えられるものです。
このアートマンとブラフマンが究極的に同一であるという真理に到達することで、
輪廻りんねを逃れることができるとされる。この事は、
一は全であり全は一である。全は世界 一はオレ って、エドも言ってましたし、
個にして全 全にして個……だと、ある偉大な王蟲が教えてくれました。
さて、本題に入る。
▼オートミール(英語: oatmeal):オートメイルにあらず
燕麦を脱穀して調理しやすく加工したものである。
また英語名の「Oat」から、オートムギ、オーツ麦、オートとも呼ばれる。
オートミールというのは簡単に説明するなら、
オーツ麦と呼ばれる麦を食べやすく加工したシリアル食品の事です。
・燕麦を加工品のみがオートミール。
・ひき割りトウモロコシならホミニー。
短時間で調理できることや栄養バランスが非常に優れていることで、
日本国内では健康食品として人気を得つつありますが、
アメリカでは家庭の味と言われるほど広く浸透している食材です。
ただアングロアメリカでオートミールと呼ぶのは
脱穀した燕麦を加熱ローラーで平らに押し潰すかカットし乾燥させた加工品いわゆる「押麦」
また、粥状に調理したものを指し、それ以外の英語圏では燕麦を挽いた粉製品を意味するのです。
また現在オートミールの食べ方で最も定番とされているのは、
お湯でふやかしたり電子レンジで加熱して軽く煮たりして粥状にし、
砂糖やジャム、また中華粥やカレーのレトルトなどを使用して味をつけて食べる方法です。
水で煮たオートミールは塩系の調味をした場合、白粥のような味になります。
この水で煮る以外にも完全に乾燥した状態から軽く煮るだけで粥状になり食べることができるので、
牛乳や豆乳を使用して煮たり、種類によっては一般的なシリアルのように冷たいミルクに入れて
朝食用のシリアルとして用いサクサクと食べられるオートミールもあります。
その他オートミールはそのまま味をつけて食べる以外にもパンやクッキーに混ぜ込んで使用することも多く、
一般的な生地よりもしっとりと歯ごたえのある食感になるのが特徴です。
粥状にして食べる場合は、好みで塩、砂糖、バター、ジャムなどを加えたり、
中華粥のように味をつけたり、具を混ぜ込んで調理することもあります。
梅干を加えるなど和風に味をつけてもいい。塩だけで調味する場合は、
粘り気のある白粥のような味であるので、朝食に焼いたソーセージなどと一緒に食べられることが多いです。
★日本とオートミールの歴史:
日本にオートミールの製法が伝わったのは明治時代といわれています。
日本では古くから、オートミールの原料となるオート麦を土壌(生産性向上)改良用作物としても、
馬を中心とした家畜の飼料としても使われており、北海道を中心に豊富に生産していた。
なお大量生産がされていた北海道で、日本初のオートミールが誕生したと言われています。
日本で初めてオートミールの製造販売を行ったのは、
現代でもオートミールの定番銘柄として知られる日食ブランドを展開している日本食品製造
だとされています。
健康食品としてオートミールが注目されるまで、あまり馴染みのない食品とされ
日本においてはさほどポピュラーではないが、
昭和天皇の洋食タイプの朝食には普段からいつも供されており、
映画『日本のいちばん長い日』によると、終戦の日に当たる1945年8月15日の朝食にも
オートミールが供されて思いのほか質素な食事であると作中で言及されている。
なぜ質素な食事であるなどと言われるのかと言えば、東欧や北欧などヨーロッパの寒冷な地方では、
古くからオートミールのポリッジ(粥)が平民の主食とされたからだ。
たとえば、東欧の家庭的な粥料理であるカーシャなどは、しばしばオートミールで作られている。
実は日本料理は世界的にみて質素倹約の風習が強く、その特異な性格のものとはいえ
西洋や中国ほどには身分で食事にそれほど差がつくことは無い。
これは身分に応じて型が決まっていても上流家庭の食事とて、いたって簡素であるのだから、
貧乏人だとて富貴の人々とその素材がさほど違った食事をしているわけではないのである。
★健康とオートミールの種類:近年、オートミールは健康食品として注目されている。
オートミールは燕麦の糠(胚芽など)の部分が無精製で含まれる全粒穀物であるため、
精白した穀類よりも食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富である。
水や牛乳・豆乳等で煮て粥状にして食べるほかに、
主材料以外の料理の副材料として用いられることもある。
*全粒穀物(英: whole grains):
精白などの処理で、糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去していない穀物や、
その製品で主に玄米、玄米を発芽させた発芽玄米、ふすまを取っていない麦、
全粒粉の小麦を使った食品、オートミール、挽きぐるみのソバなどがある。
こうした穀物は精白したものより食物繊維やビタミンB1をはじめとしたビタミンB群、
鉄分をはじめとしたミネラルが多く栄養価に富むために健康を目的として食べられている。
また、食物繊維が多いことが消化吸収をゆっくりにし、長時間に渡って空腹感を避けさせ、
このことは血糖値を急激に上げないということでもあるが、これも疾患の予防につながるとされる。
しかも糠には、健康に影響する成分や美容製品に使われる成分がそのまま入っているために
美容目的でも食べられる。
食物繊維が食品100g中10g前後と、他の穀物や野菜と比べても非常に豊富に含まれ、
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維ともに豊富である。
オートミールを食べることによって血中コレステロール濃度が低くなるという研究結果が
数多く報告されている。エンバクの水溶性食物繊維の大部分はβグルカンである。
エンバク由来のβグルカンについて血中コレステロール値上昇抑制作用、血糖値上昇抑制作用、
血圧低下作用、排便促進作用、免疫機能調節作用などが欧米を中心に多数報告されている。
また、燕麦に含まれるβ1,3-グルカンは心臓病を発症するリスクを低くする。
このように、オートミールは玄米などの健康食材と同様に精白を行っておらず、
外皮を残したまま加工される全粒穀物食なため、非常に栄養価が豊富な食品として知られています。
白米と比べて食物繊維は20倍も含まれており、玄米と比べても3.5倍、鉄分は2倍、
カルシウムは5倍も含まれています。
精米されたお米に比べて2倍もの植物性たんぱく質を持っているのも特徴で、
オートミールには水溶性と不溶性の食物繊維が両方含まれており、
より効果的に作用するため体に良い食品とされています。
故にオートミールに含まれる水溶性の食物繊維は、血液中のコレステロールを排出させ、
不溶性の食物繊維は整腸作用に優れているため便秘の解消にも効果的とされています。
ダイエット食品と聞くと「食べるだけで痩せる」というイメージを持つ人が多いかもしれません。
特に多いのはゼロカロリー系の食べても太らない食材というイメージ、
しかしオートミールは100gで約380kcalあるため、意外とカロリー自体は多い食品です。
では、なぜオートミールがダイエットや体づくりのための食品として愛用されているのかというと、
オートミールは「低GI食品」だからです。
人間の体というのは食べ物を摂取すると血糖値が上昇します。
すると、膵臓からインシュリンが分泌されて血糖値を下げる働きをします。
ここで分泌されたインシュリンには脂肪を作ってしまう働きがあるため、
低GI食品であるオートミールは血糖値の上昇が一般的な食品より緩やかなため、
インシュリンの分泌が抑制されます。
この効果によって体が脂肪を蓄えづらくなり、
結果的にダイエットに効果が現れるとされています。
このように健康食品やダイエット食材として日本で一般的に食されているオートミールは、
厳密に言うと「インスタントオーツ」や「クイックオーツ」と呼ばれる『ロールドオーツ』を
より食べやすく加工した種類に属しています。
そもそも、オートミールの原型とも言える[オートグローツ]は
原料となるオーツ麦(燕麦)のもみ殻の部分を取り除いた物であり、
加工する事で色々なオートミールになって行く為、オートミールという呼び名が使われます。
また、[オートグローツ]はホールオーツと呼ぶ場合もあります。
・オートグローツ - オーツ麦(燕麦)のもみ殻を取り除いたもの
オートミールには幾つもの種類があり
実は大きく分けて3種類、細かく分類すれば5種類が存在しています。
そのうち[オートグローツ]を加工した
・オートブラン - オーツ麦の外皮を集めたもの
・ロールドオーツ - 蒸してローラーで押しつぶしたもの
・スティールカットオーツ - オートグローツをそのまま割っただけの
上記3種類は、長いものだと調理するために30分近い時間のかかるものもあるため、
このうちの「ロールドオーツ」が、
オートミールをシリアル食品として食べられるよう加熱処理され、さらに2種類に分けられます。
・インスタントオーツ - 調理して乾燥させたもの
・クイックオーツ - ロールドオーツを更に細かくしたもの
一般的に多く食べられているのが、この「インスタントオーツ」や「クイックオーツ」と呼ばれる
オートミールですが、調理方法や食べ方のスタイルに合わせてオートミールには様々な種類が存在する。
★オートミールとシリアルの違いとは?
日本でシリアルというと「牛乳を入れて美味しく食べられるサクサクのフレーク」
といったイメージかもしれませんが、厳密に言うとシリアルは
"穀物を加工してそのまま食べられるようにしたもの"なので、
もちろんオートミールはシリアル食品に含まれています。
とはいっても、多くの人が一般的にイメージするのはコーンフレークやグラノーラといった
シリアル食品だと思います。
オートミールの中でもインスタントオーツと呼ばれる味付け済みのオートミールは
一般的な人のイメージするシリアル食品に近い味ですが、
最近注目されているオートミール(ロールドオーツやクイックオーツ)は
他のシリアルよりも食感がユルくお粥みたいな口当たりとなるため、
一般的に想像されるシリアルとは大きく違う味だと感じるでしょう。
オート麦は、主に馬の飼料用として使用されており、
食用としてオート麦を使用するのはスコットランドなどの幾つかの地域に限られていました。
スコットランドやアイルランドではオートミールを「ポリッジ」と呼んでおり、
今でも朝食に欠かせないメニューとなっています……英国面であろうか?
その後、17世紀には北アメリカ大陸へとオート麦が伝わりましたが食用の穀物とはされず、
19世紀のアメリカの料理本あたりから少しずつオートミールのレシピが紹介され始めます。
燕麦を工業的にフレーク化する技術の開発された1870年代を皮切りに、
現代でも代表的なオートミールの種類であるロールドオーツ(エンバクの押麦)が発明されると、
様々な食品会社がオートミールの大量生産を開始しました。
19世紀末からアメリカ国内で急速に普及し、1880年頃にはエンバクのフレークを使用した
"グラノーラ"が生み出され、シリアル食品もこの辺りから急速に普及していくこととなります。
その後、オートミールを中心としたグラノーラなどのオート麦(燕麦)を使用したシリアル食品は、
コーンフレークなどのシリアル食品の人気に押されて生産が徐々に減少していきましたが、
1960年代のヒッピームーブメントによって健康面からオートミールやグラノーラ、ミューズリーが
再評価され、さらに改良も進んで消費が急増しました。
★欧米のオートミール
・スコットランドのオートミール
スコットランドでは、燕麦を粗い粉に挽いてオートミールが作られる。
スコットランドの冷涼な気候と比較的短い日照時間は小麦よりも燕麦の栽培に適しており、
燕麦は小麦よりも健康的で栄養価が高いと広く考えられている。
また、製品の挽き具合は、
:「粗挽き」(coarse) 、
:「ピン」または「ピンヘッド」(Pin (head)) 、
:「細挽き」(Fine) に分けられる。
・アメリカ合衆国のオートミール
オートミールは以下の種類に分けられている。
:ロールド・オーツ
燕麦を蒸した後ローラーでつぶして押麦状にしたもの。
:インスタント・オートミール
お湯を注ぐだけでポリッジ(粥)になるようにロールド・オーツをアルファ化加工したもの。
子供用に甘味や果物の風味などをつけ、ビタミン類を添加した商品も販売されている。
:スティール・カット・オーツ
ロールド・オーツの一粒を2つから3つにカットしたもの。
1番栄養価の高いオートミールではありますが、ロールド・オーツよりも調理に時間がかかる
玄米に近い全粒穀物の一種。
一人あたりのオートミール(ポリッジ)の消費量が全国一であるヴァーモント州の
農家の伝統にもとづいたオートミールは、
スティール・カット・オーツを用いることがほとんどであり、
オートミールを煮る前の日の晩にオートミールを冷水、塩、メープルシロップに浸けてふやかしておき、
朝の農作業が始まる前にナツメグとシナモンを加えて
(ショウガの粉末を加えることもある)とろ火にかけ90分近く煮込み、
農作業が一段落したところでクリーム、乳、バターを加えて食べた。
農業人口が大幅に減少した現在では、調理時間は30分から10分に短縮されている。
また、低温調理用家電のスロークッカーを使ってオートミールを一晩中煮込むこともある。
尚、アメリカではオートミールの調理に日本の炊飯器が活用されることがある。
・オートミールに、砂糖や蜂蜜などの甘味料と植物油をからめてオーブンで焼けば、
グラノーラができる。
・オートミールを水または牛乳でふやかし、果物やナッツを混ぜたシリアル食品が
ミューズリーである。
菓子の材料として、パン、クッキーやケーキの生地に混ぜ込まれることも多く、
オートミールが配合された生地は、しっとりとして歯ごたえのある食感を有する。
オートミール・クッキーやオートミール・マフィンは、
代表的なアメリカの「おふくろの味」の一つである。
その他、ビール、化粧品、石鹸、外用薬品、肉の缶詰などにオートミールを添加することがある。
オートミールから、特に水溶性食物繊維に富む外皮のみを取り出したものを
「オートブラン」(oat bran) といい、アメリカなどでは水溶性食物繊維の王様として
よくスーパーマーケットなどで販売されており、オートミールも含め生産消費も旺盛であることから、
日本より遥かに安価である。
アメリカ合衆国年表
1980年 - 食生活指針が策定された前後で、健康への関心が高まっていた。
1984年10月 - ケロッグがアメリカ国立癌研究所 (NCI) に認定を受け自社製品に
食物繊維の多い食品はある種のがんを予防すると表示した。
その後、他のメーカーもこれに追従し、このような表示が氾濫していった。
結果として、食物繊維を多く含むシリアル食品を食べる家庭を200万世帯増やした。
1980年代後半 - オートブランがコレステロール値を改善するとしてブームになる。
1989年 - ブームのピークを迎えた。
1990年代初め - ブームは衰えた。
1997年1月 - アメリカ食品医薬品局がオートブランやロールドオーツを多く含む食品を
低脂肪の食事と組み合わせて摂取すれば心臓病にかかる危険が低くなるという表示を
つけることを許可した後、オートミールその他の燕麦製品の人気が再燃した。
ロールドオーツは、食物繊維を多く含むため消化吸収を緩やかにし血糖値を安定させるはたらきを
持つため、激しい運動をする人、特にウエイトトレーニングをしている人に人気がある。
ボディビルダーの中には、アミノ酸や蛋白質のサプリメントをオートミールに混ぜて
摂取する人が少なくない。
1999年7月 - アメリカ食品医薬品局(FDA)の許可によって、51%以上の全粒穀物を含む製品に
がんや心臓病のリスクを減らす可能性があると表示できるようになった