「ねねさん、ぶりしゃぶを食す」の巻
ぶりかまに続いて運ばれてきたのは、ぶりの切り身をしゃぶしゃぶのようにして食べる、いわゆる「ぶりしゃぶ」という奴でした。
ぶりという魚は、その豊富な脂が嫌われることもある魚です。
事実、ぶりの刺身を食べ過ぎて、お腹の具合がナイアガラになった方も多々おられます。
しかし、このぶりしゃぶという食べ方は、そうしたぶりの脂を上手に取り去り、旨味だけを堪能できるという優れもの料理です。
これと一緒に季節の野菜も口に入れれば、栄養バランスも良く、高タンパクで低カロリー。
冬の富山に来たら、ぜひ食してもらいたい一品です。
グルメの気があるねねさんも、興味津々、箸を付けます。
「う~ん、おいし~ね。わたし、こういうの大好きよ!」
「(心の声:味自体は淡泊なんだけどな)気に入っていただいてよかったです。さっきも出ましたけど、ぶりは季節の魚なんで、いまの時期ならどうやって食べても美味しいですよ」
「なるほど。今度スーパーで売てたら、わたしも買て来てみるね。でも、いくら美味しくても魚だけ食べるのはよくないね。野菜も食べないとケンコーによくない」
「ごもっとも」
「だからまさちゃん。もと野菜食べなきゃだめよ!」
「十分いただいてます」
「白菜だけじゃなくネギも食べて。ネギは疲れ取てくれるから、いぱい食べないといけないね」
「(心の声:ファッ!)」
「おう! このネギ美味しい。(長ネギをしゃぶしゃぶして)まさちゃん、あーん」
「(心の声:マイガッ!)あーん」
「うーん、ネギ美味しいね! もと食べたいけど、身体のため、まさちゃんに全部あげるよ!」
「(心の声:ありがた迷惑です)」
嬉しさの余り涙ぐむ、まささんなのでありました




