石化の邪眼
バシリスク討伐成功の情報を知り合い達に報告した俺はオーブ屋に向かっていた。
小型オーブを敵に食わせることに成功した事を報告しておこうと思ったのだ。
入り口には例の巨大オーブがオブジェの様に飾られている。
まちがえて起動しないだろうな?
中身【バーンアウト】だぞ。
「いらっしゃい。そちらから来るなんて珍しいですね」
「そういやそうだな」
いつもは呼び出されたついでに買い物してたからな。
こいつの店はオーブがメイン商品だがマジックアイテムや薬も普通に売っている。
装備は専門外らしい。
「その様子だと討伐成功みたいですね」
「ああ、それでな……」
バシリスクにオーブを食わせた事を説明するとなぜか黙り込んでしまった。
「……」
「?」
「……」
「どうした?」
さすがに心配になって声をかけると
「すばらしい!」
「おわっ!」
「さすがフィオさん! ロマンを解ってらっしゃる!」
メチャメチャヒートアップしてた。
こっちの反応などお構い無しに男のロマンを熱く語る。
正気に戻るまで少し時間がかかった。
「そうだ、これ見てくれないか」
「これは……眼ですか?」
「ああ、バシリスクのレアドロップだ」
「ふーむ、アクセサリなんてどうです?」
「石化防止ならもうあるぞ」
「いえ、なんとなくですけど勘が囁くんですよ」
ふむ、勘が意外に馬鹿に出来ないのはリーフの件でも解っている。
いざとなればまた取ってくればいいし、乗ってみるか。
買い物を済ませ大手の職人ギルドに向かった。
「おお、また槍杖見せてくれるのか?」
「違う」
「じゃ、短剣か?」
「普通に客だよ!」
俺の武器を狙ってにじり寄る奴らをけん制しつつブツを取り出す。
「アクセサリーにしたらどうかって言われたんだが」
「ふーむ、少し時間貰っていいか?」
「ああ、できたら教えてくれ」
俺はバシリスクの魔眼と金を渡し、ギルドを後にした。
数日後
「来たか。こいつが完成したアクセサリ『ジュエル・アイ』だ」
渡されたのは目玉を模した赤いイヤリングだ。
片方だけなんだな。
「効果は?」
「付けてみろよ。驚くぜ。」
名称 ジュエル・アイ
ランク 7
種類 アクセサリ
部位 耳
効果 スキル『石化の邪眼』使用可能 MP消費
「おい、これって……」
「ああ、アメンボの指輪と同じスキル追加装備だ。」
……あいつの勘、すげえな。
さっそく効果を試そう。
俺は適当な素材収集クエストを受けてダンジョンに向かった。
敵がいない。
どうやら直前に先客がいたらしい。
運が悪いな、と思いながら進む。
すると
「ん?」
魔力探知に反応がある。
4つのオレンジマーカー。犯罪プレイヤーか。
まだいたんだな……。
まあ、いい。
せっかくだから試し撃ちの相手になってもらおう。
右耳に着けたジュエル・アイを起動する。
ジュエル・アイから赤いビームが放たれた。
「んー? どっかで見た様な……」
ゴロリと足元に転がった4つの石像。
見た事がある気がするが石像なのでよく解らない。
どうでもいいか。
ほっといてもいいのだが犯罪プレイヤーにはお仕置きが必要だろう。
ガコン ガコン ガコン ガコン
「よし、完了」
実験も終わり、4つの石像を粉砕した俺は素材を求めて奥へと進んだ。
実は結構熱いオーブ屋。




