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職人ギルドの依頼

「……来たか」


「例の物を出してもらおう」


「何だよ、そのノリは……」


 俺はおとなしく愛用の槍杖をテーブルの上に置いた。

とたんに群がる30人近い職人たち。

正直、目が怖い。


「おお、これだ!」


「待ってたぜ、マイハニー」


「さっそく調べよう」


 なんか変なセリフが聞こえた気がするが……。

職人たちは槍杖を持って工房に入って行った。

壊されないだろうな……。


 ここは第2の町の中でも最大の規模を誇る工房だ。

俺は職人プレイヤーのクエストを受けて槍杖を貸し出しに来たのだ。

意外なことに槍杖は現時点では俺が持っている1本のみだ。

彼らは俺の槍杖を分析して量産するために、わりと頻繁にレンタル要請をしてくるのだ。


「この部分の装飾が……」


「この宝玉の位置が……」


「全体のバランスが……」


 工房からはブツブツと話し合う声が聞こえてくる。

夕方に取りに来よう。

そう思い、出て行こうとすると


「見つけましたよ」


 オーブ屋に見つかってしまった。



「お前馬鹿だろう」


「何事も実験ですよ」


 オーブ屋の工房で俺は直径2mはあるオーブを見上げていた。

前回のアドバイスはスルーされたようだ。

どこにこんなもの作る金があるんだ、と考えて気付いた。

こいつは前回完成した小型オーブでぼろ儲けしているんだった。


「計算上は問題ないはずです」


「持ち運びに問題大アリだ」


 ぼやきつつ高級MPポーションで買収された俺は魔法を込めた。


「【バーンアウト】」


「……」


「……」


「割れませんね」


「成功か」


 実用化への第一歩です、と喜ぶオーブ屋。

しかし、このサイズから実用化まで何歩必要なんだろう。

疑問に思いながらも、どんな形であれ最上級魔法のオーブ化に初めて成功したこいつは優秀なのだと認めざるをえない。



「そういえば『邪竜の迷宮』では大変だったそうですね」


「耳が早いな」


 『邪竜の迷宮』には蛇やトカゲなどの爬虫類系の敵が現れる。

そして、第2エリアなので中ボスも存在すると予想されていた。

先日俺は、ダンジョン内で合流した上位ギルドのパーティと共にその中ボスに出くわしたのだ。


「『バシリスク』でしたっけ」


「ああ、状態異常のデパートみたいなやつだった」


 ゲームによってバシリスクは蛇として現れる場合とトカゲとして現れる場合がある。

今回のバシリスクは体長4mほどのトカゲタイプだった。

巨大なイグアナみたいな外見と言えばイメージできるだろうか。


 情報を集めようと戦ってみたのだが、その能力はあまりにも嫌らしかった。

牙と背ビレには猛毒、ブレスも猛毒、爪には麻痺、さらに目は石化の邪眼で放たれるビームみたいなものに当たると石になるのだ。

石化の邪眼という能力は大ボス『ゴルゴン』が使用し、かなり脅威だった。


 5人の上位ギルドメンバーの内2人が石化され、1人が麻痺した時点で撤退を選択。

動けない3人をかついで脱出したのだ。

バシリスクの情報はすぐに共有された。

今日も討伐に向かった者達がいたはずだ。


 この手のボスは数ばかり揃えても意味がない場合が多い。

次々と状態異常にかかり、その治療で手いっぱいということになりかねないからだ。

そうなると攻撃する余裕が無くなりジリ貧になる。

よって少数精鋭で挑んだ方が良いと俺は考えている。


「久々にソロ討伐にチャレンジしてみては?」


 俺の心を読んだようにオーブ屋が煽る。

……やってみようかな。

と、考えてしまうあたり俺もこいつに負けない馬鹿なのかもしれない。


コカトリスとどっちにするか悩みましたが、やっぱトカゲで。

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