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02-i
闇の中から抜け出たようなその体は、陽炎のように揺らめき、蠢く数本の触手の様なモノが伸びていた、
そして、その体の真ん中あたりには、まるで人の顔のようなものが浮き出ている
だが、その様な異形を前にしても少女は怯む事は無かった
少女は"それ"を掲げる
"それ"は飾りの無い銀色の指輪
異形の触手が少女に迫る
その刹那、指輪が光り輝く!
「エンゲージ!」
そう叫びながら左手の薬指に指輪をはめると、少女の着ていた服が光の粒子となって消えさる
そして、不意に空中から現れた光のリボンが少女の体を包み込み
やがてそれは、真紅のドレスへとその姿を変える
真紅のドレスを纏った少女は、手にしたロッドを異形へと向けた
「さあ、お仕置きの時間よ!」