「まささん、目的地に着く」の巻
(途中のコンビニでお菓子その他を買い込んだまささんたちは、それからすぐに、目的地である温泉ホテル「つ○ぎ恋月」に着いたのでした)
「おゥ、ここがまさちゃんの言ってたホテルですか」
「『つるぎ恋○』っていいまして、それなりに歴史のある温泉なんですよ。料理長も名前の知られた腕利きですし、インターネットで調べたら、県外のお客さんからも評価が高いです」
「そうなんですか?」
「そうなんです。今回予約したのはカップル用に露天風呂付きの部屋ですし、二十四時間いつでも入浴が楽しめます。ねねさんのご希望どおり、いいお湯が堪能出来るはずです。もちろん、大浴場も完備です」
「まさちゃん。堪能てなんですか?」
「(心の声:あ~、このあたりの表現はまだまだか)楽しめるって意味の難しい書き方です」
「わかた。楽しみします!」
「美肌の湯だそうですから、気に入ってもらえると信じています。薬湯もあるそうですので、そちらのほうも楽しんでいただけたら嬉しいですね」
少し麓の駐車場にクルマを止めたまささんは、ねねさんを引き連れてホテルの玄関まで歩いて行きます。
「ねねさん。荷物持ちますよ」
「ありがと。よろしくです」
すると、硝子張りの自動扉の向こうから、身なりのいい男性がこちらに向かってやって来るのが見えました。ホテルのスタッフのようです。雰囲気からして、支配人なんでしょうか?
「いらっしゃいませ。ご予約のお客さまでしょうか?」
「はい。16時に予約を入れたまささんという者です」
「まささんさまですね。どうぞこちらへ」
スタッフに案内されて門を潜ったまささんたちを、太鼓の音が歓迎します。別の男性スタッフが、すぐそばで和太鼓を叩いてくれているのです。
「(心の声:おー、雰囲気出るなー)」
そう思いながらカウンターへと受付に行く、まささんなのでありました。




