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新たに始まる世界

どうも、気ままに更新すぎぎーです。


見てる人はわかると思いますが、本文を合体させました。一部にしては短かったもので…

気分ですね〜


深夜のテンションなんてそんなもんですよ?


「これでホームルームは終わりにする。みんな、気を付けて帰るように」


さてさて、やっとホームルームが終わったか。安藤先生はポニーテールを揺らしながら教室のドアを出て行った。なんか急いでるっぽいな。ふとクラスの人達を見ると、新しく出来た友達やら可愛い子に声をかけるやらで慌ただしくなる。俺には関係ないな、と鞄を持ってさっさと退散しようとすると…


「犬崎君、ちょっといいかな?」

「げっ」


さっきほど体育館で話しかけてきたスポーツ君ではないですか。確か名前は、


「鷹田?だったっけ。どうしたの?」

「いや、大したことではないのだけれど、何か部活にはいるのか気になってね」


そんなことの為に話しかけたのか?友達になろうとか言われると思ったわ。それにしても部活か。確か1年生は必ずどこかの団体に入らなくちゃいけないって安藤先生が言ってたな。まだ決まってないし、それどころか何の部活があるのかすら知らねぇし。ここはひとまず、


「ごめん、まだ何入るか決まってないんだ」


となるべく笑顔で答えておこう。


「そうか…、犬崎君良い体してるから、何かの部活をやっていてそのまま高校でもやるのかと思ったんだけど、何か部活やってたのかい?」


やってない、と答えかけだがここで嘘をつく意味もない。というよりこいつ、良い体って、もっと言い方あるだろ?ウホッ!とかいう方たちだったら勘違いしてるぞ。まあ、それは置いといて、確かに"俺"はやっていない。しかし、"オレ"の方はどうだろう?確かアルバムにはサッカー部の写真見たいのが入ってたな。つまりサッカー部か。こいつと同じ部活はなんとなく面倒だな。たぶん目の前にいる鷹田は陸上部だろう。鷹田の席であろう方を見てみると、何かの靴が入っている袋に<陸上魂>と書いてある。あれで陸上部ではなかったら驚きだ。俺の視線に気付いた鷹田が少し笑いながら、


「ああ、僕は陸上部に入る予定なんだ。中学でもやっていてね。もしよかったら一緒にどうだい?」


と言われたので


「悪い、俺サッカー部に入ってたんだけど少し膝を壊してね。さすがに部活レベルで運動するとちょっとね」


と、このように言っておけば、運動部には入れないけど体育くらいはできますよ的な感じに捉えてくれるだろう。もちろん嘘なので若干心が痛いがこの際仕方ないだろう。


「そうか…、なんか嫌なこと聞いてごめんな。俺そろそろ部活あるから行くわ。またな」


と、申し訳なさそうに言うのでさらに心が痛くなった。

鷹田拓也、身長は俺より少し大きいくらいで175㎝くらいだろう。軽い茶色のかかった髪の毛は彼の性格からして、染めた訳でもないだろうし、何よりあのいい人オーラからしてそんなことは誰も思わないだろう。体つきも野球部みたいなゴリゴリな感じはなく、走りに特化したとでも言うのか、引き締まった良い体だと思う。別にそっちの趣味はない。


さて、これ以上誰かに話しかけられることはないだろうが、早く帰るに越したことはない。さっさとかえ……


ピンポンパンポーン

「あ〜、1年C組の犬崎君、1年C組の犬崎君、至急職員室まで来てください。え〜、繰り返す。1年……」


退路は絶たれたようだ。

今の声は安藤先生か。何の用だろう?寝ていたことのお仕置きにしては大袈裟すぎるだろうし、何かやらかしたっけ?とりあえず行くか。行かなかったら後がうるさそうだし。

俺は中身がまだあまり入っていない鞄を手に持ち、気持ち足早に職員室に向かった。


✳︎


「いや〜悪いね、別に寝ていたバツって訳じゃないんだけど、この荷物ちょっと運ぶの手伝ってくんない。一人だと流石に多くてさ」「はぁ、まあわかりました」


先生が待っていたのは、職員室の中ではなく、職員室の隣の資料室と書いてあるとこだった。俺、雑用の為に呼ばれたのか。怒られるわけじゃないから別に良かったけど。

それにしても確かに多いな、このダンボールの山。女一人の腕力だったら1、2回の往復じゃ済まないだろう。


「これどこまで運べばいいですか?」

「ん、旧校舎だ」


旧校舎?そんなもんこの学校にあったのか?学校紹介のパンフレットにも書いてなかったはずだ。正門から正面に少し歩いたところに大きく校舎があって、左に体育館など、奥に校庭、右の方に体育館と同レベルの大きさの図書館がある。図書館がやたら強調されてパンフレットに載っていたところをみると、この学校の目玉スポットなのだろう。

などと学校の見取り図を頭に思い浮かべみたが、旧校舎の場所は思いつかない。


「先生、それってどこにあるんですか?」

「なんだ?男のくせに質問が多いな?そこは黙って運ぶのが男だろう?」

「そういうのいいんで教えてくれません?」


たぶん冗談であろう安藤先生の言葉をスルーし答えると、返答が面白かったのか、笑いながら


「まあまあ、いいじゃないか。校庭の奥だよ。少し歩くが大丈夫か?」

「大丈夫ですよ、たぶん」


安藤先生は見た目はマジで美人なので笑った顔に少しドキッとした。これで結婚していないらしい。もし同年代なら狙っちゃうな、俺。たぶん無理だけど。さっさとダンボールを運ぶか。

と、床に置いてある大きなダンボールをまとめて持ち上げると、「おっ」と安藤が感心したように声をあげた。


「犬崎は思ったより力があるな。これなら早く終わりそうだ」


と、安藤先生はさらに笑みを浮かべてそう言った。ダンボールで先生の顔が見えなかったのが残念だ。ちなみに結構全力で持ってる。力の源はカッコつけたさ2割に早く帰りたいが8割だな。そうして先生も残ったダンボールを持ち上げて一緒に旧校舎へ向かった。


✳︎


「助かったよ。一人じゃこんなに早く終わらなかったよ」

「ど、どうも」


結局、資料室の中になら台車があるんじゃないかということで確認したところ普通にあったので、先生の分と残りを乗せて往復せずに済んだということだ。ちなみに俺の持つ分は変わらない。さすがに全部は台車に乗せきれなかったようだ。

それにしても旧校舎が遠いのなんのって。

腕が千切れるかと思ったわ。


旧校舎といってもさほど大きなものではなく、1階に教室が4つ程度、2階には3つ程度だ。ともかくボロい。木造だからそう思うのかもしれないが、山の奥にあったら確実に幽霊さんこんにちわだろう。

今はここで一番大きな部屋であろう図書室?みたいなところで休んでいる。どうやらダンボールの中身は本のようだった。どうりで重いわけだ。とりあえず、仕事は終わりだし、さっさと帰って…


「君は部活に入るのかい?」


この人はどれだけ俺を帰らせたくないんだ?しかも、入るのかい?って言い方はおかしいだろ?


「1年生は強制で入らなくてはいけないんじゃないんですか?」

「いや、確かに団体に入るのは強制だが部活動だけというわけではない。この学校には委員会というものがあるし、なんなら生徒会だって構わない。」


どの道面倒だな。委員会ならともかく生徒会なんてもっての他だ。

先生には俺の考えをある程度わかっているのだろう。その上でこのような提案をしてきた。

「総事務委員会というものを知っているかい?」「知らないです」


確実に面倒くさそうなので即答した。


「待て待て、慌てるな。説明を聞いてからでも遅くはないだろう?」

「まあ、聞くだけなら」

「よし、まず一つ目はこの委員会には君しかいない。」

なるほど、すでに委員"会"ではないな。

「次に拠点はここ。そして基本的に旧校舎は立ち入り禁止だ。人が入ることは滅多にない。」

確かに魅力的だ。この部屋はだいぶ使っていなかったのだろう、ホコリがたまっているが掃除すれば何てこともない。人が来ないということは、ここをほぼ自由に使うことができる。

と、ここで当然の疑問。


「それってなにやるんですか?てか、なんで俺一人?」

「ん?ただの雑用だ。一人なのは今私が作ったからだ」


What's?コノヒトナニイッテンノ?

俺が唖然としていると、先生が遠い目をしながら語り出した。


「私って美人で若いだろ?その上性格もいいときた。そうなると、色々と他の教師共に押し付けられる訳ですよ。そうなると私の手となり足となる人間が必要なる。そこで犬崎、お前だ。」


何がそこでなのかもわからんし、先生の本質もわからん。俺、生徒会長の時もそうだが女を見る目がないのかもしれない。人を見た目で判断するのは良くないな。


「でも先生、そんな簡単に決めていいんですか?他の先生とかにも許可とか……」

「安心しろ、すでに取ってある」


いい笑顔♪と言わんばかりのスマイル。この人ホントにすげーな。素直に感心するわ。


「この学校はな、広い割には用務員の数がなぜか少ないんだ。そこに雑用係ときたら満場一致だ。」


恐る恐る聞いてみる


「ちなみに拒否権は?」

「あるに決まってるだろう?」


良かった。さすがにそこは大人の…


「拒否した後は知らんがな!」

「精一杯やらせていただきます!!」


こうして俺は総事務委員会に入ることになった。


ん?決して力にくっしたわけじゃないよ?




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