02-a2
「茜!!」
俺が呼びかけると、茜は直ぐにやって来た
触手を避けながら再び俺を拾い上げる
今度は先程のような、ビリッと来る感覚はなかった
「どうして…!」
批難しようとする茜の言葉を遮り、質問する
「あの怪物の中にある、光の玉が見えるか?」
少しムッとしたようだが、茜はすぐに答えてくれた
「あれは妖魔の核だよ。あれを壊せば、妖魔を消し去ることができるんだけど…」
「あの怪物を…妖魔を、空に持ち上げることはできないか?」
「空に?」
「地面から引き剥がすんだ!」
少し考えた後
「わかった、やってみる!」
と茜は言った
そして、手にしたロッドで左肩のあたりを軽く叩くと、ドレスの形が変化して肩口がフードのような形に変わる
「君はここに入っていて」
茜はそう言って俺をフードの中に押し込めると、触手を躱しながら妖魔に向かって突撃する
その動きは、ジェットコースターなど比べものにもならないくらい激しいものだったが、不思議なことに恐怖は一切感じない
"そういえばさっきも、あの激しい動きの中で普通に会話していたな…"
ふと、そんなことを考えていると凄まじい振動と共に爆音が鳴り響いた
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ロッドを地面に叩きつけると、爆音と共にちょっとしたクレーターが穿たれる
そして、クレーターは妖魔を取り巻くように穿たれており、クレーターから延びる亀裂は周囲の地面ごと妖魔を大地から切り離していた
「せーの!」
茜は触手の攻撃をかいくぐって地面に降り立つと、亀裂の1つに手を突っ込み、周囲の地面ごと妖魔を空中に放り投げた!
「…え?」
状況についていけず思考停止する俺を余所に、茜は大地を蹴って飛び上がり、妖魔を追撃する
迫りくる触手をロッドが次々と掻き消していくが、今度は触手が復活することはなかった
「これなら…!」
茜は一気に妖魔に肉薄すると、そのロッドで妖魔の核を打ち砕いた!
すると、妖魔は崩れる様に消え去り、その核は光の粒子となって、茜の指輪に吸収される
茜は妖魔に取り込まれていた人を救い出すと、
公園の芝生の上にそっと寝かせた
「その人は?」
「大丈夫だよ、気を失っているみたいだけど、ちゃんと生きてる。しばらくしたら、気がつくんじゃないかな?それより…」
茜は地面に穿たれた巨大なクレーターを見た
「その力で何とかならないのか?」
「うーん…ちょっと無理かな?」
だったら、やるべき事は1つ
結界が消える前にここを離れるのだ
俺たちは逃げるようにその場を後にした
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家への帰り道、気まずい沈黙が続く
茜は俺を抱き抱えたまま、ただ黙って歩いていた
聞きたい事は山のようにあるが、どう切り出して良いのかわからない
多分、茜もそれは同じなのだろう
そうこうしているうちに家の前に着くと、そこには茜のママさんが立ちはだかっていた…
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「お母さんお願い!私がちゃんと世話をするから!」
俺を抱きかかえながら、茜は懇願した
「まったく、最近何かコソコソやっていると思ったら…」
ママさんがジト目でこちらを見てくる
あの後、ママさんに見つかった俺たちは1時間近くお説教を受けた
まぁ、子供がこんな時間に部屋を抜け出して外を出歩いていたのだ、それは仕方がない事だろう
実際、警察までやって来ていて、ちょっとした騒ぎになっていた
だが、問題はそれだけではなかった
そう、俺の存在である
そして今、俺の処遇をめぐって、茜とママさんは対立していた
因みに茜が外出した理由は、逃げ出した俺を探すためということになっている
「はぁ~~~」
何度目かの深いため息をついた後、ママさんは諦めたようにこう言った
「ちゃんと自分で世話をするのよ?それから、もう二度と夜中に黙って外出はしない事!いいわね?」
「うん、わかった!ありがとう!お母さん大好き!」
茜はママさんに抱きついた
「それじゃ、もう一度お風呂を沸かすから入ってしまいなさい。その子もちゃんと洗ってあげるのよ」
「はーい!」
"え?俺もいっしょに?"




