昆虫採取
デュエルが終わり戦闘フィールドが解除された。
3人に声をかけるが無視して去って行った。
またどこかで強化を行うのだろう。
彼らの実力は高い。上位ギルドで通用するほどに。
ネクロスと短い間とはいえ渡り合ったあのカマキリ、普通のランク2ではあそこまで持たない。
召喚獣は使い魔ほどではないが主の影響を受ける。
つまりあの刀使いはそれだけの実力者だったのだ。
しかし、今のままでは技術が偏ってしまいSTとスキルに振り回されてしまうだろう。
「うーん、もったいないな」
「そうだな」
「……見てたのかよ」
いつの間にか職人ギルドのリーダーが隣に来ていた。
どうやら全部見られていたようだ。
まあ、困るものではないが。
「余計なことにこだわらなければもっと上達するだろうにな」
「ああ、連中も理性じゃわかってる感じだったぞ」
「まあ、時間が解決してくれるだろうさ」
「だと良いけどね」
おそらく彼らは自分自身の心の整理はついている。
しかし、やめた仲間の存在が彼らを縛り続けているのだろう。
難しいものだ。
「しかし、あのカマキリは大した強さだな」
「ああ、下手なランク3より強いらしいからな。知らなかったのか?」
「今回が初見だ。確か樹海に出るんだったな」
「行くのか?」
「ああ」
ぜひとも俺の使い魔としてあの鎌を振るってもらいたい。
樹海の後半にはあまり行った事無いしちょうど良い。
後日、樹海
「出ない……」
低確率とはよく言ったものだ。
2時間たっても1体も出ない。
あいつら確かに苦労したんだろうな。
うむ、ここはおとなしく待つより頭を使おう。
相手はカマキリ、肉食だ。
古典的な手だが餌で釣れないだろうか。
適当な肉食材を山のように置いてみる。
使い魔はいったん全員戻して木の上に隠れた。
契約するには自分で倒さなければならないからな。
しばらくすると肉にモンスターが集まり出した。
狼にトカゲ、食肉植物もいる。
お呼びじゃないので魔法をブチ込み一掃する。
これでも駄目か? まあ、もう少し待つか。
「お、来たかな」
魔力探知に大きな反応があった。
そちらを見ていると来た。
体高2mを超える巨大なカマキリ『マンティス・リッパー』だ。
後は自分で仕留めるだけだ。
正々堂々相手になってやろうじゃないか。
背後から、奇襲で、遠距離から、魔法で。
……いや、だってねえ。
想像してみてくれ。体高2m越えのカマキリだよ?
人間の首なんてあっさり刎ね飛ばしそうな鎌持ってんだよ?
いくら自分の方が強いって解ってても怖いじゃないか。
「とにかく覚悟。【フリージングハザード】」
ビュオオ!
身を切るような極低温の波がカマキリを襲う。
虫系は大体氷属性の弱いんだが。
〈キシャア!〉
「おお、耐えたか。【ダウンダークネス】」
今度は闇属性最上級魔法だ。
さすがに耐えられないだろう。
漆黒の空間が消え去ると、そこにはいまだ健在なカマキリが。
おお、さすがにビックリだ。
第3エリアのモンスターでも大抵はくたばるのに。
と、思ったが生き残ったわけではなかった。
契約に成功したので、そこに残っていたのだ。
さすがにランク2なので契約自体はあっさり成功だった。
契約に成功しました。
名前を付けてください。
「名前ね。じゃあ、『シザー』で」
使い魔契約完了。
シザーはランクアップしました。
種族 『帝王虫』
名前 『シザー』
属性 『土』『風』
ランク 4
ランクアップしたシザーは圧倒的な威圧感を放っていた。
まず鎌の両前足の下に、大木も切り倒せそうなハサミの足と装甲板でさえ貫きそうなランス状の槍の足が付いている。
背中の翅も刃物になっていて震わせることで風刃を発生させる事が出来る。
さらにサソリの様な尻尾が1本付いていて麻痺毒を持っている。
そして全身は甲虫のように甲殻で覆われており、その色は黄金。
木漏れ日を浴びて燦然と輝いている。
体高は4mにも達し口からは酸のブレスを吐く。
その姿はまさに帝王である。
緑の保護色なんぞクソ食らえ、真っ向勝負だって感じだ。
スゲーの使い魔にしちまったな俺。
帰りがてらシザーの戦闘力を確かめてみた。
モンスターが雑草の様に刈られていく。
間違いなくネクロス並のアタッカーだ。
そんなことを実感していると
「うわあああ、な、何だあれ!」
「まさか、大ボス!?」
「に、逃げろ!」
出くわした10人位のパーティは脱兎のごとく逃げ去った。
俺の事など気付きもしなかったようだ。
うん、まあ、いきなりこんなのが現れたらそりゃ逃げるよな。
「町に戻ったらお披露目しないと騒ぎになりそうだな……」
お披露目自体が大騒ぎになったのは言うまでも無い
カマキリベースにサソリとクワガタをミックス。




