02-b2
電気を消した暗い部屋の中
俺は、ベットの中で、茜に抱きかかえられていた
「ねぇ、へべくん起きてる?」
「ん?」
「へべくんは、何処から来たの?」
「俺?俺は・・・多分この日本の何処かからだ」
「えっ?へべくんって日本で産まれたの?」
「今でこそ、こんな小動物になってはいるが、元々はれっきとした成人男性だ
だからこんな状況はいろいろとヤバイんだよ、判ったらとっとと俺を解放しろ」
「うーん、それはダメかなぁ・・・」
「どうして?」
「だって、私にとって"へべくん"は"へべくん"だし、元々は大人でしたと言われても、良くわかんないや」
「そうか」
「そうだよ」
「なぁ、茜」
「なぁに?へべくん」
「お前はどうして、魔法少女なんてやってるんだ?」
「魔法少女?」
「変身して化物と戦っていただろう?」
「化物?あぁ、妖魔の事?」
「そうだよ、なんでお前があんな危険な事をしているんだ?」
俺がそう質問すると、茜は少しだけ強く俺を抱きしめた
そして、ゆっくり力を抜くと、ぽつりぽつりと話始めた
「私ね、前に妖魔に襲われた事があるの
私はこのまま死ぬんだと思って、怖くて何もできずに泣いていたの
でもその時、妖精さんが現れて、私にあの指輪をくれたの」
「妖精さん?」
一瞬、あの羽虫の姿が頭に浮かぶ
「そう、そして妖精さんは私にこういったの"あれは人の絶望、人の生み出す絶望の象。
でも、あなたには絶望を希望に変える力がある。
だからお願い、皆を救ってあげて。
それは、あなたの願いを叶える為でもあるのだから"って」
「希望?ってか、よくそんな長いセリフ覚えていられたなぁ」
「そうだね・・・でも、なぜかその言葉だけは、忘れることができないんだよ」
そう言って茜は少しだけ笑った
そういえば、あの羽虫も希望がどうとか言っていたな
「指輪をはめるとね、妖魔の事とか"力"の使い方とかいろいろなことが判ったんだ。
妖魔はね、普通の人には見えも触れもしないんだよ。
妖魔の方も同じで直接人に何かすることはできない。
でも、妖魔は他人に感染るんだよ。
もし、放って置いたら、皆が妖魔になっちゃう。
だから、誰かが戦わなくちゃいけないんだよ。
妖魔と戦える力を持った誰かが・・・」
俺は、ただ黙って茜の話を聞いていた
茜の言っている事は、一見正しいように思える
だが、何か引っかかる
とても危うい感じがする
「茜・・・」
暫く考えた後、俺は茜に声をかけた
しかし返事は無い
「茜?」
俺はもう一度声をかける
やはり返事は無く、穏やかな寝息が聞こえる
無理もないか、今日はいろいろあったからなぁ
俺は目を閉じてもう一度考える
妖魔、妖精、茜・・・
判らない事だらけだ
考えてるうちに意識が遠くなる
規則正しく繰り返される寝息と、少し甘ったるいに匂いに包まれて何時の間にか俺は眠りについていた




