「ねねさん、お刺身を食す」の巻
食前酒?を堪能したねねさんが次に目標としたのは、新鮮な地元の魚を材料にしたお作りの品でした。
「さて」とばかりにまささんも、地元の醤油を小皿に注いで、わさびをそこで溶き始めます。
「あッ! まさちゃん、それ駄目!」
「えッ?」
「それはしろうとの食べ方ね。通はこうやて食べるのよ」
そう言いながらねねさんは、ブリの刺身に山盛りの本わさを乗せ、軽く醤油を付けただけで口の中へと放り込みます。
「う~ん、おいしー! これ、いいわさび使てるね!」
「き、気合いの入った食べ方で……」
「さ、まさちゃんもやてみて!」
「かしこまりました」
拒否権のないまささんは、仕方なく残ったわさびを刺身に乗せ、一気にぱくりとやりました。
「!!!」
つーんという強い香りが、鼻の奥部で炸裂します。
思わず涙がこぼれるまささんです。
確かに美味しいのは事実ですが、やはり刺激が強すぎるようです。
「どーです? 美味しーでしょ?」
「……とてもとても美味しいです」
「そーだよねー。でもわさびの量が少なすぎ。これだとすぐになくなちゃうね。店員さーん!」
大声でウェイターの男性を呼びつけたねねさんは、ためらうことなく言いました。
「もとわさびをくれませんか?」
そんな無茶な、と一瞬思ったまささんですが、ウェイターの男性はねねさんの要求に応え、本当に山盛りわさびを小皿に乗せて持ってきてくれたのです。
それを見たねねさんは大喜びです。
「ありがとー! これでお刺身いぱい食べられるね!」
「(心の声:まじかッ!)」
そして驚きの表情を隠さないまささんの目の前でねねさんは、そのわさびの山からはしでおおきくひとつまみ、そのままぱくりと食べるのでした。
「(もぐもぐ)う~ん。さきのわさびのほうがいいわさびだたね。これ、ちょと辛くないよ」
「(心の声:まじかッッッ!!!)」
韓国人の辛味耐性を目の当たりにする、本日のまささんなのでありました。




