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戦場の町

 クエストの日、俺は始まりの町を歩き回っていた。

そっちの方が見慣れてるから、と言われたのでフードは被ったままだ。

城壁の周りでは底に油を入れた堀を掘っている。

古典的な手だが、単純なアンデッドには効果があるだろう。


 それ以外にもあちこちでバリケードやカタパルトが設置され、町の要塞化は進んでいた。

ちなみに俺は別にサボっているわけではない。

ギアは土木作業を手伝っているし、俺はプレイヤーの状況を確認しているのだ。


 というのも、いくつかの上位ギルドと彼らに近しいプレイヤー達が共闘を拒否したのだ。

結局、話し合いの結果彼らが南を防衛し、トップギルド連合は北、東、西を防衛することになった。

ちなみに俺は遊撃、好きに動けというありがたい役目をいただいた。


 今、町には援護の職人プレイヤーも合わせて8000人以上のプレイヤーがいる。

4方に1000人配置し、遊撃部隊を1000人用意できる計算だ。

しかし、見た感じ南が手薄に思えてならない。

プレイヤー数も少なめだし、防衛設備も他の3方と比べて貧弱だ。

指摘はしたし、人員を回そうかと聞いたのだが聞く気は無い様だ。

いざとなったら遊撃部隊が増援に向かわなければならないだろう。


 リーパーに対する作戦だが、俺は飛行できる使い魔を用意した。

第2エリアに生息する大型の鳥モンスター『ブラックピジョン』だ。

名前は『ベルク』。

使い魔になったことでランクアップし、漆黒の大烏『エアロレイヴン』となった。

ベルクに乗れば空中のリーパーともやりあえるだろう。


 そして時間が来た。

真昼間からアンデッドかよと思っていたら、突然空がうす暗くなった。

そして地平線の向こうから黒い波のようにアンデッド軍団が近づいてきた。

ゾンビにグール、スケルトンにゴースト数え切れないほどだ。


 そんな中、魔力探知にいくつか大きな反応がある。

目を凝らすとそこにはゾンビ系の『レブナント』、上位の死霊『レイス』、かつてのネクロスと同じ『ブラッディ・ボーン・ソルジャー』などの上位アンデッドが混じっていた。

だが、最も目を引いたのは


「ドラゴン・ゾンビってやつか……」


 飛行能力は無い様だが5mはある巨体はすさまじい迫力だ。

そうこうしている内に『腐肉鳥』やゴースト系などの飛行能力持ちはかなり近づいている。


「あれがリーパーか」


 その中に死神『リーパー』達の姿もあった。

外見は翼蛇に乗った黒ローブ。ローブの中は影のように真っ黒で赤い目だけが不気味に輝いている。

そして、その手には鎌を持っている。


 すでにギアは北の門前に待機している。

今回は紛らわしいのでネクロスは呼べない。


「コール フェイ ベルク」


 魔法攻撃をかわし防壁を飛び越えたモンスターが町に侵入する。


「それじゃ、行くぞ!」


 ついに今までに無い大規模戦闘が幕を開けた。


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