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春の緩み始めた空気の中を、自転車で商店街に向かう
商店街の中に入ると、店の人々が茜に気ずいて声をかけてくる
茜はそれら一つ一つに笑顔で応える
やがて茜は、商店街の中のペットショップの前で自転車を止めた
店の中に入ると店主が声をかけてきた
「やぁ、いらっしゃい今日はどうしたんだい?」
「この子の首輪を見に来たんです」
そう言うと茜は、俺をフードの中から引っ張り出した
「コレはまた・・・」
店主が顔を近づけてきたので顔をそらす
おっさんに顔を近づけられても嬉しくもなんともない
「フェレットかな?一体どうしたんだい?」
「この前公園で、野良犬に襲われている処を見つけて助けたんです。それで、飼い主もいないみたいなんで、うちで飼うことにしたんです」
「なるほどねぇ、最近は手に負えなくなったペットを簡単に捨てるひどい飼い主もいるからねぇ。お、あったあった。その種類の動物だと、ここら辺がいいんじゃないかな?」
そう言いながら、店主はいくつかの首輪を見繕ってきた
「へべくんはどれが良い?」
『どれと言われましても・・・
首輪なんて付けたく無いっていうのが本音ですよ?』
そう言って店主の様子を伺うが、やはり俺の言葉を理解しているのは茜だけの様だ
「仕方ないなぁ、じゃあ私が選んであげるね」
そう言うと茜は、うれしそうに首輪を選び始めた
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「任せるんじゃなかった・・・」
蛍光ピンクの首輪を触りながら俺は独りごちた
女子小学生と俺の美的感覚は根本的に違うらしい
かといって、いまさら返品してこいとは言えないわけで・・・
「とりあえず首輪は買ったし、これからどうしようか?」
俺の心の中の葛藤を知ってか知らずか、茜が俺に訪ねてくる
「家に帰るんだろ?」
「うーん、最初はそのつもりだったんだけどね・・・」
「ちょっと寄り道してもいいかなぁ?」
「別にいいんじゃないか?」
早春の木漏れ日がさす、日曜の昼下がり
散歩にはうってつけの日和だ
茜は自転車を降りると、あえて手で押して歩き始めた




