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04-c
「今日は楽しかったなぁ・・・」
翠はお風呂の中でつぶやいた
「皆んなでお花見して、お弁当食べて・・・」
今日1日の出来事を、頭の中で反芻する
「へべちゃんも可愛かったなぁ・・・ふわふわで、尻尾なんかモコモコ してて・・・うふふふ・・・」
「でも・・・」
そこで翠は言葉を詰まらせる
へべれけが、茜の手を振り解いてどこかへ行った後、茜は一度席を立った
翠は、茜がトイレに行くのだと思って茜の後を追った
しかし、茜はトイレには向かわず、近くの空き地へと向かっていった
そこにはへべれけがいて、茜はへべれけの近くにしゃがみ込んで何かをしていた
翠には、茜がへべれけと会話している様に見えた
"誤解だ!"
あの時聞こえた声は、一体誰の声だったんだろう?
翠は、へべれけが人の言葉をしゃべっていた様な気がした
「まさか・・・ね・・・」
そう言うと、翠はその考えを振り払うかの様に頭を振った




