「まささん、韓国の浮気事情を聞く」の巻
(その月のデートでまささんは、友人たちと語った件を、ねねさん相手にかいつまんで話したのでした)
「──とまあ、そんなことがあったんで、ボクは浮気する人間が大嫌いなわけです。もっとも、現代日本女性は、そもそも浮気が大好きですし、浮気大好きなチャラい男も大好きなのですが」
「チャラい男て意味わからないけど、なんとなくまさちゃんの言いたいことはわかる。前にもいろいろ吼えてたよね。でも韓国のオンナ、浮気しないよ」
「そーいえば、韓国の芸能界じゃ、そういうスキャンダル聞きませんね。日本だと、浮気する俳優が浮気すればするほど『恋多き男&女』みたいに持てはやされるのが常ですが」
「そーなんですか?」
「恥ずかしながら。『不倫は文化だ』って言い切った俳優が、女性たちから大人気だったくらいなんで。一応説明しておきますと、不倫というのは結婚している男女が絡む浮気のことです」
「うーん、そーいうのわたし理解出来ない。たくさんの恋人欲しいなら結婚しなければいいし、たくさんの恋人持ってるひとと付き合いたいとも思えない」
「普通の感覚ならそうだと思います。あくまでも、普通の感覚なら、ですが」
「韓国だと、結婚してるひとがほかのひととイチャイチャしたら、警察に捕まるんだよ」
「は?」
「ドラマとかでもね、旦那さんが別の女のひととベッドでイチャイチャしてるとこに警察のひとが入てきて、『そこを動くな』て写真パシャパシャとかする場面あるよ」
「(心の声:不倫現場を警察に現認されるのか……)それは、トラウマものですね」
「トラウマ?」
「心の傷っていう意味です」
「そんなのたいしたものじゃないでしょ? 浮気されたほうの心の傷は、そんなのとは比べものにならないほど半端ない傷じゃない?」
「ごもっとも」
「あ、ところでまさちゃん」
「なんでしょう?」
「温泉の話、どーなてますか? わたし、楽しみにしてるんですけど」
「ああ、その件につきましてはですね──」
ねねさんに促されて、まささんは立てたプランを話し始めるのでした。




