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雪原攻略 後半

 落とし穴から決死の脱出をはかったボスは、さすがに考え無しに突進しては来なかった。

ボスは冷気を発しているため直接足元の氷を溶かせない。


 ならばこちらから攻めるまでだ。

魔法部隊が広範囲をターゲットに魔法を放つ。

重要なのは雪を蒸発させない程度の火力を使うこと。


「「「【ブレイズ】」」」


ジュウゥゥゥゥ


 炎の波が雪を溶かし氷の上に水の層ができる。

これで雪に動きを阻害されることは無い。

そして氷が滑るのは表面が濡れているから。


 そう、作戦プランBは雪を水に変え、その上にアメンボの指輪で立つというものだ。

地上ほどではないが雪や氷の上で戦うよりはるかに動きやすい。


「よし、囲んで攻撃だ!」


「粘りすぎるなよ! 今度は相手も動くぞ!」


「まともに食らったら即死だぞ!」


 俺も槍を構えて突っ込む。

アイスマンモスも先ほどより多彩な攻撃を使ってくる。

後ろ足で立ち上がり押しつぶそうとしたり、回転して鼻で薙ぎ払ったりしてくる。

しかし、奴のHPは後2割だ。

押し切れるはず。


〈プオオオオン〉


「止まった?」


「またか。今度はなんだ?」


 HPが1割を切ったアイスマンモスが突然動きを止めうずくまった。

さっきの落とし穴脱出とよく似た行動。

皆が警戒する。

しかし今度は……


「な、なんて数……」


「まずい、防御!」


「こっちだ! 防壁を作る!」


 アイスマンモスの全身にまるでイガグリの様に氷柱が現れた。

魔法部隊は急いで【アイスウォール】を使う。

せり上がった氷壁の後ろに前衛部隊が隠れる。

次の瞬間、アイスマンモスは回転し全方位に氷柱を発射した。


ドガガガガガ


「まずい、持たない!」


「駄目だ! 破られる!」


「くっ、伏せろ!」


 氷柱の乱れ撃ちは防壁を貫きプレイヤーをなぎ倒す。

魔法部隊の盾となった3体の使い魔たちが光の粒子になって影に戻って行った。


「すまん……」


 だが防壁によってダメージは軽減されたので致命傷を負った者はいない。

さっき一度見ていなかったら対応が遅れていたかもしれないな。


〈プオオオオ〉


 アイスマンモスが咆哮を上げ突進してくる。

向こうも余裕がないのは同じだ。

最大の威力の攻撃で来た。


 しかし最初とは違い2本の牙が青白い光を纏っている。

強化魔法か。

だが、これをしのげば勝負はつく。


「ティーアさん! 左の牙を! 俺は右を狙います!」


「りょーかーい」


「「【バーンアウト】」」


ボボン


〈プガアァァァ〉


 最後のMPを振り絞った爆炎がアイスマンモスの牙に着弾し粉砕した。

アイスマンモスはたたらを踏んだようによろめき停止した。


「全員突撃!」


 この隙を逃さず一斉攻撃が加えられる。

1割のHPはついに0になり、アイスマンモスは力尽きた。



「ふう、苦戦しましたね。」


「使い魔ちゃん達ありがとねー」


 そういえば使い魔がやられるのは初めての経験だった。


「あちらもうまくいっていればエリアボスですね。」


 『血の棺』と『ビーストロア』は樹海の大ボス攻略に向かっている。

ボスは植物系モンスター『ボルボックス』だ。

分裂によって無限に雑魚を召喚し続けるいやらしい敵らしいが。

勝算がなければ挑まないだろうからあまり心配はしていない。


 点呼を取ると、瀕死に追い詰められた者はいてもやられた者はいなかった。

しかし、エリアボスはこんなものではないのだろう。



同日、樹海のボスも撃破され、第2エリアのラストダンジョン『邪竜の迷宮』が現れた。




いよいよ第2章も終盤です。

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