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「まささん、韓国焼き肉を食す」の巻

(目の前の鉄板に置かれた肉の塊を見て、まささんは目を丸くします)


「これが本場風韓国焼き肉ですか」


「そーです! もしかして初めて見ましたか?」


「ええまあ。まるでサイコロステーキみたいですね」


日本にぽんの焼き肉とはかなり違うでしょ? これをね、ハサミでテキトーな大きさに切って焼くんですよ」


「なるほど」


「でね、日本にぽんの焼き肉は牛の肉ばかりだけど、韓国の場合は豚の肉がほとんどよ。わたし、初めて日本にぽんの焼き肉食べた時、物凄く変な感じしましたもん。コレナニ、て感じ」


「確かにその気持ちはわかりますね。これ見る限り、かなりのレベルで」


「でしょー。とにかく食べてみてください! おいしーですよ! お肉の味を楽しむ時は、韓国の食べ方のほうが断然いいですから!」


 ここで解説しなくてはならない!


 普通に肉を焼いてタレを付けて食べる日本の焼き肉と違い、韓国の焼き肉は、まず塩のみを付けて食べるのが「通(←ねねさん意見)」なのである!


 そして、そうやって肉の味そのものを堪能したのち、特製タレに付け込んだ野菜キムチ(白菜だけじゃないのだ)や味付け野菜を肉と一緒に葉っぱに包んで、それをひと口で味わうのである!


「どーです! これが韓国の食べ方です! 気に入りましたか!?」


「なるほど。異なる味をいっぺんに口の中に放り込むのが、そっちでは普通なんですね。日本だと、それぞれを『主食』『おかず』に分けて口に運びますからね」


「日本の人、肉と野菜をいぺんに食べない。これ、美味しさの半分以上を損してます!」


「韓国はいろいろ混ぜて食べる文化ですよね。そういうところ見ると、やっぱり近くて遠い国なんだって実感します」


「まさちゃんにとて、韓国は遠い国ですか?」


「別に悪い意味で言ってるわけじゃないですよ。文化がいろいろ違うのは環境が違うんだからあたりまえのことですし、それをこうやって知ることが出来るのは、むしろ新しい刺激になって良いことだと思いますから。そもそも文化というものに優劣や勝敗なんてないんですよ。あるのはただ好みだけであって、好みを言うのであれば、その好き好きを云々言うのも無粋な話だと思うんですよね」


「うんうん、わかる~。ひとが何を好きになるか嫌いになるかって、そのひとの勝手かてですもんね」


「そうそう、そのとおりです」


「じゃ、まささん。ワイン飲みましょ」


「いただきます」


「ワインと豚肉て、意外と合うんですよ。まず葉っぱに焼いた肉を置いて──」


「置いて──」


「白菜キムチ焼いたのをちょっとだけ置いて──」


「置いて──」


「このタレに漬けた味付けネギをいっぱい置いて──」


「え???」


「さ、まさちゃん! どぞ、食べてください!」


「え???」

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