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「ねねさん、浴衣を着る」の巻

(スタッフの方に案内されて、まささんとねねさんは、自分たちの宿泊する部屋に到着したのでありました)


 まささんが予約した部屋は、露天風呂付きの(あたりまえですが)二人用。シングルベッドがふたつおいてありましたが、寝る時は隣接する座敷に布団を敷いて下さるよう、ホテルにお願いしてありました。


「おゥ。結構けこういい部屋ですね~。冷蔵庫もちゃんとありますね~」


「(心の声:いまどき冷蔵庫のおいてないホテルなんて、ラブホでも少ないでしょ?)」


 目を見張ったねねさんが、お菓子&飲み物をテーブルに置くやいなや、露天風呂のほうに歩いて行きます。


 ベランダに置かれた檜の浴槽には、すでにたっぷりのお湯が注がれていました。あまり大きな湯船ではありませんが、湯加減は適度。見ると、専用の電子装置で温度調整などがされている模様です。もちろん、あとからお湯を足すことも可能です。


「まさちゃん! このお風呂、フタが一枚一枚別になてるよ。面白いね!」


「わざわざ木のフタにするために、そういう仕様にしたんですね」


「お湯、ちょとヌルヌルしてて、いかにも温泉て感じ! あとで一緒いしょに入ろうね!」


「ですね~」


「でも初めは、大きなお風呂に入てきましょう! ご飯までには時間あるね!」


「そうですね。まだ二時間以上ありますし、ゆっくりお湯に浸かってきましょう」


「楽しみね~」


 そう言いながらねねさんは、まささんの前でさっさと服を脱ぎ出します。恥じらいなんて、もはやなし! 下着も脱いで、完全無欠に全裸の状態。


 驚いたまささんが、思わず声をあげたりします。


「な、な、なんで素っ裸になるんですかッ!?」


「? どーしたの、まさちゃん? いまさらわたしの裸が珍しいの?」


「いやそーじゃなくってですね。なぜ突然裸になるわけ? そういう状況じゃなかったでしょ?」


「まさちゃんは作家さかのくせにモノ知らないね。浴衣を着る時は、下着は着けないものなのよ。まさか、知らなかったの? それでも日本人? わたしのほうが物知りね」


「は……はは(心の声:ここは逆らわないほうがよさそうだ)」


 文化の伝達にはタイムラグが生じるものなのだな、と、改めて実感するまささんなのでありました。

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