生徒会長、八代朱鳥の作った世界
とりあえず、まだだいぶショートストーリーですがお付き合い下さい。
「え〜、ではでは、え〜、我が秋風高校は、え〜、今年で、え〜、50周年の歴史が、え〜、あり……」
長い、長すぎる。というか「え〜」って何回言うの?いいすぎじゃね?まとめて話せよ。かれこれ20分近く校長の話というなの拷問を受けている。そろそろ腰がきつい。この後のプログラムは、先生紹介に、新生徒会紹介、閉会の言葉か。この会自体が1時間半くらいだから後40分くらいか。寝よう。
「…い、お…ろ、……きろ…」
うるさいな、誰だよ。今世界救ってるとこ…
「おい、起きろ、呼ばれてるぞ」
隣の席に座ってるいかにもスポーツやってますよ君に肩をゆすられる。猫背で寝ていた体を起こして軽く伸びをする。呼ばれてる?だれに…
「おはよう、私の挨拶の途中で寝るとはいい度胸じゃない?ねぇ、犬崎くん。」
なるほど、どうやら先生の挨拶が始まっていたらしい。壇上でマイクを持って話している女性が物凄い笑顔でこちらを見ている。否、笑顔じゃ無いな。般若だな。
などと眠い頭で考えていると、俺が起きたのを確認したのか、全体を見渡すように
「Cクラスを担当することになった安藤だ。私のクラスになったものは覚悟しておけよ。」
と、言い放った。
Cクラス?俺のクラスじゃねーか。だから、名指しで怒られたのか。後ろの方からたぶん2年生であろう先輩方が「かわいそう」など「いいなー」などとつぶやいてるところを聞く限り素行の良い生徒には慕われるタイプだろう。そのあとはFクラスまで問題なく先生が紹介され、新生徒会の発表となった。
うおおおおおーー
なんか周囲が盛り上がっているな。何をそんなに…
「皆さん、おはようございます。新しく生徒会長になりました、八代朱鳥です。」
おお、すごく綺麗な人だな。黒のロングヘアに切れ長の目、柔らかそうなくちび……これ以上は変態っぽいからやめておこう。とにかく美人だ。隣のスポーツ君でさえも会長に魅入っている。きっと性格もびじんー
「選挙に落ちた高橋くんごめんなさい。私に勝負を挑むなら、せめて全校生徒の4分の1位の推薦は集めないとね♪相手にならないから
」にこにこ♪
シーン
という効果音が流れるかのごとく会場、体育館は静まり返った。こいつはやばいな、性格がイカれて……
うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
地震かとおもたわ。そう錯覚するくらいの声量が体育館に響き渡った。彼女、いや、奴と呼ぼう。奴を知っているであろう2.3年生はともかく1年生もパイプ椅子から立ち上がって拍手をしている。てか、先生もすげー拍手してね?
この会自体1年生の歓迎会を兼ねているらしく2.3年生は後ろに座っている。なのであれだけの人数が叫んでいるとなると、もうライブ会場どころの騒ぎではない、行ったことはないけど。
にこっ☆
ゾクッ!?
なんか一瞬寒気がした、手を見ると汗が半端ない。春も始まり暖かくなり始めた季節だがそこまで暑くないはずだ!周りの奴らは叫んでて暑苦しいが…まだ叫んでたのか。
寒気の先は壇上にいる奴だと気づくのには時間はかからなかった。だって目があったもん。
自意識過剰だって?そんなことわかってる。だけど、平穏を望んだ新生活が崩れていく音が確かに聞こえた…気がした。
というより、あの安藤とかいう担任に名指しされた時点で終わってたな。
一応奴がメインヒロインとなる予定です。
学校中の人気者ということでしょうね、羨ましい