お披露目
邪竜討伐後、俺は主だったプレイヤー達にさっきまでの事を説明していた。
「完全にまぐれかよ……」
「邪竜の強さは現時点では討伐不可能でしたしね」
「スタート時からの溜めでギリギリか……」
本来なら邪竜はもっと全体的にパワーアップしないと倒せないはずなのだろう。
しかし、幸運も重なり倒せてしまった。
「報酬は称号か。どんな効果なんだろうな」
「邪竜素材はすごい装備が作れそうだな」
「第3エリア楽しみだな」
聖魔やらは特に自分らに関係ないとスル―されてしまった。
気分はすでに第3エリアの様だ。
こいつなら何やってもおかしくない的な空気が漂っている。
あれこれ考えてた俺がバカみたいじゃないか。
ところで、もう片方の主賓はと言うと……
「キャー、カワイイー」
「リーフちゃーん」
「さわらせてー」
「次、私ー」
〈キュー キュイィィィ〉
女性陣にもみくちゃにされていた。
まあ、見た目が大きめのリスという直球ストライクな外見だしな。
止める度胸は無いので耐えてもらおう。
幻獣の存在についてはワイバーン事件の事もあり割とすんなり受け入れられた。
何個もランダム卵を買ったと勘違いした者は尊敬の眼で見ていた。
ちょっと胸が痛い。
ランクアップした使い魔たちもお披露目したいが、一度やられた使い魔は丸一日呼び出し不能だ。
とりあえず、種族だけ紹介する。
フェイ 『タイタニア』
バイト 『ヒュドラ』
ネクロス 『デス・ウォーロード』
リンクス 『ブレイド・クァール』
ハウル 『ケルベロス』
ベルク 『ストーム・グリフォン』
プルート 『アビス・リーパー』
ヴァルカン 『ヴォルケイノ・ビースト』
となった。
ギアは新しい鉱石が出るまでメテオライト・ゴーレムのままだ。
もし俺がレイさん達と同じランクだった場合こいつらはランク2。
第2エリア相当なわけだが現実は4だ。
どれくらいの強さなのだろう。
〈キュイ~〉
リーフが女性陣の魔の手から逃げ出しコートに逃げ込んだ。
「もう、あんな可愛い子を隠しておくなんて」
「すいません。でも作戦でもあるんですよ」
これは嘘ではない。
プレイヤーだけでなくボスまで、伏兵のリーフにしてやられているのだから。
でもまあ、町中では出しておいても良いだろう。
どうせ、あっという間に話は広がるだろうし。
しばらくして、パーティは落ち着きを取り戻した。
ちなみに死に戻りしたプレイヤーにも半分ほどだが報酬は行っている。
戦闘に参加した以上彼らにも報酬を受け取る権利があるのだ。
まあ、デスぺナはあるが。
「では、進みましょう」
「間違いなく1番乗りだな」
「ああ、他のサーバーはダンジョン自体まだ出てないはずだ」
「俺、ヒヒイロカネの剣が欲しいんだよな」
「私はオリハルコンかな」
ダンジョンを抜けるプレイヤー達の声は期待に満ちている。
そういえば俺は前回引き返したんだったな。
前回もこんな感じだったんだろうか。
ダンジョンを抜けると草原の向こうに大きな町が見えた。
ここが第3エリア。
そしてあれが
「第3の町か……」
町に到着したメンバーは転送装置を起動させると自由行動となった。
じきに転送装置を使ってプレイヤーが押し掛けるだろう。
どうやら、新アイテムや新技術がかなり多いらしく、あちこちで騒ぎが起きている。
うーん、新鮮だ。
こうして綱渡りのエリアボス討伐戦は終了した。
第3サーバーは第3エリアの解放に成功しました。
リーフ襲撃されてしまいました。




