ゴーレム カスタマイズ
しばらく呆然と見ていたが、名前を付けなければならない事を思い出す。
うーん、そういや聖書にも竜が登場するんだっけ。
7つの大罪と同じ7つの頭と10本の角を持つという赤き竜。
黙示録……、アポカリプス……、よし。
「じゃあ、お前の名前は『カリス』だ」
グアアァ
カリスの種族は『虹水晶の竜』だった。
おそらく本来は水晶竜だったのが、契約時のアンブロシア使用によって変化したんだろう。
と、カリスが竜槍杖に興味を示した。
その腕が宝玉に触れると、見えない何かがカリスに流れ込んだ。
ミシミシ
「うえっ!」
突然カリスが巨大化し始める。
慌ててカリスを抱えて外に出る。
成長は体長15mほどでようやく止まった。
一気に成竜になってしまった。
見上げる様な巨体が、闇の中に虹色の光を纏い浮かび上がる。
これって、1人のプレイヤーが所持して良いレベル超えてないか?
その時点で彼が知る由もなかったが、運営はプレイヤーが古竜を使役する事を想定していなかった。
STチェックは、称号を持つ者の所属するギルド全体の平均STがチェックされる。
第3エリアに到達した時点のSTでは、ほぼ間違いなく基準値をクリアできない。
実際、他の3サーバーではクリアできず、またチャンスは1回限りなので古竜は手に入らない事になるのだが。
しかし、この設定だけ用意したようなイベントは偶然クリアされた。
原因は称号持ちのプレイヤーが、あれほど目立つ石像に気付かなかったこと。
パーティを組んでいれば誰かが見つけたかもしれないが、彼は1人だった。
他の場所に気を取られ、いつまでも気付かなかった。
そして、その間に彼のSTは基準値をクリアしてしまったのだ。
「おっと、フードもあるんだったな」
ガツガツ
メキメキ
翼が無くなり肩の水晶が大きくなった。
後ろに大きくせり出している。
バシュウ
「おおう!」
肩の水晶から虹色の粒子が噴出し翼を形作った。
まるでV2ガ〇ダムの様な光景。
考えてみると翼は他の部位より脆い。
接近戦や地上戦では狙われる事も多い。
しかしこれなら損傷して飛行不能という事は無い。
「種族名は『極光竜』か」
こうして俺の使い魔は12体揃った。
翌日 冒険者ギルド
素材回収系依頼をチェックし、報酬の良い物は受注し手持ちの素材を納品していく。
残りは売って金にしよう。
あんまり一気に売ると値崩れするかな?
そんな事を考えていると、1枚の依頼書がでかでかと貼られているのを見つけた。
「何だこれ?」
指名依頼
対象 フィオ
依頼者 職人連合
内容 ギアの貸与
[解るぞフィオ。こんな胡散臭い依頼受けたくないだろう。
だが、断言する。こいつはお前にとって絶対に得になる。
実験は何度も行った。99%大丈夫だ。]
……ことごとくこっちの考えを先読みしてやがるな。
99%ってところがまたリアルだし。
職人連合? 何人集まるんだ?
実は従魔にせよ召喚獣にせよ、ゴーレムを使っている奴は結構いる。
壁役として最適だし、素材による強化が可能だからだ。
ウッドゴーレムやストーンゴーレムを捕まえてメテオライトゴーレムやアイアンゴーレムにすればいいのだから。
さらに簡単な武器防具を取り付けることも可能だ。
ギアは徒手空拳の格闘タイプだが、大盾や大剣、大斧、ハンマー装備が基本らしい。
実験なのか?
それとも武器防具の装備?
そういや、以前工房にゴーレムがいた様な……。
ぐっ、気になるな。
……よし、殺されはしないだろう。
行ってみるか。
馬鹿共の魔窟に。
工事現場の作業員みたいな格好の連中が約40人。
ヘルメットには安全第一の文字が。
一気に帰りたくなってきた。
「よく来たな。依頼を受けてもらえて何よりだ」
「ホントに安全なんだろうな? 状況しだいじゃ即座に送還するぞ」
「うむ。まずはこれを見ろ」
案内された作業場にあったのは3つの宝石だった。
おそらくダイヤモンド、ルビー、アメジスト。
しかしデカイ。
ダイヤは1m、他の2つは50cm位はある。
「こんなでかい宝石どこにあったんだ?」
「ふふふ、聞いて驚け。こいつは人工宝石だ」
「なに? 人工?」
ギルドリーダーの話によると、人工ダイヤモンドは0から合成された物らしい。
装飾としての価値は低いが、素材としての価値は天然ものと同等らしい。
残りの2つは小さい原石からできた小さい宝石を、複数合成した物だとか。
錬金術師よくやるな……。
これが素材として正常に働くかどうかの実験ってわけね。
でも、なぜギア?
「お前のゴーレムは高性能だ。下手な装備はかえって邪魔になるんだろ?」
「ああ。防具もあんまり意味無いからな」
「なら、その拳を強化し能力を追加すればいい。まず、この宝石を武器として本体に直接組み込む」
「直接?」
「ああ。ダイヤは胸に、ルビーとアメジストは手に組み込む」
「上手くいくのか?」
「ああ、何度も実験した」
ふむ、ぶっつけ本番じゃないのか。
要するに、新しく完成した色んな技術を組み込むための素体にしたい訳だな。
下手に武器防具を持ってるゴーレムだとそれが邪魔になるとか?
まあ、強化してくれるんならいいか。
「解った。やってくれ。コール ギア」
気付かなかったことで得をした主人公。
他のサーバーは情報があったがゆえに、すぐに塔に行ってしまいます。
そして宝石装着の効果とは?
手は付加だとすぐ解るけど胸は?




