砂漠の花
まずは『地下墓地』にやってきた。
しかし、混んでいる。
ゼクが転生に成功したことでさらに熱が入っているようだ。
しかし、話を聞いた限りでは結構運も良かった結果だったので、第2号はしばらく誕生しないだろうな。
うーむ、これだけ並ぶと入力端末が1個というのは見直されるかもしれない。
しばらく所持品のチェックをしていると、ようやく番が来た。
自分の名前だけ入力して即OK。
オーバー・ソウルの部屋に転移する。
「コール ネクロス シザー ヴァルカン」
登場するパワー派3体。
ボスはリッチ関連のセリフを吐こうとするが、その前に襲いかかる。
応戦するようにボスは『支配』のスキルで、一気に9体のアンデッドを召喚した。
しかし、ネクロスの魔法武器、シザーの風を纏った刃、そしてヴァルカンの炎は雑魚を紙クズの様に吹き飛ばす。
実体の在る無しも関係ない。
次々とアンデッドは召喚されるが足止めにもならない。
しかし、オーバー・ソウルも黙ってはいない。
こいつの魔法討伐がうまくいかない理由。
1つは魔法防御力、1つは無限に現れるアンデッド、そして最後の一つが最上級魔法だ。
こいつは闇属性の最上級魔法『ダウンダークネス』を使用するのだ。
そしてオーバー・ソウルの切り札が放たれる。
狙いはアンデッドを蹴散らすヴァルカン。
しかし、全てを飲み込む漆黒の球体は、突然軌道を変えあらぬ方向へ飛んで行った。
驚きに硬直するオーバー・ソウルにネクロスとシザーが襲いかかる。
距離を詰められたオーバー・ソウルはそのまま切り倒された。
ヴァルカンとボスの中間地点に、ステルスを解除したリーフが現れた。
今のはリーフの新たなスキル『リフレクト・シールド』だ。
通常のシールド系は攻撃を正面から受け止めるが、このスキルは受け流す。
その為通常のシールドより長持ちし、上手く行くと敵の同志討ちも誘える。
「ふーん。ソロドロップは『冥府の長杖』か」
杖は俺は使わないし、使い魔も使わない。
工房に見せた後、オークションに出すか。
花は無かったが、まあありそうな場所じゃないしな。
ボス部屋の前の広場に戻るとまだ混んでいた。
縛りがあると時間かかるし大変だな。
さて、お次は砂漠だ。
サンド・ウォームは体力馬鹿だ。
魔法が効きにくいのに近寄ると危ない。
だが、遠距離物理を身に付けた今なら、どうとでもなる。
「コール ベルク プルート シザー」
飛行能力を持つ物理系の使い魔を呼び出す。
これで地中からの強襲は怖くない。
後は地上へ引きずり出すだけだ。
「【バイブルフラッド】」
ドパァァァ
大量の水が砂に浸みこむ。
MPの続く限り使う。
どうせ魔法は効きにくい。
ゴゴゴゴ
来たな。
雨の日のミミズと同じだ。
ミミズが雨の日に土から出てくるのは、別に雨が好きだからではない。
ズザアアア
水が体表を覆って皮膚呼吸ができなくなるからだ。
同じ原理で窒息させれば地上に出てくると考えたのだがビンゴだ。
のたうち暴れるボス。
しかし、地中には潜らない。
窒息するんだから当然だ。
こっちのメンバーは全員風属性持ちだ。
俺も風属性を付加させて攻撃する。
徐々に弱っていくサンド・ウォーム。
「くらえ【グングニル】!」
ボゴォ
風属性を付加した最上級投槍技が口に打ち込まれる。
投げた瞬間電柱の様に巨大化した槍杖は、胴体を貫通し尻尾から飛び出して行った。
【グングニル】は、【ブリューナク】より威力は大きいが追尾機能が無い。
しかし、巨体のモンスターには極めて有効だった。
「『サンド・ローズ』。砂バラね」
ソロドロップは花。
おそらく土属性の宝石強化素材。
2個必要だからもう1戦か。
おっと、サーペントも倒さないとな。
何か忙しいな。
これで残るは風のみか。
風系の花の在りかねえ。
解らん。
可能性があるとすれば例の浮遊島か。
でも、あそこってどうやって行くんだろう?
飛行系従魔に乗っていけばいいのだろうか。
とりあえず解ってる事からやっていこうかな。
第4サーバーが第3エリアに到達しました。
リーフはまだ隠し玉持ってました。




